金曜日, 4月 3, 2026
ホームつくば可否同数、議長裁決で可決 市長退職金額のネット投票 つくば市議会

可否同数、議長裁決で可決 市長退職金額のネット投票 つくば市議会

つくば市議会9月定例会議に五十嵐立青市長が提案していた、市長2期目の退職金約2000万円の金額をマイナンバーカードを使ったインターネット投票で決める条例案について(8月26日付)、同市議会最終日の4日、採決が行われ、賛成12、反対12の可否同数となり、五頭泰誠議長の裁決により可決された。

科学の街の務め

本会議では、賛成意見として「筑波研究学園都市は科学技術を世界に波及する先進地として建設された。退職金のネット投票は、選挙のインターネット投票の実証実験の意味も含んでいる。課題を抽出し新しい取り組みをより良いものにするのは科学の街つくばの務め」(木村清隆市議)、「つくばはスーパーシティとして全国に先駆けて先進事例にチャレンジする責務を負っている」(小村政文市議)などの意見が出た。

不公平、市長個人のため疑問

これに対し反対意見として「市長個人のために市民の税金をネット投票に使うのは疑問だし、市職員の仕事を増やしてしまう。マイナンバーカードは任意なのに、マイナンバーカードとスマホアプリを使っている市民しか投票できないのは公平性が無い」(橋本佳子市議)、「市長は8年前『1期ごとに2000万円、3期で6000万円の市長特権の退職金廃止』を公約に掲げて当選した。その後いつの間にか公約を変えてしまった。金額を市民に聞いて決めることと退職金廃止はまったく別もの。まず公約を改めると言うべき。マイナンバーカードとスマホアプリを使っている市民は1万9000人しかおらず不公平。(ワゴン車に投票箱を積んで自宅前まで行く)オンデマンド型移動期日前投票を実施したい(すでに実施見送りが決定=9月2日付)と言った時は『だれ一人取り残さない』とさんざん言っていた。市民の意見を正しく取り入れるなら3000人抽出すればいいし、どうしてもやりたいのなら、投票で決まった金額にネット投票の投票率を掛けて決めるべきだ」(飯岡宏之市議)との意見が出た。

採決の結果は、欠席議員を除く25人のうち、賛成が、最大与党の「つくば自民党・創生クラブ」の6人、「公明党つくば」の2人、1人会派の4人の12人。反対は「自民党政清クラブ」の5人、「つくば・市民ネットワーク」の4人、「日本共産党つくば市議団」の2人と1人会派の1人の12人となり、議長裁決となった。

窓口センターでも準備

一方、投票できる市民が1万9000人に限られている問題について賛成議員からも「市民窓口で対応できるよう工夫してほしい」などの意見が出た。五十嵐市長は「電子署名機能が付いたマイナンバーカードを持っている人は13万人おり、期日を決めて、スマホをもってないとか、持っていても操作が分からない人は、窓口センターで職員がサポートしながら投票できる仕組みを準備している」とした。退職金額のネット投票は11月1日~11日に実施される予定。

審議会審議や市民への説明ない

同条例をめぐっては、9月定例会議開会前に市民団体「新しいつくばを創る市民の会」から「ネット投票に参加できない市民が出て公平性に欠ける、2000万円の費用がかかる、審議会の審議や市民への説明もされていない、市長の評価は退職金のネット投票で決まるものではない」などから慎重審議を求める請願が出ていた。

本会議に先立って9月17日に開かれた総務文教委員会(木村修二委員長)では審議の結果、3対3の同数となり、委員長裁決で条例は否決となっていた。

一方、市民団体の請願についても審議が行われ、委員会は3対3と同数となり委員長裁決で採択、本会議は12対12となり、議長裁決で不採択となった。(鈴木宏子)

◆本会議の採決結果は以下の通り(敬称略、議長除く)。

賛成(12人)▷つくば自民党・創生クラブ=小村政文、高野文男、長塚俊宏、黒田健祐、神谷大蔵、小久保貴史▷公明党つくば=浜中勝美、小野泰宏▷新社会党つくば=金子和雄▽山中八策の会=塩田尚▷清郷会=木村清隆▽つくばチェンジチャレンジ=川久保皆実

反対(12人)▷自民党政清クラブ=宮本達也、木村修寿、塚本洋二、飯岡宏之、鈴木富士雄▷つくば・市民ネットワーク=川村直子、あさのえくこ、小森谷さやか、皆川幸枝▷日本共産党つくば市議団=山中真弓、橋本佳子▽新緑会=中村重雄

➡NEWSつくばが取材活動を継続するためには皆様のご支援が必要です。NEWSつくばの賛助会員になって活動を支援してください。詳しくはこちら

48 コメント

48 Comments
フィードバック
すべてのコメントを見る
スポンサー
一誠商事
tlc
sekisho




spot_img

最近のコメント

最新記事

「小さな目標から一つずつ実現を」 日本国際学園大で入学式 つくば

3期生160人が入学 日本国際学園大学(橋本綱夫学長)の入学式が4日、同大つくばキャンパス(つくば市吾妻)で催され、3期生160人が入学した。同大は筑波学院大学から大学名を変更し一昨年4月に開学した。3回目の入学式となった2026度の新入生は昨年の約2倍になった。 式典で橋本学長は「大学に入った目的を思い出して欲しい。そして目的のために目標を立てることが必要。目標は小さな目標から一つずつ実現していくことで、最初の目的を実現させることができる」と話した。総代としてミャンマー出身のアゥンカゥンミャットさんが橋本学長から入学許可書を受け取った。 新入生を代表して安達歩夢さんは「自ら課題を見出し行動する主体的な姿勢が求められる。新たな環境の中で不安や戸惑いを感じることもあるかも知れないが、一つ一つの経験が将来につながると思う。これから知り合う仲間たちと切磋琢磨を重ね視野を広げるような交流をしていきたい」と語った。 在校生を代表して経営情報学部ビジネスデザイン学科4年生の八木翔平さんは、新入生に向けて「大学生活は高校までと異なり、自ら考え、選択し、行動することが求められる。授業も自分で選び、それが将来につながっていく。またこの大学は留学生が多いので、異なる文化や価値観を学び合うことができる。一人一人が可能性を広げ、挑戦を恐れずに様々なことに取り組んでほしい」とエールを送った。 同大は1990年、東京家政学院大の筑波短期大学として開学。96年に4年制の筑波女子大学に、2005年に男女共学の筑波学院大学になった。大学の運営は19年度に東京家政学院から学校法人の筑波学院大学に移り、23年からは学校法人名を日本国際学園に変更した。一昨年からは姉妹法人の東北外語学園(仙台市、橋本理事長)が運営する東北外語観光専門学校に日本国際学園大の仙台キャンパスを設置し、つくばと仙台にキャンパスがある。(榎田智司)

水戸市とつくば市の外国人居住者調査《水戸っぽの眼》11

【コラム・沼田誠】茨城県の外国人政策が変化している。その象徴が2026(令和8)年度予算案に盛り込まれた「通報報奨金制度」だ。外国人を不法に受け入れている事業者について、市民から具体的で根拠のある情報を募り、有益な情報には報奨金を支払うという。茨城は不法就労の摘発数が全国で最も多く、何らかの対策が必要だとしても、このような制度設計は都道府県レベルでは異例だ。その背景には外国人住民の急増がある。全国の在留外国人数は、2025年6月末で395万人に達し、この10年で約1.7倍に膨らんだ。茨城県の在留外国人数も5.8万人から10.6万人とほぼ倍増している。農業・建設・サービス業を中心に、外国人なしでは成り立たない産業構造が広がる一方、外国人居住者と日常的に隣り合わせになるという現実は、多くの県民にとって初めての経験だ。 県が「適正化」を強めるのであれば、市町村には「地域で暮らす外国人住民をどう支え、社会参加につなげるのか」という別の役割が問われる。水戸市やつくば市は、増加する外国人住民にどう向き合っているのだろうか?水戸50人に1人:つくば20人に1人 水戸市の在留外国人数は4772人。人口比では1.8%だが、県都としては無視できない規模だ。その対応策の相当部分は、外郭団体の水戸市国際交流協会が担っている。2022年に公表された市政モニターからの政策提言への回答では、同協会が運営する国際交流センターは、外国人市民の実態やエスニックコミュニティの状況をこれまで調査しておらず、具体的な課題をあまり把握できていないと認めている。 つくば市の在留外国人数は1万4650人と県内最多で、住民の20人に1人が外国人になっている。この10年で約5000人も増加しており、研究者や留学生に加え、就労目的の外国人が増えているとみられる。こうした変化を受け、市は2023年3月「第2次つくば市グローバル化基本指針」を策定、「すべての人にとって住みやすいグローバル都市」をゴールに掲げ、日本語学習支援を「都市インフラ」と定義した。 ただ、この指針の根拠となる「つくば市外国人市民意識調査」は、ウェブ方式で実施されており、情報アクセスが限られている層の声や実態が十分拾えていない可能性がある。これに対し大阪府豊中市の「外国人市民アンケート」(2023年3月)では、住民基本台帳から無作為抽出した対象者に、多言語の調査票を直接郵送する方式で行われ、孤立感・定住意向・子どもの教育環境まで可視化できている。解像度が異なれば、そこから導かれる施策も変わってくるはずだ。「見えない声」を拾う調査が必要 外国人居住者が安心して社会参画できる環境を設計することは、人手不足に苦しむ産業の持続可能性への回答であると同時に、人権上の要請でもある。その出発点は、泥臭く「見えない声」を拾い上げる実態調査にあるのではないだろうか。私たちは、隣人についてもっとよく知り、理解する必要がある。(元水戸市みとの魅力発信課長)

公募は仕切り直し 霞ケ浦土浦港周辺整備計画 3者が不合格

土浦市・茨城県 土浦市と茨城県が計画していた霞ケ浦土浦港周辺整備事業が仕切り直しになった。霞ケ浦に面する9.5ヘクタールの区画を「湖岸の観光・レクレーション拠点」にしようと、同市と県が民間事業者から整備計画を公募(1月3日付)したが、提案された複数の計画はいずれも必要な条件を満たさなかった。土浦市にとって長年の課題だった湖畔整備事業は延期となる。 土浦市都市整備課によると、公募型事業プロポーザル(提案)には3事業者が応じた。このうち2事業者は書類審査で落ち、残る1事業者に絞って提案企画を評価したところ、評価点が102.31点と最低基準点126点以下だったため、不合格と判定した。最終審査に残った企業名や、どの点が基準に満たなかったなどは明らかにしていない。 評価方法を変え再トライ 事業者を公募した整備区画は、▽A地区:湖底土砂浚渫(しゅんせつ)船などが利用する土浦港(県施設)▽B地区:マリーナ(ラクスマリーナのヨットなどの係留・管理施設)と広場(市施設)▽C地区:「りんりんポート土浦」(サイクリスト向け拠点施設)区画(市有地)▽D地区:プレジャーボートなどが停泊する土浦港(県施設)―で構成されるエリア。 土浦市は①「りんりんポート土浦」は指定管理者制度を活用して存続させる②市が保有する「ラクスマリーナ」の株式は事業者に有償譲渡する③マリーナ施設がある広場は事業者に賃貸する―案を事業者に示し、県は2つの港とその周辺を事業者に貸与する案を示していた。 都市整備課の担当者は、今回の公募結果にもかかわらず、湖岸のレクレーション拠点計画は破棄せず、公募型プロポーザルの枠組みを使って再挑戦するという。具体的には「評価方法を少し変えたり、今回応募した事業者とは別の事業者に声を掛けることを考えている。再トライをいつにするかはまだ決めていない」と述べた。 民間の力で湖岸を活性化 この事業予定区画には、2007年まで京成ホテルが建ち、同ホテルが撤退した跡地にはマンション建設計画があった。ところが08年のリーマンショックでマンション事業者が倒産したため、土浦市が用地を取得、有効活用法を探ってきた。今回の公募型プロポーザルは不調に終わったが、市としては民間事業者の資金力と企画力を使って、土浦港周辺の再活性化を図る。(坂本栄)

配偶者暴力相談支援センターを設置 つくば市 DV防止法に位置付け

配偶者や交際相手などからの暴力(DV)被害や夫婦関係、人間関係などの相談を受ける配偶者暴力相談支援センターを1日、つくば市が設置した。DV防止法に位置付けられた機関で、地域の身近な窓口として被害者支援の中心的役割を担う。DV被害の相談のほか、緊急時には被害者の安全確保や支援機関との連絡調整、自立支援を行うなどの役割がある。 設置により、通報への対応、保護命令への関与、県の配偶者暴力相談支援センター(女性相談センター)や警察など関係機関とより密接な連携協力を図ることができる。同センターは、2007年のDV防止法改正で市町村は設置が努力義務となっている。県内市町村での設置は、水戸、古河、かすみがうら、つくばみらい市に次いで5番目という。 センターの愛称は「まんまるつくば」で、具体的な業務は、DV被害の相談に応じたり、緊急時に一時避難所を利用するための相談を受けたり、福祉制度や住居など自立生活を送るための情報を提供したりする。本人が配偶者や交際相手などに対し接近禁止や電話禁止などを申し立てたい場合は、裁判所の保護命令について情報提供したりなどする。 同市はDVや夫婦関係、自身の生き方などの悩みに対し、これまでも電話や面談による相談を受け付け、女性向けの一般相談、心と生き方相談、法律相談のほか、男性向けの相談を曜日や日数を限定して実施してきた。センター設置後は受付日数を増やし、DV相談と女性相談は平日の午前9時~午後4時、女性の法律相談は第2と第4木曜の午後1時30分~4時、男性相談は第1と第3金曜の午前9時~午後4時に受け付ける。 同市がこれまで電話や面談で受け付けた相談件数は2024年度が計617件で、相談内容は離婚や別居に関する相談が最も多く43%、次いで夫からのDV相談が22%、自身の生き方に関する相談が18%、夫婦の在り方が14%だった。23年度は計523件で、相談件数は増加傾向にあるという。 担当する市ダイバーシティ推進室は「まんまるつくば(つくば市配偶者暴力相談支援センター)は、パートナーとの関係に関する相談や女性の抱える様々な課題に寄り添う窓口。DVに関する相談は性別を問わず受け付けているので、一人で抱え込まずどうぞお気軽にご連絡ください」と呼び掛けている。(鈴木宏子) ◆相談窓口の専用電話は029-856-5630。相談料は無料。電話代は自己負担。相談窓口の場所は相談者の安全確保のため非公開としている。