月曜日, 2月 23, 2026
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可否同数、議長裁決で可決 市長退職金額のネット投票 つくば市議会

つくば市議会9月定例会議に五十嵐立青市長が提案していた、市長2期目の退職金約2000万円の金額をマイナンバーカードを使ったインターネット投票で決める条例案について(8月26日付)、同市議会最終日の4日、採決が行われ、賛成12、反対12の可否同数となり、五頭泰誠議長の裁決により可決された。

科学の街の務め

本会議では、賛成意見として「筑波研究学園都市は科学技術を世界に波及する先進地として建設された。退職金のネット投票は、選挙のインターネット投票の実証実験の意味も含んでいる。課題を抽出し新しい取り組みをより良いものにするのは科学の街つくばの務め」(木村清隆市議)、「つくばはスーパーシティとして全国に先駆けて先進事例にチャレンジする責務を負っている」(小村政文市議)などの意見が出た。

不公平、市長個人のため疑問

これに対し反対意見として「市長個人のために市民の税金をネット投票に使うのは疑問だし、市職員の仕事を増やしてしまう。マイナンバーカードは任意なのに、マイナンバーカードとスマホアプリを使っている市民しか投票できないのは公平性が無い」(橋本佳子市議)、「市長は8年前『1期ごとに2000万円、3期で6000万円の市長特権の退職金廃止』を公約に掲げて当選した。その後いつの間にか公約を変えてしまった。金額を市民に聞いて決めることと退職金廃止はまったく別もの。まず公約を改めると言うべき。マイナンバーカードとスマホアプリを使っている市民は1万9000人しかおらず不公平。(ワゴン車に投票箱を積んで自宅前まで行く)オンデマンド型移動期日前投票を実施したい(すでに実施見送りが決定=9月2日付)と言った時は『だれ一人取り残さない』とさんざん言っていた。市民の意見を正しく取り入れるなら3000人抽出すればいいし、どうしてもやりたいのなら、投票で決まった金額にネット投票の投票率を掛けて決めるべきだ」(飯岡宏之市議)との意見が出た。

採決の結果は、欠席議員を除く25人のうち、賛成が、最大与党の「つくば自民党・創生クラブ」の6人、「公明党つくば」の2人、1人会派の4人の12人。反対は「自民党政清クラブ」の5人、「つくば・市民ネットワーク」の4人、「日本共産党つくば市議団」の2人と1人会派の1人の12人となり、議長裁決となった。

窓口センターでも準備

一方、投票できる市民が1万9000人に限られている問題について賛成議員からも「市民窓口で対応できるよう工夫してほしい」などの意見が出た。五十嵐市長は「電子署名機能が付いたマイナンバーカードを持っている人は13万人おり、期日を決めて、スマホをもってないとか、持っていても操作が分からない人は、窓口センターで職員がサポートしながら投票できる仕組みを準備している」とした。退職金額のネット投票は11月1日~11日に実施される予定。

審議会審議や市民への説明ない

同条例をめぐっては、9月定例会議開会前に市民団体「新しいつくばを創る市民の会」から「ネット投票に参加できない市民が出て公平性に欠ける、2000万円の費用がかかる、審議会の審議や市民への説明もされていない、市長の評価は退職金のネット投票で決まるものではない」などから慎重審議を求める請願が出ていた。

本会議に先立って9月17日に開かれた総務文教委員会(木村修二委員長)では審議の結果、3対3の同数となり、委員長裁決で条例は否決となっていた。

一方、市民団体の請願についても審議が行われ、委員会は3対3と同数となり委員長裁決で採択、本会議は12対12となり、議長裁決で不採択となった。(鈴木宏子)

◆本会議の採決結果は以下の通り(敬称略、議長除く)。

賛成(12人)▷つくば自民党・創生クラブ=小村政文、高野文男、長塚俊宏、黒田健祐、神谷大蔵、小久保貴史▷公明党つくば=浜中勝美、小野泰宏▷新社会党つくば=金子和雄▽山中八策の会=塩田尚▷清郷会=木村清隆▽つくばチェンジチャレンジ=川久保皆実

反対(12人)▷自民党政清クラブ=宮本達也、木村修寿、塚本洋二、飯岡宏之、鈴木富士雄▷つくば・市民ネットワーク=川村直子、あさのえくこ、小森谷さやか、皆川幸枝▷日本共産党つくば市議団=山中真弓、橋本佳子▽新緑会=中村重雄

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