月曜日, 2月 9, 2026
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画業50周年の集大成 つくば美術館で斎藤茂男展

つくば市在住の洋画家、斎藤茂男さん(73)の画業50周年を記念した「画業五十周年記念―齋藤茂男展」(斎画舎主催)が同市吾妻、県つくば美術館で開かれている。油絵を描き始めた高校、大学時代から、渡欧しウイーンに拠点を置いた時代の作品、帰国後、安井賞展、白日会展、茨城県展芸術祭などに出展した作品など、画業50年の集大成となる油絵115点を一堂に展示している。

斎藤さんは同市安食生まれ。下妻一高、東京造形大学を卒業後、写実を標ぼうする公募・研究団体「白日会」に参加した。第2次世界大戦直後のオーストリア・ウイーンで興った幻想的レアリスム派と呼ばれる「ウイーン幻想派」をさらに学びたいと、1979年に渡欧し、ウイーンで制作活動をした。1982年に帰国後は、画壇の芥川賞ともいわれ新人洋画家の登竜門である「安井賞」に入選した。現在まで計27回、ヨーロッパ各国を取材旅行し、作品イメージの着想を得ながら、精力的に制作活動を続けている2020年から3年間は文科省の海外派遣で台湾に滞在しながら制作した。

ギャラリートークで話す斎藤茂男さん

作品は、ウイーン幻想派の影響を受け、細密な描写と鮮烈な色彩によって幻想的な世界を具象的なイメージで描いているのが特徴で、作品の背景に描かれた廃墟に、旧約聖書の創世記に登場するバベルの塔や、古代ギリシャやローマ建築の大理石の柱がモチーフとして登場する。

同展では、安井賞入選作品の「アポロンの丘」、1993年発行の単行本「ノストラダムス・メッセージⅡ」(角川書店)の表紙になった「久遠の預言者」など大型の作品を中心に展示している。ほかに、ワーグナーのオペラ「二―ベンリングの指環」から着想を得て、26年かけて制作した4部作や、地元の筑波山の山頂からふもとの景色を見て描いた6点の「古代賛歌Ⅰ」なども展示されている。

筑波山の山頂からふもとの景色を見て描いた6点の「古代賛歌Ⅰ」

28日は会場で作者自身が作品について解説する「ギャラリートーク」が催され、斎藤さんは「取材旅行しながらイメージの着想を得ている。色を付け加えたり、色で遊ぶことによって、自分で考えていた以上の形ができる」などと話した。廃墟の中にモチーフの大理石が描かれ、中心に赤いザクロやリンゴが置かれている作品については「絵に緊張感を与えるもの。自分の位置であり、自分がなぜ存在しているのか、なぜ絵を描いているのかの問いかけでもある」などと語った。

斎藤さんは制作活動について「結局は自分の存在はどうなのかということになる。私は絵描きなので、絵を通して表現している。描き方としては、旅行をしながら、常に動いたり感じたりすることによって、それをイメージしながら作品をつくり上げていく。連想ゲームのような形で仕上げていくと自分を超える作品になる」などと話す。

ギャラリートークの様子

市内から訪れた70代男性は「よくぞこれだけの作品を展示できたと、作品群に圧倒された」などと感想を話している。(鈴木宏子)

◆齋藤茂男展は10月6日(日)まで。開館時間は午前9時30分~午後5時。入場は午後4時30分まで。最終日は午後3時閉館。入場無料。月曜休館。

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