土浦市が今月12日から、音声で伝える「聴こえるハザードマップ」を、市の公式YouTubeチャンネルで公開している。これまでは、被災想定区域や避難場所などを活字や地図などで示したハザードマップを印刷物や市ホームページで公開していた。今回、障害者や高齢者など目が不自由な人にも届くようにと、市として初めて、音声で情報を得られるハザードマップを作った。
市防災危機管理課は「ここ数年、各地で水害による被害が増えている。8本の河川と霞ケ浦がある土浦市でも、多くの方にハザードマップの内容を周知し、防災につなげたいという思いで作成した」と語る。
聴こえるハザードマップは、水害や土砂災害が発生した際に想定される被災想定区域の地区名、市内各地の避難場所や避難手順、緊急時に情報を入手できる情報発信元などを音声で発信している。「洪水ハザードマップ」と「土砂災害ハザードマップ」の2種類があり、「洪水」は水害時の心得、避難情報、浸水想定区域、避難場所、情報収集について、「土砂災害」は避難手順、危険箇所、避難場所について、それぞれ1分から5分程度の内容で五つの音声データに分け、わかりやすい言葉でゆっくりと人の声で情報を読み上げている。
すでに印刷物として配布している「土浦市洪水ハザードマップ」と「土浦市土砂災害ハザードマップ」の2種類を元に作成している。印刷物は、イラストや表、地図とともに、異なる大きさの文字や複数の色を使い分けることで、必要な情報を視覚的にわかりやすく表現している。今回作成した聴こえるハザードマップでは、既存の文字情報を読み上げながら、地図上に色分けされている浸水想定区域や土石流の発生、斜面の崩壊などが想定される区域について、河川ごとに地区名を細かく読み上げることで、聞くだけで位置が特定できるよう工夫をした。
同課は「視覚にハンデのある方にもわかりやすい情報をという要望が届いていた。視覚に障害のある方、高齢の方などにもわかりやすく情報を届けたいという思いで作成した。災害が起きてから危険な場所を知るのでは遅いので、視覚障害のある方、高齢の方、それぞれのご家族に是非、音声のハザードマップを利用し日頃からの備えにしていただければ」と呼び掛ける。(柴田大輔)
◆「聴こえるハザードマップ」は市の公式YouTubeチャンネルで無料で公開されている。今後、同じ内容を録音したCDを作成し、個人や団体に向けて貸し出しできるようにする。詳しくは同市のホームページへ。