ミレーン・ガルシア=アルバノ駐日フィリピン大使らが20日、土浦市役所を訪れ、安藤真理子市長を表敬訪問した。
この日、市役所来庁を前にアルバノ大使は、同市藤沢にある新治公民館を訪問し、同市や周辺地域に暮らし、工場や医療機関に勤務する50人余りの在日フィリピン人と交流し、意見交換を行った。大使館では日頃から国内各地のフィリピン人コミュニティーを訪問し、情報提供したり、暮らしの中で必要なことの聞き取りを行なっている。この日はフィリピン人労働者から雇用に関する確認が寄せられ、大使館からは、出稼ぎ労働者の家族がフィリピン本国で受けられる福利厚生プログラムについてなどの情報が伝えられたという。
安藤市長を前にアルバノ大使は「茨城県の中で土浦市は2番目にフィリピン人が多い都市(最多は常総市)。日頃から市に協力していただいていることに感謝している。フィリピン人が土浦に貢献できるよう祈っている。今後、土浦と大使館で何ができるのか、検討していきたい」と語った。また、英語教育が根付くフィリピンでは語学を生かした出稼ぎがあるとして、自身の出身地ダバオ市が日本国内の2都市と姉妹都市協定を結び、英語教師を派遣しているなどの例に触れながら、土浦市との可能性についても期待を込めた。
安藤市長は「土浦は県内で4番目に多くの外国人が暮らす街で、フィリピン人は一番多かった時期が続いていた。介護職に就くなど定住者が多く暮らしており、仲良く生活していきたい」と歓迎した。
同市によると今年3月末時点で市内に暮らすフィリピン人は1079人で、1199人のベトナム人に次いで2番目に多い。最も多かった2015年の815人からは32%増となっている。昨年10月1日時点の在留資格別の人数では、フィリピン人の約半数の494人が永住者で、約4分の1に当たる278人が定住者となっている。(柴田大輔)