月曜日, 4月 6, 2026
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生徒が入試の出題者に 「よい問」巡り教員と熱論 茗渓学園

新コースのアカデミアクラスが設立されて4年目を迎える茗渓学園中学校高等学校(つくば市稲荷前、宮崎淳校長)のアカデミアクラスの生徒が、グループに分かれて入試を想定した問題を作り、内容の良し悪しを教員と議論し合う公開シンポジウムが17日と18日、つくば市竹園、つくば国際会議場で開かれた。

同クラスはアカデミックな研究活動と受験指導を両立させて、次世代を生き抜く力を育成し、国内外の難関大学進学を実現させることを目的に2021年に設立された選抜コース。

公開シンポジウムは今年で4回目。昨年までは教員が作る問題に、生徒が意見を投げ掛けるものだったが、今年は初めて生徒と教員がそれぞれ作題者として同じ立場で意見を交わし合う場を作った。同校の教育構想推進部の谷田部篤雄部長(36)は「生徒が出題者の目線に近づくことで、難しい問題でも作題者の意図を考え、解く力を付けさせることが一番の目的。能動的で自発的な学習を目指すアカデミアクラスの目的にもつながる」と話す。

3カ月前から始まった生徒による「よいとい」作りでは、中学1年から高校3年まで、約300人いるアカデミアクラスの生徒が「感動するくらい、『よい問』」をテーマに各クラスでグループごとに入試を想定した問題を作った。さらに内容を吟味しながら最終的に中1から高3の生徒が混合する8つのグループをつくり、数学、理科、英語、国語の4科目で10個の問題を提案した。

シンポジウム初日の17日は生徒が作った問題をグループごとに紹介し、18日午前は、グループごとに作った問題に対して、同校の教員や、大学教員らによるゲスト審査員からの指摘に、生徒が回答しながら「よい問」とは何かについて考えを深めた。

18日午後からは、教員が作った問題に対して生徒が疑問点を指摘した。英語や国語の長文の問題に対しては「長文の問題なのに、全体を読んで答える問題が少ないと感じた。全体を把握しなければ答えられない問いにするべきでは?」「注釈の付け方が作題者ごとに異なる」「注釈の付け方をもう少し工夫はできないのか」など生徒から率直な疑問が出て、熱を込めて思いを伝える教員の姿に、会場からも熱い視線が注がれた。

シンポジウムに参加した生徒と関係者らによる記念写真

総評に立った国文学研究資料館研究部の栗原悠准教授は「(長文問題では)読んだ経験が残ることが重要。出題者の意図をつかむことと共に、学ぶことの楽しさを知ってほしい」と語った。

発表資料を作成するなど運営にあたった組織委員のメンバーで、ファシリテーター(司会)を務めた同高校1年の矢島千歳さん(16)は「努力家が多く、皆が頑張り刺激し合う中で、生徒同士だけでなく、教員と生徒の間でも本当に色々なことを伝え合えるイベントだと思っている。ファシリテーターとしてそれぞれの考えをよく見て、その人が本当に考えていることをひろえるよう意識した」と話した。

茗渓学園の谷田部部長は「生徒の良い発表もあった。教員と生徒の間で問題の弱点も指摘し合い議論できたのは良かった」とし、「作った問題の検討を教員同士ではよくやる。色々な指摘もあり緊張感がある。今回の取り組みでは生徒も教員と同じ目線に立てるということがわかった。今後、我々も、教員に出すような気持ちでより緊張感を持って作っていきたい」と話すと、「教育現場では教員が万全の準備をした上で、失敗がないように物事を始めることが多いが、子どもたち自身が大きな可能性に気づかせてくれた。彼らの成長に私たち教員も引っ張られて成長することができる」とし、「今後はより多くの参加を期待し、来年以降につなげたい」と語った。(柴田大輔)

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さくら小学校が開校 TX沿線の学校新設に区切り つくば市

図書館や音楽室を地域に開放 つくばエクスプレス(TX)沿線開発地区のつくば市中根・金田台地区に新設された市立さくら小学校(同市春風台)の開校式が3日催された。沿線開発に伴う人口増に対応する開校となる。現時点では、2005年のTX開業後、10年代から続いた同市内の小中学校新設ラッシュの最後の一校となる。市内の小学校としては義務教育学校を合わせて37校目。 同校は、児童数増加により教室不足が見込まれる栗原小、栄小、九重小の3校から分離する形で誕生した。6学年全体で特別支援学級を含む24クラスに約570人の児童が通学する予定だ。 2024年7月に着工し、今年2月に工事が完了した。校舎は鉄筋コンクリート造3階建て、内装に県内産の木材を利用した。各階にバリアフリートイレを設置し、車椅子用の手洗い所を設けるなどバリアフリー設備を備える。延べ床面積は約8074平方メートル。総事業費は約66億9500万円。 図書館や音楽室などは地域に開放する。放課後児童クラブ機能を持つ「アフタースクール」を併設し、保護者の就労状況にかかわらず子どもを受け入れるなど、増加する子育て世帯に対応する。アフタースクールの併設は、沼崎小に続いて市内で2校目となる、災害時には地域の防災拠点としての機能を担うため、校舎に約60キロワット、体育館に約20キロワットの太陽光発電パネルを設置し、蓄電池や非常用発電機、LEDソーラー街灯を設置する。 校名や校章は、児童や保護者、地域住民らによる公募とアンケートを経て決定された。校名のさくらは、栄の「さ」、九重の「く」、栗原の「ら」から一字ずつをとった。校章は桜をモチーフに、「温故知新」や自然と科学の調和を表現した。校歌は、歌手の一青窈さんの楽曲など多数のヒット曲を手掛ける常陸太田市出身の作曲家・マシコタツロウさんが作詞・作曲した。 開校式であいさつに立った岡野知樹校長は「子どもたちが失敗を恐れずに挑戦できる環境づくりを目指し、地域の方たちにとっても新しい発見がある場所にしたい」と思いを語った。五十嵐立青市長は「図書館などの施設を地域の皆さんも使いやすいよう設計している。活用されることで、いずれ訪れる人口減少を見据えたコミュニティ形成をしていくことが重要になる。この場所で子どもや先生たちが幸せに過ごし、地域の人たちとのコミュニティの中で手本となるような場所になっていければ」と述べた。 TX沿線の同市の学校新設は、2018年度に研究学園駅周辺の葛城地区に学園の森義務教育学校、みどりの駅周辺の萱丸地区にみどりの学園義務教育学校が開校した。その後、22年12月時点で学園の森義務教育学校の児童生徒数が2000人を超えるなど、新設校の児童生徒数がさらに増加し教室不足が見込まれるなどしたため、ここ数年は新設校を分離する形で新たな新設校が誕生している。23年度は学園の森義務教育学校を分離して研究学園小中学校が新設された。同年には万博記念公園駅周辺の島名・福田坪地区に香取台小も新設された。さらに24年度はみどりの義務教育学校を分離し、みどりの小中学校が新設されている。 さくら小学校のある中根・金田台地区は、市の中央部近くのTXつくば駅から東側約2~4キロに位置し、市内でも人口が増加している地域の一つだ。新興住宅地として整備が進み、将来的には8000人余りが暮らすことが見込まれている。(柴田大輔)