第106回全国高校野球茨城大会は9日目の16日、3会場で2回戦6試合が行われた。J:COMスタジアム土浦では第1試合に昨年の優勝校、土浦日大が登場。古河一を相手に14-0の大量得点で5回コールド勝ちを収めた。土浦日大の3回戦は18日、ひたちなか市民球場の第2試合で科学技術学園日立と対戦する。
土浦日大の打線が爆発した。初回は2番・石崎滝碧が遊ゴロで出塁、3番・中本佳吾の右前打と4番・大井駿一郎の四球で満塁とし、5番・梶野悠仁が右翼へ走者一掃の二塁打を放って3点を先制した。
2回には四死球3つでまたも満塁とし、大井が中越えの二塁打を放って2点を獲得。投手交代の後、梶野の右前適時打で2点を追加。7番・大橋篤志の左前打で1点を加え、8番・野口智生の右前打で2死一・三塁とすると、ダブルスチールでさらに1点をもぎ取った。
3回は四球2つと敵失で無死満塁から、大井が右翼線へ三塁打を放ち走者一掃、梶野も右翼への犠牲フライで1点を加え、この回4点を獲得。4回は1番・西澤丈が左前打で出塁し盗塁で二進、中本の放った内野ゴロは一塁手が捕球できず、その間に西澤が生還。この回もスコアボードを裏返すことができた。
この試合、大井は長打2本で5打点、梶野は2安打1犠飛で6打点。中軸以外でも足を使った攻撃などで点を稼いだ。3番に座る中本主将は「自分の後ろに2人いい打者が控えているので気負わずにできる。どこからでも点が取れる打線。ただし点差が離れていても、夏は1点から流れが変わることもある。最後まで自分たちの野球を貫き通すことが大事」とコメント。梶野に対しては「2年生だが思い切りがいい。気負いすぎず自分のスイングをしてくれた」と評した。
小菅勲監督は「打撃陣はミート主体にコンパクトなバッティング。ヒット8本は決して多くないが、四球を生かしてつながりある攻撃ができた。各自が個性を出し、一つのチームとして戦える集団になってきた」と目を細める。
先発の笹沼隼介は3回を投げて2被安打1四球2奪三振。もちろん無失点だ。初回は味方のエラーもからみ1死三塁のピンチを迎えるが、スクイズを外して飛び出した三走を挟殺し、次打者を中飛に打ち取って切り抜けた。4回は2番手の山崎奏来が1被安打1四球1奪三振、5回は3番手の小島笙が2被安打2奪三振でいずれも無失点。
「笹沼は調子を上げてきているので背番号にとらわれず起用した。点が入ったので他の選手も積極的に投入することができた。好調な旬の選手や生き生きとした選手を使いながら見極めたい」と小菅監督。
笹沼は「初戦ということで緊張した。0点に抑えたい気持ちもあったが、チームメートから『点を取られても取り返してやる』と言われ、仲間を信じて自分のピッチングができた。次もいままでやってきたことを信じて、自分らしいピッチングがしたい」と振り返った。(池田充雄)
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