「鬼姫」パリへ―。26日(日本時間27日)に開会するパリオリンピックのスケートボード・女子パークに出場する草木ひなの(16)の壮行会が8日、土浦市小松ケ丘の土浦日大高校(伊藤哲弥校長)で行われた。
つくば市立大穂中を卒業、同高通信制課程1年に在学して世界を転戦中の草木は、5月のオリンピック予選シリーズ(ハンガリー・ブダペスト)で5位入賞、パリ五輪出場権を獲得した。母親に連れられて行ったつくば市内のスケートボードパークで競技を始めてから、8年目にしてつかんだ世界のひのき舞台だ。

同校の現役生徒がオリンピックに出場するのは一見理沙 (柔道、1996年アトランタ五輪)以来2人目、壮行会では高校在学の生徒約1200人が体育館に集まり、吹奏楽が校歌を演奏し、応援団やチアリーディングが鼓舞のエールを送った。生徒会役員の1年生、岡田花絵さんが花束を贈った。
土浦日大学園の佐藤豊理事長は、攻撃的なプレースタイルから草木選手が「鬼姫」と呼ばれるエピソードを紹介。「入学が決まった段階で聞いたが実際会ってみると笑顔がチャーミングな女性だった。パリでは今まで培った力で明るく元気に頑張ってきてほしい」と送り出した。
全校応援を受けて草木は「やっと高校生になれた気がしてうれしかった。気持ちが先走ってしまいがちだったので(パリでは)私なりに思いっきり楽しんできたい」と語る。
五輪のスケートボードは「ストリート」と「パーク」の2種目ある。パークはすり鉢状のコースを一定時間滑り回り、トリックと呼ばれるさまざまな技の難度や構成を競う。草木選手は日本選手権3連覇中で、世界ランキングは6月24日現在で5位。空中で1回転半する「540(ファイブフォーティー)」を得意技とする。
東京五輪金メダルの四十住さくら選手、銀の開心那選手とともに3選手が出場する女子パーク予選は8月6日(日本時間午後7時30分から)の日程。パリ中心部コンコルド広場の特設アリーナが会場となる。草木選手は29日に出発、「ほかの競技をいっぱい見たい」とはずむ笑顔を見せた。(相澤冬樹)
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