プロ野球独立リーグ・ルートインBCリーグの茨城アストロプラネッツは29日、つくば市流星台のさくら運動公園野球場で福島レッドホープスと対戦、4-1で勝利した。茨城の通算成績は10勝19敗で7チーム中5位。6月はここまで3勝3敗で中止が3試合だった。30日は古河市駒ケ崎のヨシダスタジアムで福島と再戦する。
【ルートインBCリーグ2024公式戦】
茨城アストロプラネッツ-福島レッドホープス
福島 010000000 1
茨城 20010010X 4
(6月29日、さくら運動公園野球場)
茨城は先発の福田拓也が6イニングを好投。2回に単打と二塁打で1点を失い、3回に1四球を与えた以外は、すべて三者凡退で退けた。「真っ直ぐのキレが良く、変化球ではフォークをコーナーに投げ分けられた」と本人の評。ポップ成分が多く伸びがあるストレートが武器で、ボールの下を叩かせて多くの打者をフライアウトに打ち取った。「相手打線は中軸に良い打者を揃えているので、甘い球を投げないことを意識し、腕を振って強い球を投げた」とも話した。
打線は初回に2点を先制。まず1死一塁から牽制悪送球で走者の北原翔が三塁へ進み、3番の原海聖が左翼線へ二塁打を放ち1点目。「相手投手はカーブにキレがあったが、直球に自信を持っている様子だったのでそれを待ち、高めの球を外野へ運ぶことを意識した。ちょっと詰まったかと思ったが、振り抜いて強いライナーを打つことができた」と原の振り返り。
これで相手投手はリズムを崩したか、3者連続四死球となり押し出しの1点を加えた。
4回には先頭の8番マーティンが四球を選び、9番ジョ・ミンヨンが中越えの二塁打。これを中堅手がファンブルする間にマーティンが本塁へ還り、ジョは三塁へ到達した。「2ストライクまではバントを狙っていたが、最後にストレートが来て良い打球が打てた。自分は打球の飛距離と打球速度が売り。最近はタイミングが合ってきているので、このままあせらずやっていけば、ずっと良い打球が打てると思う」と活躍をもくろむ。
7回には代打の眞城敬朋が右翼線へ二塁打、原の内野ゴロで1死三塁となり、4番・大友宗が右翼への犠牲フライで1点を追加した。「打ったのはカーブ。芯に当たらず詰まったが外野まで飛んでくれた」と大友。帝京大学から日本通運を経て今季茨城へ。ホームランは現在8本でリーグ首位へあと1本と迫る。「開幕直後に肉離れで3週間休んだが、徐々に調子を戻してきた。打席で自分のスイングができれば、パワーはあるので飛ばすことができる。引っ張りすぎないようセンターを意識し、右方向へのホームランも増やしていきたい」との考えだ。
リリーフ陣は富樫晃毅、浅野森羅、根岸涼が1イニングずつ務め、根岸にセーブポイントが付いた。「試合間隔が空いて3人とも万全の状態で、危なげなく力を発揮してくれた。いい雰囲気が続いているのでそれを崩さないよう、勝つための投手リレーをした」と巽真吾監督。
上向きのチーム状態に加え、開幕前からのトレーニングが実を結び、暑さに強いチームづくりができている。このまま夏バテせずに伸びていけば、7・8月でさらに勝ち星を重ねられると巽監督は見ている。「そのためには若い選手たちの突き上げも必要。長いシーズンに慣れていないと、その日の結果で一喜一憂してしまいがちだが、明日にはまた次のチャンスが来る。試合に出てたくさんバットを振り、時には辛抱して塁に出るのも仕事の一つ。そして甘い球が来たときには1球で仕留めてほしい」と期待をかける。(池田充雄)