7月に二つの記念イベント
土浦市のコミュニティーバス「まちづくり活性化バス キララちゃん」が今年、運行20周年を迎える。バスを運行するNPO法人まちづくり活性化土浦(同市中央、横山恭教理事長)は20周年を記念して7月に2つのイベントを催す。20周年記念シンポジウム「公共交通シンポジウム2024どうなる公共交通!どうする?キララちゃんバス」と、無料乗り放題の実施だ。
シンポジウムは7月6日開催する。複数の公共交通やモビリティーを最適に組み合わせた次世代の交通システムづくりに2021年から挑戦している関東鉄道が、「つちうらMaaS(マース)」と呼ばれるこれまでの取り組みについて話し、同NPOがキララちゃんバス運行の20年の歩みを振り返る。さらに公共交通政策のスペシャリストで、実際に全国各地で公共交通やコミュニティバスに乗車している名古屋大学環境学研究科の加藤博和教授が基調講演する。
無料乗り放題は7月15、16日の2日間、全路線で実施する。
3者協定に基づく協働事業
キララちゃんバスは中心市街地の活性化などを目的に2005年3月、運行が始まった。同NPOが事業実施者で、関東鉄道に運行を委託、土浦市が事業費を補助するなど、3者協定に基づく協働事業で運行している。NPOがコミュニティーバスを運行するのは全国でも珍しい。
現在の運行路線は3路線あり、土浦駅西口を起点に、市街地のクラフトシビックホール(市民会館)などを循環するコース、中心市街地の亀城公園などを循環するコース、霞ケ浦総合公園や郊外の住宅団地などを循環するコースがある。
運行開始の05年から23年度まで19年間の総利用者数は延べ約250万6000人。利用者数のピークは14年度の約15万9000人だったが、運賃値上げなどの影響で17年度には約12万5000人まで減少した。徐々に回復傾向だったものの、20年度は新型コロナ感染拡大の影響で約8万5000人にまで落ち込んだ。その後、再び利用者が少しずつ増え23年度は約12万人の利用者があった。
「単なる移動手段でなくまちづくり担ってきた」
事務局長の小林まゆみさんは「『自分たちで土浦を良くしていこう』ということを市民の方に意識してほしいとNPO法人を起ち上げた」とし「キララちゃんバスは単なる移動手段ではなく、さまざまなイベントの開催などまちづくりの活性化も担ってきたと思っている。まちづくりとバス運行の両輪で走ってきた。一般的なコミュニティバスだったらここまで続いてこなかった」と20年を振り返った。
今後については「中心市街地の活性化の目的を大切にしつつも、市内でバスが走っていない高齢者らが住む地域にもキララちゃんバスが行けるようにしたい」と語った。さらに「将来は無人運転の小さなバスで市内を回り、キララちゃんバスの停留所まで利用者を運ぶ。そこからキララちゃんバスに乗車して土浦駅に行く、といったハブの役割を持つバス停を作る方法も実現できたら」と話した。(伊藤悦子)
◆キララちゃんバス運行20周年記念シンポジウム「公共交通シンポジウム2024 どうなる公共交通!どうする?キララちゃんバス」は7月6日(土)午後1時30分から午後4時、同市東真鍋町2-6クラフトシビックホール土浦(土浦市民会館)小ホールで開催、入場無料、予約不要。キララちゃんバス無料乗り放題は7月15日(月)、16日(火)の2日間実施。問い合わせはNPO法人まちづくり活性化土浦(電話029-826-1771へ。
➡キララちゃんバスの過去記事はこちら