つくば市などを流れる桜川の環境を見守る人を養成する「桜川川守養成プログラム」(4月22日付)の第2回体験会が9日、桜川河川敷のつくば市松塚、桜川漁業協同組合(鈴木清次組合長)拠点広場で開かれた。市内外から14人が参加し、外来魚の活用法や、桜川の環境をどう見守っていくかについて意見が交わされた。同プログラムは川の水質や生態系を見守る担い手を育てようと、桜川漁協や市民グループ「桜川ナマズプロジェクト」が協力し、NEWSつくばが後援して実施している。
ハクレン大量遡上は観察できず
桜川では先月15日から産卵期のハクレンの大量遡上が始まった(5月15日付)。今回のプログラムはハクレンを観察する予定だったが、しばらく雨の日がなかったことから川の水量が少なくなり、遡上やハクレンジャンプといわれる集団跳躍行動を観察することはできなかった。参加者はハクレンジャンプを観察する予定だった少し上流の堰まで歩いて移動し川を眺め、遡上した時の様子について話を聞いた。堰では体長50センチほどのゴイサギのつがいがじっと川面を見つめ、魚を狙う様子が見られた。また拠点広場では、特定外来生物のアメリカナマズ釣り体験も行った。鈴木組合長は、桜川に生息する在来種のマゴイ、ゲンゴロウブナ、タナゴなど27種類の魚について参加者にイラストを見せて話した。
国際ナマズ料理大会、ナマズ肥料使った農園などの案も
桜川で近年急増しているアメリカナマズは特定外来生物のため、外来生物法により生きたまま運搬することが禁止されている。市内から参加した夫婦は、7月に開かれる桜川漁協主催の外来魚釣り大会に毎年参加していると話し、釣り人の目線から「アメリカナマズを釣っても全部食べられるわけではなく、(活用のための保管など)置くところに困る。釣ったナマズを集めるところを作ったらどうか」というアイデアを話した。また、ナマズの皮をなめして財布を作る、ナマズ料理大会を開く、キャラクターを作る、ナマズで肥料を作り、それを使用した農園「ナマズパーク」を作る案も出た。都内からの参加者は「ナマズは困った存在というだけではなく、ナマズがいるからいろんな国の料理を知ることができるのでは」と肯定的にとらえ、ナマズを使った各国の国際料理を紹介するのはどうかと意見を話した。川守養成プログラムを通じ、今後も漁業者と参加者とで意見を出し合っていくことになる。
草刈りや清掃活動など参加へ
鈴木組合長は市水質浄化対策推進協議会の会長も務めていることから、同協議会で行っている河川敷の清掃活動や花畑の造成活動についても説明した。河川敷をきれいに保つことについては「川辺で花を作るにも野菜を作るにもとにかく草刈りの手間がかかる」とし、特に土手の斜面を刈るのに草刈り機を持っている人たちの協力が不可欠であることを話した。桜川の近隣に住んでいるという参加者は、20年くらい前に川の清掃活動に参加していたことがあり、カヤックで桜川を下ったこともあるという。今後再び桜川の清掃活動などに携わっていきたいと話し、鈴木組合長も「ぜひお願いします」と受け入れ、地域の輪が広がった。
ナマズ、カワエビの試食も
釣り体験では、桜川漁協組合理事の松田七郎さんらが手伝って、15匹以上のアメリカナマズを釣り上げた。ナマズは組合員や参加者がさばき、唐揚げにして振る舞われた。また桜川で捕れたばかりの川エビの唐揚げも振る舞われた。四川料理店「麻辣十食」(同市天久保)も、香辛料を効かせたナマズ料理「ラーズーナマズ」を提供し、「スパイスの香りで冷めてもおいしく食べられる」と好評を博していた。
同プログラムは年5回実施の予定。4回以上プログラムに参加した人は、養成プログラム実行委員会が桜川の「川守」(桜川を見守るサポーター)に認定し、川の清掃活動などの情報を配信する。プログラムは1回のみの参加も可能で、来年度も実施を予定している。(田中めぐみ)
◆次回、第2回プログラムは7月7日(日)開催の予定。NEWSつくばのページで参加を募集する。
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