【コラム・片岡英明】本サイトの「来年度から半分の3学級を普通科に-つくばサイエンス高」(5月24日掲載)の記事は受験生にとって朗報である。多くの方から喜びの声が上がっている。
4日後の28日、私たちの会は県に6回目の要望書を提出した。その際、①県がサイエンス高の学級編成を設置2年で見直したこと、②普通科を2学級でなく3学級確保したこと、③昨年の筑波高・牛久栄進高の学級編成発表より2カ月早く公表したこと-を評価し、その上で更なる改善を求めた。
サイエンス高校への普通科設置発表後、私たちの会員などから「竹園高の学級増が必要」「せめて1学級でも増やしてほしい」といった声が出ていた。これを踏まえ、要望書を渡した後の県教育委との懇談の場では、つくばエリアでの県立高不足の抜本的解消策のほか、当面の具体策としては2025年度入試からの竹園高の2学級増を求めた。
次の次は県立高の新設が必要
つくばエリアの県立高校定員増要求に対し、県はこれまで「つくば市内に定員割れの県立高があるので、その解消を優先したい」と応じてきた。
そのため、竹園高の学級増は「定員割れ」問題の影に隠れていたが、筑波高の進学コース設置(昨年)とサイエンス高の普通科設置(今年)が実現したことで、受験生・保護者、そして私たちの会員の関心は竹園高の定員増に向かっている。
元々、つくば市内既存校の定員割れ問題とつくばエリアの県立高定員不足問題はあまり関連がない。生徒が増えているのに、県は既存高の定員割れ解決を理由に、つくばエリアの構造的な問題(県立高校定員不足)の解決を先延ばしにしてきた。これに、近年の県立中設置に伴う土浦一高・水海道一高・下妻一高などの定員削減が加わり、受験生にとって入学枠の問題がかなり深刻になっている。
県がサイエンス高に普通科を設置することは、進学先に悩む生徒・保護者にとって好ましい対応と言える。これを契機に、竹園高の定員増(当面の策)を直ちに行い、つくばエリアの県立高新設(抜本策)への道が開けることを期待したい。
改善計画を示すべき
県の発表では、サイエンス高に普通科を設置するものの、定員は増やさない。そこで、つくば市内の県立高定員増策として、来年度入試から、竹園高の2学級増を求めたい。県は「高校改革プラン2019.2」で「エリアの生徒数に応じて募集学級数を調整する」と言っており、つくばエリアの必要学級数を算出し、改善計画を示すべきである。
私たちの試算では、県立高定員を県平均水準にするには、現状で15学級、2030年までにさらに10学級必要である。これには高校を新設しなければ対応できないが、当面の対応=竹園高学級増=は、生徒や保護者の願いである。(元高校教師、つくば市の小中学生の高校進学を考える会代表)