木曜日, 9月 18, 2025
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次長級の統括監を新設 つくば市人事異動’24

つくば市はこのほど4月1日付人事異動を内示した。次長級の職として統括監を新設し、各部局が所管する公共施設の管理や長寿命化を担当する。異動総数は、再任用、組織改編に伴う部署名変更などを除き全体の21.6%の300人。23年度から市職員の定年引き上げが開始され61歳になったことにより3月末の定年退職者はゼロ。再任用を除く普通退職者は39人、新規採用は66人で、4月1日付全職員数は前年度に比べ27人増えて2087人になる。

係長以上の管理職は前年度から9人増え609人。管理職の昇格者は同比32人減り88人。女性管理職の割合は前年度より0.1ポイント減って25.8%になる。

国、県などとの人事交流では、文科省から政策イノベーション部長を迎えるほか、国、県などに8人の実務研修生を派遣する。

組織改編では、ダイバーシティ(多様性)を一体的に推進するため市民部の男女共同参画室を市長公室に移し、ダイバーシティ推進室に名称変更する。こども部は、子育て家庭を包括的に支援する体制を構築するため、健康増進課の母子保健係をこども未来課に移し、名称をこども未来センターに変更する。

政策イノベーション部は、国政調査等、統計業務の推進やデータ利活用の強化のため企画経営課に統計係を、情報政策課にデジタル推進係を新設し、根拠に基づいた新たな政策立案を推進するためとして21年度に新設した統計・データ利活用推進室を廃止する。

財務部は、未利用の市有地利活用を一体的に進めるため、公共施設マネジメント推進室を都市計画部の公有地利活用推進室と統合し、公共資産利活用推進室を新設する。経済部は産業用地の創出を推進するため、産業振興課に立地推進室を新設し、プロジェクトチームだった産業用地検討室と都市計画部の地域開発振興室を廃止する。建設部は都市計画道路の整備に重点的に取り組むため、都市計画道路整備推進室を課に昇格させる。

保健部は、新型コロナが5類に移行し全額公費によるワクチン接種が3月末で終了することなどから、新型コロナウイルス対策室を、他の感染症対策と一体的に推進するため予防接種・感染症対策室に変更する。消防本部は予防広報課を予防課に変更する。

◆4月1日付け人事異動は以下の通り。カッコ内は現職。敬称略。

【部長級】
▽政策イノベーション部長(文部科学省)髙橋安大

【次長級】
▽総務部次長兼人事課長(人事課長)松本光由
▽総務部次長兼法務課長(総務課長)沼尻浩幸
▽総務部政策法務監・教育局教育法務監(新規採用、任期付)大岩昇
▽政策イノベーション部次長(市民部次長)池畑浩
▽市民部次長(同次長兼市民窓口課長)中川伸一
▽市民部統括監兼統括地域支援監(同次長兼統括地域支援監)大木茂樹
▽保健部次長(こども政策課長)鈴木加代子
▽こども部統括監(経済部次長)大橋一彦
▽経済部次長(産業振興課長)柳町哲雄
▽経済部統括監(同部次長)岡田克己
▽建設部次長(総務部次長)山田正美
▽建設部建設政策監(同部次長)木村幸弘
▽生活環境部次長兼環境政策課長(同課長)渡邊俊吾
▽上下水道局次長(水道総務課長)小吹正通
▽上下水道局統括監(同局次長兼水道監視センター所長)渡辺高則
▽教育局統括監(保健部次長)中根英明
▽消防本部消防次長・消防本部担当(同次長・消防署担当)松岡幹夫
▽消防本部消防次長・消防署担当(同本部主任参事兼南消防署長)鈴木浩
▽消防本部主任参事兼救急課長(救急課長)中島昌美
▽消防本部主任参事兼消防総務課長(予防広報課長)高野順一

【課長級】
▽市長公室国際都市推進課長(危機管理課長)鬼塚宏一
▽市長公室危機管理課長(国際都市推進課長)岸田和克子
▽総務部総務課長(同課長補佐兼企画監)高野剛
▽総務部ワークライフバランス推進課(市民協働課地域改善対策室長)岡田健一
▽総務部人事課付参事(豊里交流センター地域支援監兼市民ホールとよさと)安田正幸
▽政策イノベーション部企画経営課長(開発指導課長)川原智彦
▽政策イノベーション部情報政策課長(情報政策課長補佐兼情報ネットワークセンター所長)石川玄壱
▽政策イノベーション部科学技術戦略課長(スマートシティ戦略監)中山秀之
▽財務部公共資産利活用推進課長(公有地利活用推進課長)岡野渡
▽財務部納税課長兼徴税管理監(市民税課長)高野克則
▽財務部市民税課長(同課長補佐)横田知巳
▽市民部つくば市民センター所長(企画経営課長)横田裕治
▽市民部市民窓口課長(下水道総務課長補佐)青木ゆかり
▽市民部大穂窓口センター所長(土地改良課長)森田幸一
▽市民部豊里窓口センター所長(桜交流センター地域支援監)吉岡直人
▽市民部筑波窓口センター所長(納税課長兼徴税管理監)柳田賢一
▽市民部スポーツ振興課長(中央図書館副館長)沼尻祐一
▽市民部地域支援課長(農業政策課長)根本隆
▽市民部筑波交流センター所長兼市民ホールつくばね館長(防犯交通安全課長)一瀬剛
▽市民部谷田部交流センター所長兼市民ホールやたべ館長(スポーツ振興課長)大久保正巳
▽市民部桜交流センター所長(つくば市民センター所長)荒澤浩俊
▽福祉部社会福祉課長(市民協働課長補佐兼企画監)中村銀華
▽保健部医療年金課参事、茨城県後期高齢者医療広域連合派遣(地域包括支援課長補佐)飯島良弘
▽保健部健康増進施設いきいきプラザ館長(社会福祉課長)宇津野功
▽こども部こども政策課長(広報戦略課広聴室長)木村真理
▽こども部こども育成課長(ワークライフバランス推進課長)桐生修
▽こども部こども未来センター課長(こども未来課長)中澤真寿美
▽経済部ジオパーク推進監兼観光推進課ジオパーク室長(観光推進課長)伊藤祐二
▽経済部産業振興課長(科学技術戦略課長)前島吉亮
▽経済部農業政策課長(同課長補佐)岡野清宏
▽経済部土地改良課長(公園・施設課長)山口義智
▽経済部観光推進課長(管財課長補佐)小川高徳
▽都市計画部建築指導課長(教育施設課長)鈴木聡
▽都市計画部開発指導課長(建築指導課長)中島隆志
▽建設部都市計画道路整備推進課長(こども育成課長)吉田和敏
▽建設部道路管理課長(同課長補佐)須藤文雄
▽建設部公園・施設課長(同課長補佐)山口嘉宏
▽建設部防犯交通安全課長(道路管理課長)入江一成
▽生活環境部環境衛生課長(同課長補佐)木村憲一
▽上下水道局水道総務課長(地域消防課長)水橋光一
▽上下水道局水道監視センター所長(環境衛生課長)石川太郎
▽会計事務局長(情報政策課長)飯塚喜軌
▽教育局学務課長(選挙管理委員会事務局副局長)笹本昌伸
▽教育局教育施設課長(地域支援課長)大口勝也
▽教育局筑波学校給食センター所長(地域支援課長補佐)倉持賢一
▽教育局つくばすこやか給食センターやたべ所長(筑波学校給食センター所長)渡辺寛明
▽教育局つくばほがらか給食センターやたべ所長(管財課公共施設マネジメント推進室長)田中聖史
▽教育局中央図書館副館長(同館長補佐)玉木正徳
▽選挙管理委員会事務局副局長(法務課長)渡邉健
▽農業委員会事務局農業行政課長(学務課長)下田裕久
▽消防本部地域消防課長(会計事務局長)小川英男
▽南消防署長(消防総務課長)品川豊
▽北消防署長(消防救助課長)北沢直弘
▽消防本部消防救助課長(参事兼中央消防署副署長)青木節
▽参事兼中央消防署副署長(中央消防署桜分署長)櫻井誠
▽消防本部予防課長(予防広報課長補佐兼予防係長)三浦春彦

【退職】3月31日付
▽政策イノベーション部長 藤光智香
▽谷田部交流センター所長兼市民ホールやたべ館長 間中和美

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海外出張 市長はファーストクラス可 つくば市議会委員会が否決

旅費条例改正案「市民の理解得られない」 国内や海外出張をする際につくば市長や市職員らに支給される旅費について定めた市職員旅費条例改正案が開会中の同市議会9月会議に提案されている。17日開かれた市議会総務文教委員会(木村清隆委員長)で同条例改正案について審議が行われ、市長が海外出張の際に利用する航空機の運賃について、現在の旅費条例がビジネスクラスまでとなっているにもかかわらず、改正案はファーストクラスまで利用できるようになることに対し委員から「市民の理解が得られない」などの意見が相次ぎ、同改正案は賛成少数で否決された。議会最終日の10月3日、本会議で改めて審議される。 同改正案は、国家公務員旅費法が改正されたのに伴って、同法にもとづき市の旅費条例を全面的に改正する内容。円安の進行などにより宿泊費などの上限も大幅に引き上げられる。 海外出張の際の航空機の運賃について現在の市職員旅費条例は「最上位の直近下位の級の運賃」(27条)と市独自に定め、市長はビジネスクラスまでしか利用できない。一方、来年4月施行予定の条例改正案は、海外出張の場合、市長には「最上級の運賃の額」を支給できるようになり、ファーストクラスを利用できるようになる。 17日の委員会での市人事課の説明によると「国家公務員の旅費法をよりどころに旅費を3段階で設定した。特別職は出張に伴う負担が大きいため長時間の移動時間を活用して体調を維持する必要があるためより高い上限を設定した。茨城県知事や他市・区を参考にした」などとし、「必ずしもファーストクラスに乗らなくてはいけないものではなくて出張に応じて適宜判断する」とした。 これに対し委員から「ビジネスクラスでも十分体調を養うことができる。ビジネスクラスとファーストクラスは値段が違い過ぎる。現在の条例の規定をどうして緩めるのか。五十嵐市長は(ファーストクラスに)乗らないと思うが、だれが市長になっても市民感覚に合わせたものにすべき」(小森谷さやか市議=市民ネット)▽「(3段階の運賃設定のうち)ファーストクラスに乗れるというのは内閣総理大臣と一緒になる。実際に乗らないとしても乗れるように(条文改正)することが理解できない。今、政治に厳しい目が向けられている」(樋口裕大市議=Nextつくば)▽「ビジネスクラスでヨーロッパに行くのに現在100万円くらいかかるがファーストクラスは2倍の200万円かかる。他市町村長は年に1回か2回しか海外に行かないのに、つくば市長は年に何回か行っている。市民の税金で行くのに市民にどう説明できるのか。つくば市には東京都が定めているような海外出張の運用指針もない」(山中真弓市議=共産)▽「ファーストクラスにする必要はない。市民感覚からすればビジネスクラスで十分」(飯岡宏之市議=Nextつくば)など厳しい意見が相次いだ。 採決で賛成したのは塩田尚市議(つくばクラブ)と渡辺峰子市議(公明)2人だけで、同条例改正案は否決となった。議会最終日の10月3日は修正案が出される見通しという。 つくば市長の海外出張をめぐっては、今年2月と6月の市議会定例会議一般質問で山中真弓市議(共産)が取り上げ、五十嵐立青市長は直近3年間で計5回の海外出張を行い2365万円の市税を使ったこと、海外での宿泊費が市職員旅費規則に定められた金額を超過し、市の規定が骨抜きになっていることから、旅費規程の見直しが必要だ、などと指摘した経緯がある。(鈴木宏子)

民有林に防除対策費を補助 ナラ枯れ被害拡大防止へ つくば市

ナラ枯れなどによる森林被害の拡大を防ごうと、つくば市は今年度新たに、市内に森林を所有する民間地権者を対象に、防除対策費用の2分の1を補助する制度を創設した。 筑波山周辺の森林や公園など市有地のナラ枯れ被害に対してこれまで同市は、防除対策に取り組んできた。一方、筑波山周辺など市内の民有地の森林でも被害が出ており民有地で対策を施さないと被害拡大を防ぐことができないことから新たに補助を実施する。 同市鳥獣対策・森林保全室によると、現時点での申請者はゼロで、市が相談を受けている地権者が一人。市はホームページや市報などで広報してきたが、補助制度や防除方法を知らない地権者もいると見られる。 ナラ枯れは、カシノナガキクイムシ(通称カシナガ)という体長5ミリほどの昆虫の被害を受けたコナラやクヌギなどが、昆虫の体に付着した病原菌、ナラ菌の繁殖により水分が枝葉に行き渡らなくなり、紅葉前の7~8月頃に急速に葉の色が赤褐色に変色し枯死する被害。幹が太く樹齢を重ねた樹木が被害を受けやすいとされ、枯死した樹木は早期に対策をとらないと、翌年以降、被害が拡大するとされる。2020年9月に県内で初めて、つくば市内で被害が確認され、以後、拡大し、県林業課によると現在、県内44市町村中36市町村で被害が確認されている。 筑波山系では2022年に朝日トンネル付近で確認されたのが最初。翌23年には筑波山や周辺の森林でナラ枯れが目立つようになる中、つくば市では23年、南麓の同市臼井、市有地の筑波ふれあいの里で、ナラ枯れが確認された32本を伐採し、薬剤によるくん蒸処理を実施した。翌24年には観光拠点の筑波山梅林奥の市有地の林道、四季の道周辺に被害が広がり、市は13本を伐採しいずれもくん蒸処理した。 一方、今年は筑波山の林道沿いの市有地に関しては新たな被害は確認されていないという。昨年、四季の道沿いで、被害を受けやすいとされる幹が太く樹齢を重ねた樹木をあらかじめ伐採などしたことなどが被害の拡大を防いだとみられている。 つくば市で補助対象となるのは①幹にあらかじめ殺菌剤を注入し行き渡らせておく殺菌剤を樹幹に注入する方法(補助額は1回当たり上限5万円。カシナガに入り込まれ木くずが出た時点で注入しても効果は期待できない)②成虫が飛来する5月ごろから約半年間、樹木の幹に粘着剤やビニールシートを巻き付けカシナガが入り込むのを防ぐ方法(同5万円、粘着剤にとらえられたカシナガを生きたまま放置すると仲間を呼び寄せることがあるので、粘着剤と殺虫剤を併用する方法もある)③被害を受けた樹木を伐採し薬剤で燻蒸処理または焼却処理する方法(同15万円)。今年度予算は165万円で、市は1件につき平均20万円程度、8~10件の申請を想定している。 市鳥獣対策・森林保全室の石塚正巳室長は「市として、ふれあいの里や四季の道など市の施設で、伐倒しくん蒸処理するなどの対策をしてきたが(被害が)全て無くなったわけではない。個人の土地については広報するのみで、(市が)直接的な対策をしていないので根絶はなかなか難しい」という。 一方土浦市は2024年、ナラ枯れ被害に遭った朝日トンネル付近のコナラ16本を伐採した。費用は、運搬、処分、交通封鎖の人件費を含み計583万だった。同市はナラ枯れに対応できる補助金として小規模森林整備補助金があり事業費の70%を補助できるとしている。 ナラ枯れの被害については、全国で毎年調査が実施されている。県林政課によると23年度に被害が確認された市町村は33市町村、24年度は34市町村、25年度は36市町村と市町村数は徐々に増えている。県全体の被害面積はつくば市内で初めて確認された2020年が200平方メートル、21年も200平方メートルだったが、22年に3000平方メートルと15倍に広がり、23年はさらに前年の2.3倍の6700平方メートルに拡大した。24年度の被害面積は6100平方メートルと前年度の91%だが、同課は、森林の奥の広葉樹まで調査が及んでいないなどから、被害は前年と同程度とみている。(榎田智司)

つくつくつくばの七不思議の旅《映画探偵団》92

【コラム・冠木新市】2009年、「つくばの映画・演劇を作ろう」をテ一マにNPO主催の講演会で30人を前に語った。当時、映像のロケ地に誘致する運動は盛んだったが、地元の文化・歴史・伝説を活用して、自ら作る動きは少なかった。 つくばにも面白い素材がいくつかあった。その一つが、茨城県出身の童謡詩人・野口雨情が1930(昭和5)年に作詞した「筑波小唄」「筑波節」で、元は一つの歌をなぜか二つに分けた新民謡だ(映画探偵団22)。 2010年、その理由を「雨情からのメッセージ」と題して講演、朗読劇、踊り、演奏で表現した。新築の筑波銀行ホ一ルに300人ほど集まった。好評だったこともあり、つくばの7地域の話を「つくつくつくばの七不思議」として再創造しようと考えた。 2012年春、北条を竜巻が襲い町を破壊したころ、水戸で「筑波小唄」「筑波節」の幻のSPレコードが見つかった。いろいろな方の協力を得てCDに復刻、また、つくば市の観光物産課の応援で踊りの講習会を5期まで開催した。 同年秋、詩劇「北条芸者ロマン~筑波節を歌う女~」を上演。北条街づくり振興会との縁を深めた。このとき、植田利浩さんが作曲した曲を「筑波恋古道」と名付けた。 2015~16年、「つくつくつくばの七不思議/サイコドン」をACCSケ一ブルテレビで放映。「筑波恋古道」の作詞もでき、歌い手を募集するが、応募はなかった。踊りのイベントでは、植田さんの歌うデモテ一プを使用した。2023年の「金色姫伝説旅行記」のときに、声楽家・大川晴加さんが新たに吹き込んだ。 「はじまりのうた BEGIN AGAIN」 「北条芸者ロマン」に取り組んでいたころ「はじまりのうた BEGIN  AGAIN」(2013)という映画が製作された。オ一プニングはバーのステ一ジ。無名の女性シンガ一が歌い、1人の中年男性が身を乗り出して聞く。そして「その日の朝」とクレジットが出て回想となる。 男は、音楽プロデューサーで5年間失敗続き、妻と別居中。娘に煙たがられ、自分が創立したレコード会社からもクビを宣言され、地下鉄で自殺を考えバーに来る。男は、無名シンガ一の背景にピアノやベースが加わる幻想を見る。 次に女性の回想がはじまり、楽曲を提供した恋人歌手との関係がこじれ争いとなる中、バーでプロデューサーの男と出会ったことが描かれる。 2人は作品を企画する。会社からデモテ一プを要求されるが、録音費用のない男は、デモよりもアルバムを作ろうと考える。路地裏やビルの屋上などで録音する。演奏者には後払いで、才気あふれる無名の若者を集める。さらに女性歌手の誘いで、男の娘をギターに採用。完成したアルバムは高評価を受ける。 エンドクレジットが流れる中、女性がレコード会社と契約したくないとの訴えに男はあっさり了承し、最後にはネットを使い1ドルで売ることにする。アルバムは大ヒットするが、男は元の会社から再びクビになる。そうした時代を先取りした作品だった。 「筑波山 恋うたつづり」 2025年8月27日、「筑波小唄」「筑波節」「筑波山唄」「筑波恋古道」を収録した「筑波山 恋うたつづり」が恩田鳳昇監修で日本コロムビアから発売された。企画から15年かかった。つくつくつくばの七不思議の旅は「はじまりのうた」をヒントにまだまだ続きそうである。サイコドン ハ トコヤンサノセ。(脚本家) ※つくつくつくばの七不思議セミナー(お話と懇談会)のお知らせ:2025年9月27日(土)午後1時~、カピオ小会議室、参加費無料。

洞峰公園などが「自然共生サイト」に NPOとつくば市が共同申請

市内7カ所目 民間の取り組みなどによって生物多様性の保全が図られている区域や活動を認定する環境省の「自然共生サイト」に、つくば市の洞峰公園とその近接公園が16日認定された。同日つくば市が発表した。認定区域は洞峰公園(同市二の宮、17.4ヘクタール)と、近接する二の宮公園(同市二の宮、2.7ヘクタール)、まつぼっくり公園(同市千現、0.6ヘクタール)の3公園で、面積は計20.7ヘクタール。 市環境保全課によると、洞峰公園などで動植物調査や希少種の保護などを実施しているNPOつくばいきものSDGs(木下潔代表)から昨年秋ごろ、つくば市に提案があり、今年4月、同NPOとつくば市が共同で申請した。 市内では奥村組技術研究所内のビオトープ(同市大砂)も同日、自然共生サイトに認定された。市内の自然共生サイトは計7カ所となり、認定数としては全国の市町村で4番目に多くなった。認定サイトのほとんどは国際データベースのOECM(保護地域以外で生物多様性保全に資する区域)にも登録される予定。 認定制度は2023年度から始まり、25年4月に認定の仕組みを法制化した地域生物多様性増進法が施行された。法律に基づく認定は今回が初めて。同法に基づいて民間が作成・実施する増進活動実施計画と、市町村が取りまとめ役となって地域の多様な主体と連携して行う連携増進活動実施計画が認定され、二つの計画の活動実施区域が自然共生サイトとなる。 ゾーニングし緑地管理 市によると、洞峰公園とその近隣公園サイトの活動計画は、800メートルの距離を置く3つの公園の状況について①隣接する複数の研究所の樹林地、草地と共に100ヘクタールを超える緑地を形成し、絶滅危惧種を含むつくばの里地里山、沼・湿地に特徴的な動植物が生息生育している②通勤、通学など日常生活の傍ら、多様な生き物の活動に触れることができる—などが特徴だとしている。 活動計画の目標については①日常生活の中で生物多様性を実感できる市街地ならではの環境を次世代につなぐことを目指す②自然観察会などの環境教育活動を通じて身近な公園の生物多様性の価値に対する認知を高め、市民参加による調査モニタリング活動や保全活動を推進する―の二つを掲げている。 主な活動内容は、植生の特性に応じて園内をゾーニングし緑地管理するというもので①希少動植物生息生育エリアでは保全対象動植物に適した手刈りの草刈り、落ち葉かき、播種、樹木剪定を行い、対象植物の生態系を侵害する動植物は防除する②通常管理エリアは機械刈りや樹木剪定など一般的な公園緑地の管理手法を行う➂希少種エリアと通常管理エリアの間の緩衝的役割を担う緩衝ゾーンは主として背丈が高めの高刈りにより草地管理を行う—としている。 モニタリング計画として①植物、鳥類、昆虫、菌類を対象に年1~2回、有識者の指導の下、市民参加型調査・モニタリングを行う②希少植物種については開花期に生育状況を同NPOが中心となって調査する—とし、実施体制として①市と同NPOは専門家の意見を交えて保全計画を立案し実行する②つくば市は対象サイトの運営管理を統括し、希少動植物の生息生育エリア以外の緑地管理、沼管理を行う➂同NPOは希少動植物の生息生育エリアを管理し、調査・モニタリング活動、環境教育、市民参加型生物多様性保全活動を計画・実施する—となっている。計画期間は今年9月から2030年8月までの5年間。 一方、洞峰公園をめぐっては、2024年2月に県から市に無償譲渡された経緯などを受けて、今年4月、同公園の管理・運営方法などを市に提言する「洞峰公園管理・運営協議会」(委員長・藤田直子筑波大芸術系環境デザイン領域教授)が4月にスタートしたばかり。一般市民が参加してこれからの維持管理について話し合う分科会は1回目が7月に2日間開かれたのみで、本格的な議論はこれからになる。 洞峰公園を管理する市公園・施設課は、今回認定された活動計画は、県が管理していた時を含め、すでに取り組まれてきた活動を継続するものだなどとしている。(鈴木宏子)