第96回選抜高校野球(西宮市、甲子園球場)は大会6日目の25日、第1試合で茨城県代表の常総学院(土浦市)が日本航空石川(石川)と対戦。エース小林心汰の好投と4番・武田勇哉の決勝打により、1-0で常総が競り勝った。2回戦は第3試合(27日午後2時からの予定)、報徳学園(兵庫)と対戦する。
第96回選抜高校野球 1回戦(25日、甲子園球場)
常総学院 000001000 1
日本航空石川 000000000 0
試合前に両チームの監督が予想した通り、ロースコアの締まった試合になった。ともに放った安打は5本ずつで無失策。常総学院はエース小林が9奪三振で完封、日航石川は2年生左腕の猶明光絆が5回まで2四球4奪三振の好投で常総学院打線を苦しめた。
4回表の常総学院は、武田の四球と5番・森田大翔の中前打などで2死一・二塁とするが、ダブルスチール失敗で好機を逃した。4回裏には日航石川に1安打1四球と暴投で2死一・三塁とされるが、小林がカットボールで次打者を三振に取った。
スコアが動いたのは6回表。先頭の2番・池田翔吾が四球で出塁後、ボークで進塁。3番・若林佑真の送りバントで1死三塁とする。ここで打席に立った武田は右翼への犠牲フライ。4番の仕事で常総学院が貴重な決勝点を手にした。
常総学院は8回表に2死満塁、9回表に1死一・二塁の好機をつくるが、日航石川の継投の前に追加点は挙げられず。9回裏の日航石川は、四球と盗塁、単打で1死一・三塁と逆転のチャンスをつくるが、次打者が遊ゴロからのダブルプレーで試合終了。能登半島地震の被害に苦しむ地元の輪島市に、勝利を届けることはできなかった。
「さすが」「やる時はやる」
土浦市中村西根の常総学院高校では、生徒ら約70人が視聴覚室に集まり、大型スクリーンの前で観戦応援をした。バスケットボール部の海老澤慶人さん(3年)は、野球部員とも親しく、日頃から試合の結果などを話して互いに励まし合っている。武田選手の決勝打には「さすがだなと思った」と感想。次戦では、仲の良い杉山陽大選手の活躍に期待しているという。
「みんな最後まで集中を切らさず、全力を出しきってくれた」と話すのは相澤宥愛さん(3年)。特に小林投手の投球と、6回裏の池田選手のダイビングキャッチが最高だったという。「2人とも教室ではおちゃらけてるが、真面目なところもあり、やる時はやるなという感じ」とのコメント。自身は剣道部で、大会があるため甲子園に応援には行けないが「次戦も頑張ってほしい」と期待を託した。(池田充雄)