つくば市は15日、市が発注した同市栗原の道路改良工事で、12日午後4時35分ごろ、道路工事現場に歩行者の60代男性が入り、重機のショベルと接触して胸骨にひびが入るけがを負ったと発表した。
市道路管理課によると、歩行者の男性は散歩中で、業者が道路を通行止めにして工事をしていた。工事現場のバリケードに50センチ程度の隙間があったことから、通れると思って男性がバリケード内に入ったところ、重機が左に旋回し、ショベルが男性の胸に当たって、後ろに倒れた。
男性は救急車で病院に搬送され、胸骨にひびが入っているのが分かった。入院はせず、その日のうちに帰宅したという。
市によると、バリケードに隙間があったほか、現場に「工事関係者以外立ち入り禁止」の表示がなかったこと、交通誘導員は配置されていたが注意を怠り男性に声掛けしなかったこと、さらに重機を運転していた作業員も注意が不足していたことが原因としている。
けがをした男性に対しては、工事の受注業者が謝罪、さらに補償についても業者が対応するとしている。
再発防止策として市は受注業者に対し、工事現場の交通規制方法の再確認のほか、道路誘導員と作業員に安全対策の再教育をするよう指示すると共に、現在、市の工事を受注している全ての業者に対して安全対策に関する指導を徹底するとしている。
事故当時の状況に誤り
【3月5日訂正】つくば市は3月5日、事故当時の現場の状況について誤りがあったと発表した。2月15日の発表時点では、工事業者は現場を通行止めにして工事を実施し、現場のバリケードに50センチ程度の隙間があったと広報したが、再度、状況を確認した結果、事故発生当時は、重機の出入りのためバリケードが一時撤去され、通行止めの状態ではなく、通行止めの看板についても被害男性が歩いてきた方向からは確認できない状況だったとした。
市道路管理課によると、2月17日に被害男性の自宅で同15日付の事故の広報について説明したところ、被害男性から、事故当時の状況が異なる内容で発信されているとの申し出があった。同課が工事受注業者に再度確認したところ、被害男性の申し出通り、誤っていたことが分かったとしている。
市は誤った内容を広報してしまったことに対し被害者に謝罪すると共に、工事業者に対し正確に状況を報告するよう求めたとしている。