金曜日, 10月 30, 2026
ホームつくば高校生に通学支援など つくば市新年度予算案 過去最大を6年連続更新

高校生に通学支援など つくば市新年度予算案 過去最大を6年連続更新

つくば市の五十嵐立青市長は1日、2024年度当初予算案を発表した。一般会計は前年度当初比3.0%増の1118億400万円、特別会計などを合わせた総額は同3.4%増の1763億8600万円で、いずれも6年連続で過去最大を更新した。主な新規事業として、人口増が続く同市に県立高校が少なく市外に通う生徒の通学費負担が大きいと指摘がある中、遠距離の高校に通う生徒に通学費の一部を支援する。

一般会計が3%(32億9400万円)増となり過去最大を更新した主な要因は、人事院勧告に伴って昨年12月議会で市職員らの給料や手当てなどを引き上げたことから人件費が同比7.7%(15億1900万円)増の212億円になったほか、民間保育園の増設や国の児童手当拡充により扶助費が8.1%(20億8200万円)増の278億6500万円となったことなどのため。

6000人に交付

主な事業の高校生の通学支援金は、公立、私立高を問わず、鉄道、バス、スクールバスなどで通学している高校生のうち、年間の定期代が計10万円以上の生徒に年3万円を交付し、6~10キロ以上離れた高校に自転車や原付バイクで通学する生徒に年1万円を交付する。新年度の予算額は約1億6100万円を計上し、約5000人に3万円、約1000人に1万円交付を想定している。つくば市在住の高校生は現在6000人程度で、市教育総務課によると平均通学距離は10キロほどという。県内では石岡、笠間、常陸太田市などが通学費補助を実施している。

児童生徒数の増加に伴う小中学校建設は、みどりの南小中学校が今年4月開校し学校建設のピークは超える。一方、24年度は新たに中根・金田台地区で小学校建設に着手する。建設費は24、25年度2カ年で計68億1600万円。みどりの駅北側の陣場地区などの人口増に対しては同地区3カ所目の学校の新設は実施せず、谷田部小学校に11教室などを増築するための設計費5200万円を計上する。増築校舎の完成は27年4月の予定。

不登校対策としては、小中学校の校内フリースクール設置校を現在の22校から全50校に増やし、3億500万円を計上して各校に専任職員と補助職員を配置などする。

スーパーシティの看板、ネット投票は実施せず

ほかに、スーパーシティの看板事業に掲げたインターネット投票は今年秋の市長選・市議選では実施せず、1300万円を計上して、投票箱を積んだワゴン車が障害者や高齢者の自宅前まで出向くオンデマンド型移動期日前投票を実施する。

昨年、環境省に選定された県内初の脱炭素先行地域づくり事業として、初年度となる24年に1億4000万円を計上し、大和ハウス工業が20街区プロジェクトに太陽光発電設備を設置するなど計5件の事業に着手する。

コミュニティバス「つくバス」は、運転手不足による2月からの減便に伴い、運行費などが23年度の3億7500万円から24年度は3億3500万円に約4000万円減額する。

旧上郷高校跡地に建設予定の陸上競技場は28年度下期完成を目指し、24年度に設計費5080万円を計上する。

中央図書館をリノベーション

中央図書館はリノベーション事業に着手、24年度は外壁改修工事費約610万円を計上し、中庭に面する外壁の改修と中庭の枯れたアカマツの伐採などをする。25年度は中庭に面するガラスを一部取り外して中庭への出入口を設け、中庭にウッドデッキを設けるなどする。

解体、撤去する計画だった茎崎老人福祉センターは、市民のたまり場・居場所づくりの一つとして、入浴施設を改修する。2026年度のリニューアルオープンを目指して、24年度は300万円で改修のための設計を実施する。

不交付団体に

一方、歳入は、自主財源の市税合計が1.7%増の526億6400万円となり、不交付団体となる見込み。市税の内訳は、人口増により個人市民税が3.2%増の208億4600万円、家屋の新築などにより固定資産税は1.8%増の231億2700万円を見込むのに対し、法人市民税は大口の立地企業による業績の下方修正があったなど23年度の実績を踏まえて、6.6%減の42億8300万円を見込む。

借金である24年度末の一般会計の市債残高は、前年度末より43億3200万円増え、721億7400万円になる見込み。水道事業など公営企業会計を加えた市債残高の合計は、同69億1900万円増え、1259億8700万円になる見込み。

新年度予算案は13日開会の市議会3月定例会に提案し審議される。(鈴木宏子)

➡NEWSつくばが取材活動を継続するためには皆様のご支援が必要です。NEWSつくばの賛助会員になって活動を支援してください。詳しくはこちら

スポンサー
一誠商事
tlc
sekisho





spot_img

最新記事

11~12月にオープンハウス型説明会 事業者が市に回答【つくばに国内最大級のデータセンター】

つくば市大穂の元公有地に、外資系不動産開発会社グッドマンジャパンが国内最大級となる1000メガワットのデータセンター建設を計画しているのに対し、周辺住民団体が市民向け住民説明会の開催を求めている問題で、同社は、11月から12月にオープンハウス型説明会の形式で、情報・相談ブースを開設すると市に回答した。詳細は市と協議の上決定するという。ほかに、つくば市民を対象に、同社が開発した千葉県印西市の工業団地内に立地する稼働中のデータセンターなどを間近で見学できる見学会を12月に開催するなどとしている。 グッドマングループアジア統括責任者のポール・マクギャリー同社取締役が23日付で、五十嵐立青市長に回答した。 オープンハウス型説明会(情報・相談ブースの開設)は、開催期間中、市民それぞれが自由な時間に来場し、展示してあるパネルや会場に置いてある資料を見て回る形式。会場にいるスタッフに直接質問できるが、集会型の住民説明会とは異なって個別のやりとりになるため、市民全体の意見共有や総意の把握がしづらいとされる。 同社はオープンハウス型とした理由について、つくば市が策定した「データセンターの建設及び運営に関する地域共生ガイドライン」(10月23日付)で、敷地境界から100メートルより外側に住む住民への説明については「オープンハウス型説明会を1週間以上開催」するとしたこと挙げ、「22日に市から公表されたガイドラインに沿ってオープンハウス型説明会の形式で実施」するとしている。市のガイドラインで「説明会を開催する」とされている敷地境界から概ね100メートル以内の住民と土地所有者に対する説明については、「これまでも個別説明、約1万2000部のちらし配布、戸別訪問、8月の住民説明会(8月21日付)、専用のウェブサイト等を通じて情報をお伝えして」きたなどとしている。 住民説明会の開催をめぐっては、住民団体「データセンターから市民を守る会」(柳町弘幸代表)が、周辺住民約470人の署名を添えて市議会9月定例会議に、グッドマンジャパンに出席を求めた上で、市による市民向け公開説明会の開催を要望する請願を出していた(8月31日付)。一方、市議会は請願について、請願の趣旨は理解できるが採択できないという意味の趣旨採択とし、代わってグッドマンジャパンに、周辺住民に限らず市民や市議会議員等が広く参加できる説明会の開催などを要請する決議を採択した(9月29日付、10月6日付)。 市議会の決議を受けて、五十嵐市長は22日付で同社に説明会の開催と情報提供を求める要請文を出し、23日付でグッドマンジャパンからオープンハウス型説明会開催などの回答があったと発表した。(鈴木宏子)

免震装置、40年の変化を検証 奥村組がつくばで実験

10年ごとに実験 日本初の実用免震ビル 40年前に建てられたビルを人工的に揺らし、免振装置の経年変化を調べる自由振動実験が28日、つくば市大砂の奥村組技術研究所で実施された。ビルは鉄筋コンクリート造4階建ての技術研究所管理棟で、日本初の実用免震ビルとして1986年に建てられた。竣工以来、約10年ごとに実験を続けており、今回が5回目。過去の測定結果と比較し、免震装置の性能が設計時予測範囲内の変化にとどまっていることを確認した。 実験では、建物を支える直径50センチの天然ゴム系積層ゴム25基の性能を検証した。エネルギーを吸収するための鋼棒製ダンパー12基を取り外し、総重量約2500トンの建物を積層ゴムだけで支える状態にした上で、油圧ジャッキ2基、200トンの圧力を使って建物を水平方向に10センチ押し込んだ。ジャッキの力を解放して建物を自由振動させ、揺れの周期や振幅などを測定、分析した。力が解放された瞬間、「ドン」という大きな音と共に足元から強い衝撃が伝わったが、それ以降、急速に揺れが小さくなった。 実用免震建物の歴史は約40年と比較的浅く、長期間使用した装置の性能変化を実際の建物で検証したデータは限られている。同社技術研究所の上寛樹所長は、「積層ゴムの性能が、経年によって40年以上にわたりどう変化するかは、実際の建物ではまだ十分に実証されていない。40年分のデータの傾向を分析することで、設計時の予測値が正しいかどうかを検証できる」と話す。 免震構造は、地面と建物の間に積層ゴムなどの装置を設け、地震の揺れが建物に伝わるのを抑える仕組みだ。積層ゴムは、薄いゴムと鋼板を交互に何十層も重ねたもので、建物の重さを支えながら、地震の際にはゴムが水平方向に変形することで、地面の揺れが建物に伝わりにくくする。ただし、石製ゴムだけでは揺れがなかなか収まらないため、エネルギーを吸収するダンパーを併用する。同管理棟では、鋼の棒が変形することで揺れを吸収する鋼棒ダンパーを使っている。 同社によると、過去の実験では、積層ゴムの硬さは設置から20年で約10%、30年で約11%増加。今回の40年目の実験では約12%となり、設計時の予測範囲内で推移していることを確認した。設計上は、120年後に最大30%硬くなっても安全性を確保できるようにしているという。 奥村社長は「30年目までの結果から大体の方向性は予想できていたが、40年目の実験で改めて確認できた。免震技術に対する社会の信頼性も高められたのではないか」と話した。今後も50年目、60年目と実験を続け、得られたデータを学会発表などを通じて業界全体で共有し、免震技術の信頼性向上に役立てるとともに、地震の多い日本で免震建物の普及を目指す考えだ。(柴田大輔)

筑波山の風景画家 御手洗さんしのび 回顧展と金色姫舞踏劇

11月1日~3日 自然生クラブが開催 筑波山を愛し、筑波山麓で筑波山の絵を描き続け、今年7月に亡くなった画家、御手洗(みたらい)竹松さんの回顧展「山に恋して~筑波山の風景画家」が11月1日から3日まで、筑波山麓の田井ミュージアムで開催される。併せて11月1日には同所で、御手洗さんが制作した「金色姫(こんじきひめ)」の紙芝居をベースにした舞踏劇「金色姫伝説 幻想」などが上演される。 知的障害者たちと共同生活をしながら筑波山麓で有機農業や表現活動に取り組むNPO法人「自然生(じねんじょ)クラブ」(柳瀬敬代表)が、長年交流のあった御手洗さんの功績を改めて多くの人に見てもらおうと、「筑波山麓秋祭り2026」の開催に合わせて企画した。 御手洗さんは1943年山口県生まれ。神奈川や東京暮らしを経て、79年につくば市片田に移住し画廊を開設した。88年には筑波山麓の神郡に移住、養鶏を営みながら筑波山の四季を描き続けた。2003年には日本郵便の年賀はがきに御手洗さんが描いた筑波山の絵が採用された。 回顧展で展示する作品は油絵33点。ほとんどが筑波山を描いたものだ。森や草原の中に小川が流れオレンジ色に染まった雲の下にそびえ立つ筑波山、里山の満開の桜の向こうにそびえる筑波山など、大きいものでは縦約90センチ、横約1.3メートルなど、大小さまざまな作品が並べられる。 御手洗さんの紙芝居のテーマとなった「金色姫」は、地元の蚕影(こかげ)山神社に伝わる伝説で、天竺(インド)の王女である金色姫が、継母の迫害を逃れて、桑の木で作られたうつぼ舟(丸木舟)で常陸国(茨城県)の豊浦に流れ着き、漁師に助けられたが亡くなり、なきがらがカイコとなって日本の養蚕が始まったという物語。 竹松さんは、筑波山麓の景色を次の世代に残していきたいという思いから連作の紙芝居をつくったという。自然生クラブでは2006年に上演。今回、アレンジを加えて、物語の朗読や笛や太鼓の演奏と共に再演する。自然クラブ代表の柳瀬敬さん(68)は「御手洗さんとは40年くらい前、学園地区に住んでいたころからの知り合いで、ほぼ同時期に筑波山麓に移り住んだ。山麓で農業を始めたのも、御手洗さんの影響があった」と振り返る。「御手洗さんの描く筑波山は、写実的に描くのではなく、心の風景を描いたもので、自分が見たいと思ったものを描いている。今回は御手洗さんの素晴らしい筑波山の絵を多くの人に見てもらいたいと企画した」と話す。 御手洗さんの長男の太郎さん(46)は「こんなに短い期間に企画をまとめていただいて、大変ありがたい。父は筑波山が好きで、筑波山が近くに見える場所にアトリエを構えた。生活のために養鶏業を営んだが、ここでたくさんの絵を描いてきた」と思いを語る。(榎田智司) ◆自然生クラブ 秋の芸術祭2026 御手洗竹松の回顧展「山に恋して~筑波山の風景画家」は11月1日~3日、 つくば市神郡54、田井ミュージアム(アトリエ)で開催。開館時間は午前10時~午後3時。入場無料。▽追悼公演「金色姫伝説 幻想」は1日午後1時30分開演。入場料1000円、学生や障害者など500円。定員40人、予約者優先。詳しくは自然生クラブのホームページ、または電話029-866-2192(同)へ。

西友跡地にイオンそよら ひたち野うしく駅前 11月18日オープン

昨年10月に閉店した、ひたち野うしく駅東口前の「西友ひたち野うしく店」跡地にイオンの商業施設「そよらひたち野うしく」が11月18日オープンする。西友の施設を居抜きで活用する。他社跡地の既存建築を活用するのは「そよら」として初めて。 出店するイオンリテール(千葉市、古澤康之社長)は「出店を決める際には立地条件、交通利便性、周辺人口動態や地域特性などを総合的に判断して決定する」とし、「西友ひたち野うしく店跡地がたまたま居抜きに該当した。JR常磐線の駅前に立地し、子育て世帯が流入する発展著しいエリアであることから出店を決めた。結果的には投資金額も抑えられている利点もあった」とする。 「そよら」は、イオンリテールが新しく展開する都市型ショッピングセンターで、今月25日オープンしたばかりの「そよらつくば学園の森」(9月30日付)に続いて県内で2番目の出店となる。 常磐線利用客や牛久市周辺などの子育て世代を主なターゲットとする。ファミリー層が気軽に集い、思い思いの時間が過ごせる場とするため、約550席の大型フードコードを設け、さらにスポーツ観戦ができるディスプレイを設置する。2階には子供のための屋内型運動施設「のびっこ」を設置する。 立地は、ひたち野うしく駅改札口からペデストリアンデッキで店舗2階につながる。店舗は2階建て、敷地面積は約3万4700平方メートル、売場面積約1万1900平方メートル。 1階では、時短ニーズや健康志向に配慮した食品、地域で親しまれている商品のほか、食品売場内に日用消耗品や肌着、ベビーフードなど利用頻度の高い商品を販売する。 2階のヘルス&ビューティケア売場では、トレンドコスメや高機能ヘアケア商品、香りアイテムのボディ・ルームフレグランス、機能性衣類のリカバリーウェアなどを幅広くそろえる。ボビーや雑貨を扱うエンターテイメント売場では「祝う」「集める」「学ぶ」などのシーンをテーマ毎にゾーニングし、それぞれのテーマに沿った商品を販売する。 専門店はサイゼリヤ、バーガーキング,ミスタードーナツなど飲食店を始め、29店舗が入る。 商圏は牛久市、阿見町、龍ケ崎市など。車で10分以内のところに約10万人が住んでおり、駅の利用客も含め、年間150万人の利用客を見込む。 同社執行役員の簑原邦明SC本部長は「コロナ禍が過ぎて人々はリアルを求めており、データを見ても顧客数は増えている。既存施設の価値をもっと上げていきたい」と話し、今後も茨城南部に店舗を増やす可能性を示した。(榎田智司)