土浦の歴史ある街並みや変化、そこで生活する人々の日常を、モノクロ写真で表現した写真展「ツチウラ・モノクローム」が16日から、土浦駅前の同市大和町、土浦市民ギャラリーで始まった。同ギャラリーが主催する。
展示してあるのは、市内で活動する写真愛好家や愛好団体のメンバーが1993年から2023年までの約30年間に撮影した203点で、複合商業施設として土浦駅前に開業した1997年当時のウララビル(現市役所)、かつて桜町にあった銭湯「松の湯」、江戸後期や明治の建物が残る中城通りに面した改修前の県指定文化財「旧矢口家住宅」、霞ケ浦湖岸周辺に広がるハス田、新治地区の石仏など。
時間の流れとともに変化していく街並みを、土浦駅前を中心にモノクロ写真で改めて振り返るという内容で、色彩が排除されていることで、対象の質感や存在感、光がより鮮明に表現されている。
開催にあたっては、テーマ別にモノクロ作品を公募し、応募があった60代から70代の12人の作品が展示してある。12人は、石川多依子さん、岡本紀明さん、佐々木隆さん、関郷さん、高木紀英さん、高畑徹伸さん、多田明美さん、茅根英二さん、塚本留蔵さん、松延洋子さん、吉田宣好さん、吉原世都子さん。作品は1人2点から57点まであり、最も多い57点を出展した石川多依子さんは市内で個展を開催したこともある。
作品の大きさは、A3や半切(35.6×43.2センチ)で、個々人でフレームを作り出品していることから多少ばらつきもある。デジタルカメラを使いモノクロモードで撮影した作品のほか、カラー写真をモノクロにした作品などもあるという。
同市民ギャラリー主任の若田部哲さんは「モノクロ写真は構図が大事で、一瞬の光を切り取るという写真の原点がある。現代はスマートフォンなどで誰でも写真を撮れる時代なので、気軽に白黒写真に挑戦してほしい。個性的でアートっぽい写真が撮れると思う」と話す。(榎田智司)
◆同展は2月12日(月)まで、土浦市大和町1-1、アルカス土浦(市立図書館)1階、土浦市民ギャラリーで開催。入場無料。開館時間は午前10時~午後6時。月曜など休館。問い合わせは電話029-846-2950(同ギャラリー)へ。