冬休みに楽しんで
歯車にスポットを当てた企画展「すごいぞ!歯車!!くるくる回っていっぱいお仕事」が、つくば市吾妻、つくばエキスポセンターで来年1月28日まで開催されている。歯車を用いた作品など36点が展示されている。つくば市在住で、国内外で活躍する木工作家のつちやあゆみさんによる「歯車のオルゴール」や「歯車の遊園地」などの作品もある。
おもちゃや時計、自動車、エレベーターといった身近なものから、人工衛星やロケットなど、あらゆるものを動かすことに欠かせないのが「歯車」だ。回転する複数が組み合わさることで動力を伝える。普段は機械の中に隠れてあまり目にすることがないが、人の暮らしを縁の下で支える無くてはならないもの。
会場となる2階の多目的ホールは3つのパートに分かれる。まず初めが、木製のおもちゃなどを製作するムクスタジオ(Muku-studio、埼玉県飯能市、野出正和社長)による作品。木製の大型カラクリ装置のほか、赤、黄、青など色や形、大きさの異なる様々な木製歯車を組み合わせ、平行軸の一方から他方へ回転を伝えるために用いられる「ヒラ歯車」、回転運動を直線運動に変換する「ベルクランクとピン円盤」、回転する円運動を上下運動に変換する「ハートカム」など、実際にレバーを回して多様な動きを楽しむことができる作品を展示している。
その奥には、つちやあゆみさんによる作品が並ぶ。そのひとつ「歯車のオルゴール」は、平行に組み合う大小の歯車が、複数、平行に組み合わされて、手前に置かれたハンドルを回すことで回転する歯車の下に据え付けられた木球が鍵盤にぶつかり、クリスマスにちなんだ「聖者の行進」が鳴り響く。その隣に置かれた、同じくつちやさんによる作品「歯車の遊園地 No.10」は、3つのスタート台から色とりどりの木球を木製のレールに滑らせ、ゆっくり回転する歯車など、複数のルートを通りその先のゴールへの順番を競うアトラクション。木と木がぶつかる柔らかな音も楽しめる仕組みになっている。
最後は、1935(昭和10)年の創業以来、一貫して歯車を作り続ける小原歯車工業(埼玉県川口市、小原敏治社長)。実際の工業製品だけでなく、同社の技術を活かして作られた二輪駆動の自転車などが展示されている。
車・バイク好きの大人も
企画を担当した同センターの松岡安希子さんは「オルゴールやコーヒーミルなど、私たちの身近なところに常にあるものの、普段なかなか見る機会が少ないのが歯車」と話し「今回の企画では、実際に触れることで、暮らしを支えてくれている歯車の魅力を知ってもらうことを意図した」と説明する。「11月に企画がスタートして以来、来場したたくさんのお子さんたちが、実際に歯車に触れて、その動きや奏でる音を楽しんでくれている。またプラモデルや車、バイクを趣味にする大人の方たちも関心を持って来場していただいている」とし、「この冬休み、ぜひ、多くの方に来場していただきたい」と呼びかける。(柴田大輔)
◆企画展「すごいぞ!歯車!!くるくる回って いっぱいお仕事」は、2024年1月28日まで。開館時間は午前9時50分から午後5時。休館日は毎週月曜(12月25日、1月8日は除く)、ほかに12月29日から1月3日、1月9日から11日は休館。入館料は大人500円、子どもは250円。問い合わせはイベントの公式ホームページ、またはつくばエキスポセンター(電話029-858-1100)へ。