金曜日, 12月 26, 2025
ホームつくばつくば出身の音大生、同級生と地元を回り公演 サクソフォーン四重奏

つくば出身の音大生、同級生と地元を回り公演 サクソフォーン四重奏

12月23日 土浦

つくば市出身で、昭和音楽大学(神奈川県川崎市)4年の北野圭亮さん(23)が、同級生4人でサクソフォーン四重奏団「リリーサクソフォンカルテット」をつくり、12月23日、土浦市東真鍋町、クラフトシビックホール土浦(土浦市民会館)小ホールでコンサートを開催する。種類の違うサクソフォーン(サックス)4本による四重奏だ。

メンバー4人でそれぞれの地元を回りコンサートを開くという企画の一環で、すでに今年3月に神奈川県足柄市、5月に新潟市でコンサートを開き、今回が3回目。1、2回とも客席の8割が埋まるなど成功を収めた。昨年12月につくば市のアルスホールで開催を予定していたが、当日体調不良者がいたため延期していた。今回はリベンジに向け思いを込める。

それぞれの地元なら知人も多く集客が容易だということから企画を考えた。北野さんは「卒業後は地域に根ざした活動ができたらと思い、その足がかりにすると同時に、まだクラシックサクソフォーンの認知度が低いので、皆さんに知っていただく良い機会になれば」という。

リリーサクソフォンカルテットは、2年の時に同じ学科で学ぶ4人が集まって結成した。リリーは大学の最寄り駅、新百合ケ丘駅にちなんで名付けた。メンバ―はテナーサックスの北野さんのほか、 ソプラノサックスの横内魁人さん、アルトサックスの浅沼絢斗さん、バリトンサックスの中村洋翔さんの4人。クラシックを前半に、幅広い世代に耳馴染みのあるポップスや童謡などを後半に演奏する。

リリーサクソフォンカルテットの演奏会の様子(北野さん提供)

北野圭亮さんは水戸市生まれ。小学5年の時つくばに転居し、二の宮小、谷田部東中、竹園高に進んだ。高2の2018年、第20回ソロ・コンテストいばらき(県吹奏楽指導者協会主催)に出場し金賞などを受賞している。現在、同大の弦・管・打楽器演奏家コースで学ぶ。

音楽との出合いは、母親のサクソフォーンが自宅にあったこと。11歳のころから地元の音楽教室に通い、中学から高校1年まで吹奏楽部に在籍した。その後はプロの個人レッスンを受け、音楽家を目指した。中学の時出場した「アンサンブルコンテスト」の楽しかった感覚が音楽家になりたいと思うきっかけになったという。

北野さんは「サクソフォーンは19世紀に生まれ、クラシックの世界では比較的新しい楽器なので、演奏に加わる曲目も少なく、見る機会が少ないと思う。音色は多彩で、音を出しやすく、大きな音量を持っているなどすべてを合わせ持っている楽器なので、皆に興味を持ってもらいたい」と語り、将来については「プロとして地元に根差した活動を続けていきたい。文化振興という面でも貢献していければ」と語る。

◆コンサートは12月23日(土)、土浦市東真鍋町、クラフトシビックホール土浦小ホールで。開場は午後1時30分、開演は2時。入場料は一般2000円、大学生以下1000円。問い合わせはEメールへ。

➡NEWSつくばが取材活動を継続するためには皆様のご支援が必要です。NEWSつくばの賛助会員になって活動を支援してください。詳しくはこちら

スポンサー
一誠商事
tlc
sekisho




spot_img

最近のコメント

最新記事

個人情報記載の住宅地図を誤配布 つくば市

つくば市は26日、同市谷田部、陣場ふれあい公園周辺の352世帯に、公園近隣の86世帯の名字など個人情報が入った住宅地図を誤って配布してしまったと発表した。うち2世帯は名字と名前が入っていた。 市公園・施設課によると、同公園でのボール遊びについて注意喚起する文書を、公園の位置を示す拡大した住宅地図を付けて周辺世帯に配布した際、本来、地図の個人情報を削除すべきところ、削除せず配布した。 23日午前10時~正午ごろ、市職員が公園周辺の352世帯に配布、2日後の25日、通知文書を受け取った市民から市に、住宅地図に個人情報が記載されている旨の電話があった。 市は26日、地図に個人情報が掲載された公園近隣の86世帯に対し謝罪の文書を配布。さらに周辺の352世帯に対し、23日配布した住宅地図の破棄を依頼する文書を配布したほか、個人情報を削除した住宅地図を改めて配布した。 再発防止策として同課は、個人情報の取り扱いや外部への情報提供の方法について見直しを行い、再発防止に努めますとしている。

大の里の姿を精巧に表現 雲竜型土俵入りなど人形2体を贈呈

横綱昇進祝し 関彰商事 第75代横綱に昇進した大の里を祝し、記念人形の贈呈式が25日、阿見町荒川本郷の二所ノ関部屋で行われ、関彰商事(本社 筑西市・つくば市)の関正樹社長が特別に制作された記念人形2体を大の里に贈った。 人形は、雲竜型の土俵入りをする戦う表情の大の里と、横綱に昇進し着物姿で喜ぶ表情の2体。土俵入りの人形は、高さ36センチ、幅40センチ、奥行き20センチ、着物姿は高さと幅が46センチ、奥行き32センチの大きさで、いずれも大の里の力強く気品あふれる姿を精巧に表現している。 桐の粉で作った胴体に溝を彫り、布の端をきめ込む「江戸木目込人形」の技法を用いて、さいたま市岩槻区の老舗人形店「東玉」の人形師で伝統工芸士の石川佳正さんが製作した。石川さんは「大変名誉な仕事を預かり光栄。制作には、他の仕事をキャンセルして1カ月かかった。陰影を出すように、肌の色などはつるっとしないように工夫した。はかまは京都の西陣織を採用した」などと説明した。 大の里は「素晴らしい作品が出来上がった。大変光栄なことで、感謝とともに、これを励みにさらに精進していきたい」と語った。 関彰商事は、牛久市出身の二所ノ関親方(当時は稀勢の里)が十両だった2004年から、関正夫会長が「稀勢の里郷土後援会」の会長を務めたなど、長年にわたり二所ノ関親方を支援。親方になってからも二所ノ関部屋を支援している。今回の贈呈も、これまでの継続的な後援活動の一環として行われた。 関社長は人形師の石川さんに感謝し、大の里には今後の活躍にエールを送った。(榎田智司)

30年度1学級増、33年度2学級減 つくばエリアの県立高 県高校審議会答申資料で推計値

2027年度以降の県立高校教育改革の方向性を検討する県高校審議会(委員長・笹島律夫常陽銀行会長)が25日、県庁で開かれ、答申をまとめた。 人口が増加している「つくばエリア」(つくば市など4市)の今後の募集学級数と募集定員について、答申の参考資料の中で推計値が示された。同エリアの全日制県立高の2025年度の入学者数は2203人なのに対し、30年度は31人増え2234人となる一方、33年度の入学者数は63人減り(25年度比は32人減)2171人になるとして、25年度の同エリアの学級数が58学級(募集定員2320人)なのに対し、30年度は1学級(40人)増えて59学級(2360人)、33年度は2学級減り(25年度比は1学級減)57学級(2280人)になるとする見通しが示された。 推計値について県高校教育改革推進室は「入学者数や募集学級数はあくまで現時点の推計値であり、(実際には)県教育委員会が志願の状況や欠員の状況などを踏まえて策定する」としている。 市民団体「実態に合わない」 一方、つくば市やTX沿線に県立高校の学級増や新設を要望してきた市民団体「つくば市の小中学生の高校進学を考える会」の片岡英明代表は「つくばエリアの子供たちが増えていることが反映されていない。県の推計値は入学率をもとに入学者数を推計している。もともと県立高校が少ないつくば市は、市内の県立高校に入学する生徒が少なく実態に合わない」と話している。 片岡代表は2033年度のつくばエリアの中学卒業見込者数が25年度の4393人より226人増えて4619人になり、日立エリア(日立市など3市)と水戸エリア(水戸市など4市)を合わせた4425人を上回ると推計され、さらに38年度にはつくば市1市だけで中学卒業見込者が3392人と見込まれ、日立エリアと水戸エリアを合わせた3429人に匹敵する推計値が出されていることから、「つくばエリアは県立高校の緊急な定員拡大と本格的な対応が必要」だなどと指摘している(12月21日付)。 人口増 答申で具体的言及なし つくばエリアで子供の数が増えている問題については、答申に具体的言及は無く、県全体の県立高校の適正規模について「今後、地域ごとの中学卒業者数の差はますます鮮明になっていくと予想されるため、引き続き、県内全ての地域に一律で適用する適正規模の基準は設けないことが望ましい」などとするにとどまった。 ただし同審議会の専門部会(部会長・中村麻子茨城大副学長)では、つくばエリアについて「教育を目当てに移住する人もいるので、学級数の増を考えてもいいのではないか」とする意見が出た一方、「今、人口が増えているつくば市もいずれ減っていくので、新校設置はあまり現実的ではない」「最終的に生徒が減っていく中、学級数の増をすると、近隣の学校に様々な影響が出る。学級数増については慎重に検討していく必要がある」などの意見が出たことが紹介された。 答申もとに基本プラン策定へ 25日まとまった答申は、来年1月下旬に県教育委員会の柳橋常喜委員長に手渡される。答申を踏まえ来年度の早い時期に、県の全体計画である「県立高校改革プラン基本プラン」が策定され、パブリックコメントなどが実施される予定。 答申の主な内容は、県内の中学卒業者数は1989年の4万9441人をピークに年々減少し、2025年には2万5192人となり、35年には約1万9500人まで減少すると予測されているなどから、中学校卒業者数の変動に対する対応として、生徒数が減少傾向にあるエリアでは、高校規模の縮小が一層進むと予想されるためICTを活用した同時双方型の遠隔授業を推進していくことが求められる。規模が縮小した学校の活力向上を図るため学校連携型キャンパス制のような高校同士が連携する学びの仕組みを一層推進することが重要―などとしている。 学級編成については、小中学校の1学級40人学級から35人学級への引き下げを受けて、特に生徒数の減少が大きいエリアでは、高校の特色の一つとして少人数学級編成を行うことも考えられる。農業、工業、商業学科など学科の在り方については、各エリアの生徒数によっては、複数の学科を総合学科に改編することも考えられるーなど、県全体の生徒数減少に対する対応について方向性を示している。 ほかに、今回の答申では新たに「選ばれる県立高校であるための魅力訴求」についての項目が設けられ、情報化社会の広報について、学校説明会への参加意欲を促すため、学校・学科の魅力や生徒の日常の様子、様々な取り組みなどをウェブサイトを活用して日頃から情報発信することが望ましい。AIなど先端技術については、さまざまなリスクが含まれることも想定され、これまで以上に倫理観や情報リテラシーの育成が求められるーなどが盛り込まれた。 参考資料で示された県全体の今後の募集学級数と定員の推計値は、25年度の全日制県立高の入学者数が1万6098人なのに対し、30年度は1111人減って1万4987人となり、33年度はさらに1438人減って(25年度比は2549減)1万3549人になることが推計されることから、募集学級数は25年度が442学級(募集定員は1万7630人)なのに対し、30年度は30学級減り412学級(1万6430人)、33年度はさらに40学級減り(25年比70学級減)、372学級(1万4830人)となる推計値が示された。(鈴木宏子)

「たくさんの応援で結果出せた」筑波技術大 星野選手ら デフリンピック

石原学長に活躍を報告 聴覚障害者の国際スポーツ大会「東京2025デフリンピック」に出場した筑波技術大学(つくば市天久保)の学生アスリート4人が24日、同大の石原保志学長に活躍を報告した。テコンドーで銅メダルを獲った阿見町出身の4年 星野萌選手(21)は「たくさんの皆さんの応援をいただいたお陰で舞台に立つことができ、結果を残すことが出来た」と話し、大会を機に「茨城県内でスポーツの面白さを伝えていきたい」などと話した。 4人は星野選手のほか▽男子バレーボールで6位に入賞した4年 大坪周平選手(22)▽男子ハンドボールで7位に入賞した4年 林遼哉選手(21)▽陸上1500メートルと800メートルに出場した2年 中村大地選手(19)。日本代表の鮮やかなオレンジ色のジャージを着用し、星野選手は銅メダルを手にとって石原学長に見せるなどした。 バレーボールの大坪選手は「自分にとって初めての大きな大会で、結果は6位だったが、たくさんのお客さんに来ていただき本当に感謝している。最高のチームだった」と振り返った。 ハンドボールの林選手は「8カ国中7位だったが、初出場で1勝することができた。海外のレベルを知ることができ、とてもいい経験になった。2年後のハンドボール世界選手権、4年後のギリシャ・デフリンピックに向けてハンドボールを続けたい」と話した。 陸上の中村選手は「結果的に負けてしまい悔しさがあるが、この気持ちをこれからの大きな大会につなげていきたい」と語った。 石原学長は「皆さんは一生に一度あるかないかのチャンスをものにした。改めてお祝いします」と選手をねぎらい「この経験は自分の人生の経験になり、これから仕事の面でも、生活の面でも、家族をもつことになっても、つながってくると思う。頑張ってくれて大変うれしい」と語り掛けた。 同大にとっての大会の意義について石原学長は「大学からはアスリートだけでなくたくさんの学生がボランティアとして参加した。学生たちはグローバルな体験をする中で、障害を一つの個性として自覚し、共生社会の実現に向け活躍してくれると思う」などと話した。 同大からは学生6人と卒業生11人の計17人が選手として大会に出場した。星野選手のほか、夫婦で出場した大学院生の沼倉昌明、千紘選手がバドミントン混合団体で金メダルを獲った。卒業生では、女子バスケットボールの橋本樹里選手が金メダル、女子サッカーの岩渕亜依選手と男子サッカーの杉本大地選手がいずれも銀メダル、男子柔道73キロ級の蒲生和麻選手が銅メダルに輝いた。 ほかに、学生(現在は卒業生)の多田伊吹さんが大会エンブレムをデザインしたほか、開閉会式には3年の伊東咲良さんと2年の瀧澤優さんの2人がパフォーマーとして出演。同大の学生約100人がボランティアスタッフとして大会運営を担った。(鈴木宏子)