つくば市竹園のうなぎ店「とよ長」(豊嶋英之代表)が、廃棄するウナギの頭を犬猫用のペットフードに生まれ変わらせ、食品ロスを減らす取り組みをしている。半年ほど前から店頭やホームページで販売を始めた犬用おやつは、これまでに全国から1000個以上の注文があった。10月からは新たに猫用おやつを商品化した。
考案者で同店代表の豊嶋さん(46)は「以前から、捨ててしまうウナギの頭をどうにか活用できないかと思っていた」と開発の経緯を話す。豊嶋さんは、霞ケ浦の湖岸沿いでウナギなど川魚を加工し、つくだ煮などの名産品を作っていた老舗「豊嶋商店」(かすみがうら市、現在は閉店)の3代目に当たる。同商店は1952年創業。創業以来のタレと先代の技術を受け継いで、2010年7月、「とよ長」をオープンさせた。
昨年、実家で片目の見えない猫を保護したことをきっかけに犬猫の保護活動を始め、現在、保護犬2匹と保護猫5匹を飼っている。食品ロスを無くし、保護した犬と猫に健康に良い物を食べさせたいという思いから、ウナギを使ったペットフードを考案、商品化した。
犬用のおやつ「UNA DOG(ウナ・ドッグ)」はウナギの頭を高温で蒸し上げて骨を柔らかくし、さらに80度で乾燥させて作る。10月17日に発売したばかりの猫用おやつ「鰻猫Una Neko」は食事から水分を取る猫の特性に合わせてウエットに仕上げ、風味を付けるためにカツオ節であえた。どちらも100パーセント国産ウナギを使用し、店で手作りしている。売れ行きが良く店で出るウナギの頭が足りない時は、静岡県沼津市から頭を仕入れて作ることもあるという。
「食いつきがよく、食べさせると毛つやが良くなる」と話す豊嶋さん。犬の管理栄養士の資格も取った。ウナギの頭はビタミンやミネラルのバランスが良く、魚特有の良質な脂質、タンパク質を含んでおり、人間も食べられるペットフードだと太鼓判を押す。将来はペットフードと売り上げの一部を、犬猫の保護活動団体に寄付することを考えていると言い、「保護されるような不幸な犬猫を助けたい」と思いを語る。(田中めぐみ)
◆犬用おやつ「UNA DOG」(ドライタイプのドッグフード)は70グラム入り1400円(消費税込)、猫用おやつ「鰻猫Una Neko」(ウエットタイプのキャットフード)は30グラム入り5パックで2530円(同)。店頭かホームページから購入できる。