つくば市北部に位置する医療法人健佑会「いちはら病院」(同市大曽根)の増築工事が終わり、29日午前、知事や衆参議員などが参加して竣工式が催された。新棟(東棟)には外来部門や手術室などが移り、これまで外来部門などが入っていた旧棟(西棟と中央棟)はリハビリテーション(回復期)部門、医療検査部門などとして使われる。
ネット環境の進化にも対応
新棟の1階フロアーで開かれた竣工式で、健佑会の市原健一理事長は「この棟の裏手にある旧棟は建ててから35年経ち、老朽化が進んだこともあり、新棟を建てた。35年前には考えられなかったネット環境の整備も必要になった。手術数も昨年は1300件にもなり、前の手術室では対応できなくなりつつある。折からの材料費や人件費の上昇で、建築費は想定より50~60%アップしたが、なんとか完成した」と述べた。
大井川和彦県知事は「いちはら病院はつくば医療圏の中核病院であり、新棟の完成によって、地域医療に一層貢献いただけると思う」と祝辞を述べた。また、国光あやの衆院議員(茨城6区)は国会議員を代表して「議員になる前、この病院で医師として当直をやり、学ばせてもらった。いちはら病院はリハビリ病床が120もあり、県内ナンバーワンだ。リハビリは地域医療の要でもあり、国もこれを推進している」と、回復期医療の重要性を指摘した。

17の医療・福祉施設を運営
新しい東棟は、旧棟を東大通り方向に延ばす形で建てられた。この棟には、総合受付・外来部門(1階)、手術部門(4階)、病室(2~3階)が入る。これまでこれらの部門が入っていた旧棟には、リハビリ部門(西棟1階)、大浴場(同4階)、病室(同2~3階)、検査部門・売店(中央棟1階)、病室(同3階)が入る。これまで3つだった手術室は4つになるという。
市原理事長は医療法人「健佑会」のほか、社会福祉法人「健誠会」も統率している。医療法人が運営するのは、いちはら病院、老人保険施設など6施設。社会福祉法人は、特別養護老人施設など10の施設を運営している。このほか、有限会社が経営する有料老人ホームも病院の隣接地にある。いちはら病院はこれら「いちはらメディカルグループ」の中核になる。(岩田大志)