2カ所で、2倍の約60団体参加
不登校など学校に悩みを抱える子どもや保護者と、フリースクールや市教育相談センターなど公・民の支援団体をつなぐイベント「不登校・多様な学び つながる“縁”日」が21日につくば市立桜総合体育館と、11月12日に筑西市県政生涯学習センターで開かれる。主催は、県内を中心とした121の支援団体などによる「不登校・多様な学びネットワーク茨城」。昨年に続く2回目の開催で、今年は2会場で昨年の2倍に当たる計約60団体が参加し、問題の背景にあるより多様な課題に向き合う合同相談会となる。
主催団体の代表世話人を務める石田佳織さんは目的について「不登校などの問題を抱えることで、学校を生活の中心にしていた子どもや親がそこから遠ざからざるを得なくなると孤独になってしまう。学校に行けないことへの罪悪感などから外に出にくくなる子どもも多い。先が見えない不安の中で孤立する人たちに『味方になってくれる人はたくさんいる』と伝えたい」と語る。
参加団体は、フリースクールなどの支援団体、通信制学校など教育機関、つくばや土浦市など県南・県西8市の教育相談センター、教育委員会と、ほかに発達障害、学習障害、性の問題に関わる臨床心理士など専門分野に特化した多様な団体が相談ブースを構える。
石田さんは「不登校の背景には、単に人間関係だけではない様々な問題がある。書くこと、読むことが苦手、大勢の人がいるところや大きな音が辛い、性の問題を抱えている子どもなど、様々な特性がある。今の学校や社会は多数派のためにつくられているので、特性によってその周縁にいる子どもにはとても辛い環境」だと指摘する。一方で「環境が整えさえすれば、子どもたちは安定した日々を過ごすことができる」とし、「それぞれにとって適切なサポートを得ながら学び育てる社会が大切。なんらかの影響で学校にいることが苦しいと感じる子どもやその保護者に対して、広く対応できる団体がイベントに参加する。各団体の良さが伝われば」と話す。
つくば会場では、過去に不登校を経験した30代、40代の大人らによる座談会を開催する。当時、それぞれが直面していた生きにくさや、どんな声掛けを周囲にしてほしかったかなど、当事者の体験を参加者と共有する。
また、現在フリースクールに通う子どもたちによる手作り雑貨を販売したり、射的などの模擬店も出され、屋外にはタコスやドーナツなどのキッチンカーが出店する。「不登校に関心のある人だけでなく、子どもたちの企画に参加するだけでも楽しめると思うので、それ目当てでも来てほしい。教育環境は今、過渡期にあると感じている。一つの生き方でもある『多様な学び』について知ってもらえたら」とイベントへの思いを込める。(柴田大輔)
◆「第2回不登校・多様な学び つながる“縁”日」は、10月21日(土)につくば市流星台63、桜総合体育館と隣接の流星台プレイパークで、11月12日(日)に筑西市野殿1371、県県西生涯学習センターで開催。時間はそれぞれ午前10時30分~午後4時。入場無料。詳細は公式サイトへ。