高校生を対象とした「課題解決型インターンシップ」が今夏、関彰商事(本社筑西市・つくば市)で実施され、23日、つくば市二の宮のつくば本社で成果報告会が催された。インターン生として参加したのは土浦日大高校1年のマレク・ラワハ・マナミさん、下館一高1年の富田にこさん、同2年の内山ひかりさん、茗溪学園高校1年の設楽桃さんの4人。報告会では集計したSDGsに関するアンケート結果の報告が行われたほか、同社の SDGsの取り組みを紹介するパンフレットの構成案が披露された。
課題解決型インターンシップは一般的なインターンシップの就労体験とは異なり、インターン生自身がテーマを設定し、受け入れ先でプロジェクトに加わり研究活動を行う。インターン生4人はSDGsを研究テーマに選び、同社は学生への情報発信に課題を感じていたことからインターン生に向けて「中学生に向けたSDGsのパンフレットを作成する」という課題を提示した。
7月から8月にかけて社員らとミーティングを重ねながら、在籍する高校や卒業した中学校の生徒を対象に県内の様々な企業の認知度やSDGsへの意識に関するアンケートを実施。また同社のオフィスや店舗を見学し、どのようなSDGsの取り組みを行っているかを調査した。
成果報告会ではアンケート結果を分析してまとめたスライドを示し、中高生の意識について分かったことを関正樹社長や社員らの前で発表し、質問に答えた。読み手となる中学生の意識を踏まえて考えたパンフレット案も披露。同社のカーボンニュートラルやダイバーシティ、スポーツを通じた地域活性化の取り組みなどを分かりやすく記載し、親しみやすいよう設楽さんが描いたイラストを添えた。今後、案をもとに同社で完成版を作って印刷し、中学生に配布する予定だという。
今回のインターンシップは、4月に開催された教育イベント「成蹊教育フォーラムinつくば」に参加したマレクさんが、登壇した関社長に「海外大学への進学を考えており、自己の成長につながる課題解決型のインターンシップを受けるにはどうしたらよいか」と相談したことがきっかけで実現した。近隣の高校に声掛けを行い、3校から4人の生徒がインターン生として参加した。
大学で経済学を学びたいというマレクさんは「参加したみんな違っていろんなスキルがあって、協力し合うことができた。このような経験ができ、この経験を生かしていけたら」と参加の感想を述べた。内山さんは「これまで1人で活動することが多かったが、年齢関係なく他の人の意見を聞くことはいいなと思った。SDGsへの理解が深まった」と話し、他者との協働から得た学びについて強調した。
同社では今後も高校生を対象にしたインターンシップを続けていきたいとしている。関社長は「(今回の報告会のように)大人だけでなく誰でも自由に意見を言い合える場所が必要。会社のあるべき姿であり、こういう場が将来日常になっていくだろう」と話し、一人一人にインターンシップの修了証書を手渡した。(田中めぐみ)