土浦市大畑、鷲(わし)神社で17日、国選択・県指定無形民俗文化財の「からかさ万灯」が4年ぶりに開催された。仕掛け花火を奉納する地域の民俗行事で、例年8月15日の夜に開催されているが、今年は台風7号の影響で17日に延期された。4年ぶりの開催に約1万人が来場し境内はひしめき合った。
午後7時30分、地元のお囃子太鼓や打ち上げ花火が披露された後、安藤真理子土浦市長が来賓を代表してあいさつ。午後8時、離れた場所から導火線の綱火に点火され、からかさ万灯に火が着いた。高さ6メートル、直径5メートルのかさから色鮮やかな花火が勢いよく雨のように降り注ぎ、火の粉が光の芸術を作り出した。例年、点火は午後9時頃だが、今年は1時間早く、見逃した人もいたという。
からかさ万灯の始まりは、江戸時代中期頃といわれる。大畑地域は夏になると干ばつに苦しめられ、雨乞いを祈願した仕掛け花火「からかさ万灯」を神社に奉納して五穀豊穣を願ったと伝えられている。
見学に訪れた同市田土部の本橋英昭さん(57)は「4年間見ることが出来なくて寂しかった。今年は大勢集まり、無事、素晴らしい仕掛け花火を見ることができた。200年以上も続いているので、ずっと継続して欲しいと」述べた。地元のお年寄りは「儀式が終わって、ざあーっと雨が降ってくると大成功なんだ」などと話していた。(榎田智司)