応援の力ってものすごい
ー今年から制限がなくなり、応援団やブラスバンド、チアリーダーも来ることになります。常総学院の迫力の応援が4年ぶりに返ってきます。
島田 生のブラバン演奏での応援は、僕としても監督になって初めてのことなので非常に楽しみですね。やっぱり応援の力ってものすごいんですよ。個人名を大声で叫んで応援してくれるとやっぱり力になるので、どれだけ応援に助けられるのだろうかというワクワク感がありますね。応援からパワーをもらっていつも以上のパフォーマンスが出せると思うので、今年の夏は本当に楽しみです。選手もみんな、たくさんの人に応援されたいと思っていると思います。僕が現役の頃は甲子園を勝ち上がる度に応援してくれる人が増えて、それが快感でうれしくてものすごく力になりました。甲子園に行けばテレビで全国中継される。やっぱりたくさんの人に応援されるというのは力になりますよね。
選手は悪くない、自分がうぬぼれていた
ー去年の夏の初戦(2回戦)敗退について振り返っていただきたいのですが、その後の心境の変化や教訓などはありますか。
島田 去年のチームは秋春の公式戦で1勝しかできなくて力はなかったですが、正直言うと僕自信が初戦は負けることはないだろうと思っていました。初戦の入りは難しいぞと周りの監督経験者から聞いてはいたのですが、負けるということは全く考えていませんでした。いくら実戦経験が少ないとか練習が不足していると言ったって、勝たせてあげられなかったというのは僕の力不足だったと痛感しています。選手は絶対に悪くないので、本当に申し訳ないと思っています。自分自身も高校野球の監督って難しいなってつくづく思いました。監督をされている方はみなさん大変な苦労をされているんだなって。最初の年に監督に就任していきなりセンバツ甲子園に出場して1勝できてしまったこともあって、多少うぬぼれていたじゃないですけど、自分がプロまで経験して培ってきたことを子どもたちに伝えたら、勝てるんだろうなという思いがもしかしたらあったのかもしれません。最初に上手くいったので、次の代でも僕が伝えたらできるでしょうと同じように指導していました。しかし、去年の代には去年の代に見合った指導をしないといけなかったなと思います。高校生だけど大人の感覚で見てしまったといいますか、言っても出来ないのなら別の選手を使うという考えになっていたかもしれません。一度伝えたら分かるでしょうではなくて、分かるまで根気強く言い続けるということが大事なんだなと感じた1年でした。そう考えたら僕も高校時代、できるまで厳しく言われ続けていましたね。去年の教訓を生かして今年のチームには分かるまで言い続け、出来るまでやらせるように根気強く指導しています。
正直、厳しいゾーン
ー組合せについて所感を伺います。第1シードの常総学院ゾーンにノーシードの強豪校が集まりました。
島田 正直厳しいゾーンになりましたね。でも相手は関係なくどこが来ても勝たなくてはならないですから。春も厳しいなと思っていましたが、緊張感があるゾーンの方が目の前の敵に向かっていけて良いんじゃないですか。
ー最後にこの夏に向けた意気込みをお聞かせ願います。
島田 去年初戦で負けたということがあるので、初戦は選手よりも僕の方が緊張するかもしれませんね。そこは選手達が普段どおりにやってくれると思うので心配はしていません。とにかく去年の先輩の悔しい思いも背負って、今年は相当な覚悟を持って絶対に優勝すると意気込んで一致団結している状態なので、このチームは必ずやってくれると信じています。
ー緊張のお話が出ましたが、プロの試合と今の試合、どちらが緊張しますか。
島田 これはよく質問されるのですが、プレーヤーとしてやっていた方がはるかに楽です。監督の立場の方が緊張しますね。胃が痛くなりますよ。高校野球の監督を長らくやっていらっしゃる方々は、こういうことを毎年繰り返されていてすごいなと心の底からリスペクトします。まだまだ僕みたいな監督になって3年目の若造には想像できない修羅場がたくさんあるのでしょうね。でもこれほどやり甲斐のある仕事はないなと思っています。
ー7年ぶりの頂点に向けてどのような戦いになるのか楽しみにしています。本日はお忙しい中、お時間を取っていただきありがとうございました。
(聞き手・伊達康)
終わり