夏の高校野球県大会が8日開幕した。2019年から始まった県南3強チームの監督インタビューは今年で5回目を迎える。今回も常総学院、土浦日大、霞ケ浦の各監督から熱い話を聞かせてもらった。
1回目は霞ケ浦高校の髙橋祐二監督。霞ケ浦は秋(秋季関東地区高校野球県大会)の準決勝では常磐大高に、春(春季関東地区高校野球県大会)の準決勝では土浦日大に敗れたが、昨夏から3季連続で4強入りを果たしている。プロ注目の木村優人投手を擁してこの夏をいかに戦うのか語ってもらった。
―毎年恒例のインタビューです。今年もよろしくお願いいたします。まずは春の大会の振り返りをお願いします。準々決勝の岩瀬日大戦は2対1とロースコアになりました。
高橋 春は全体的に打てませんでした。ファーストストライクを振りにいけない、どうしても消極的な場面が目立ちましたので、修正に取り組んできました。岩瀬日大戦は木村以外の2番手以降の仕上がりが課題になることが改めて浮き彫りとなりました。打者との戦いではなく、自分との戦いになってはね。心は熱く、頭は冷静にやっていかなくてはなりませんね。
―準決勝の土浦日大戦は0対1とこれまたローゲームになりました。
高橋 打てませんね。木村が粘って最少失点に抑えてくれたんですが、攻め手を欠きました。夏は修正して臨みたいと思います。
木村は3段階くらいギア上がった
―今年のチームについて紹介をお願いします。
高橋 今年はキャプテンの新保玖和を中心としたまとまりのあるチームです。新保が私と同じ方向に向かって進んでくれて、強烈なキャプテンシー(統率力)で引っ張ってくれています。チームのことを最優先に考えてくれているんですが、少し根(こん)を詰めすぎるところがある。そこはバランスを取りながら、たまには引くことも大事だよと言い聞かせていますね。
ピッチャー陣はエースの木村優人が抜きん出ています。木村以外の投手陣の力量を見極めて起用の仕方を考えていきながら、なるべく木村に負担が掛からないように役割分担できればいいなと思っています。
打撃陣もやはり新保と木村が起点になります。ここに俊足の山崎隼人が絡んでくると面白い展開になるでしょうね。良い働きを期待しています。キャッチャーは何枚かいますので、ピッチャーとの相性を見ながら起用することになると思います。
―木村選手はプロ注目投手として名前が上がりますが。
高橋 春は私としても驚くほど木村が成長を見せてくれました。ボールが明らかに強くなったし、3段階くらいギアが上がった感じがします。ただし、これは春だからこそできたことであって、夏の猛暑の中であのピッチングをするのは、いくら木村でも至難の業だと思います。最近メディアでよく取り上げていただいていますが、まだ18歳の高校3年生です。気持ちが浮足立って来ていることが見かけられましたので、そこはギュッと締め直すように、目の前のことに集中して勘違いしないようにと指導していますね。
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