土曜日, 1月 31, 2026
ホームコラムオダギ秀眼鼻について 《写真だいすき》21

眼鼻について 《写真だいすき》21

【コラム・オダギ秀】人を表すには、写真にせよ絵画にせよ、眼鼻の表現が大切だ。眼鼻が見えないと、どんなヤツかわからん。とくに眼が、どんなふうに表現されているかが、とにかく大切。こんな眼付きじゃ犯人みたいだぜ、なんて言われる。

「眼を開けている時に撮ってね」

仏像の場合は、眼の表現、つまり眼の形や造形方法によって、制作意図や時代などが推定されることが多い。多くはその仏像の持つ意味などが表わされる。だがボクが、好きで、しばしば撮影している石仏の場合は、一般の仏像より、何かと困ることがある。石仏は、そのほとんどが、開いているか半眼か、どちらかなのだ。

石仏は、まずほとんどは、仏像制作の専門家である仏師が彫ったものではなく、石屋さん、つまり石塀や庭石、墓石を扱う石切場の石工が彫っているし、頻繁に彫仏の仕事があるわけでもないから、それほど詳しい知識もなければ工法にも大きな差のある技術があるわけでもないことが多い。

いくつかのポイントを寺の僧侶などに教えてもらい、それによって彫ることが多かった。だから、地蔵さまなど、よく注文される仏さまの眼は、教えられたように半眼にする、となる。半眼とは、瞑想(めいそう)している眼で、開いていれば雑念が見え過ぎ、閉じていれば寝てしまったようだから、半眼ということなのだ。細く開いた、半分だけ開いた眼だ。

だから、眠っているようでなく、開いているようでなく撮る。ちゃんとそう彫ってあれば、撮影も難しいことではない。

むかし、「♬今日でお別れね」と歌った眼の細い歌手を撮った時は、「ボクはいつも眼を閉じた時に撮られちゃうの、眼を開けている時に撮ってね」と言われたが、半眼でない、ただ細い眼は、どうしても閉じたような眼になってしまう。だから、思いっきり開けて歌えよ、と思ったが、石仏の場合は、寝てないように、人間臭いギョロリ眼にならぬように撮る。

するとありがた味がきちんと写る。しかも動いていない。だから簡単な撮影と言われそうだが、そういうワケでもない。と言うのは…。

すごい眼を見せるモデルさん

仏像はもちろんだが、人の顔というのは、眼鼻をどう撮るかの表現で、大きく変わる。じつはカメラの位置が数センチ、ほんの5センチぐらい違うだけで、変わってしまう。魅力的にも嫌らしい顔にも撮れるのだ。その狙い通りのドンピシャの位置を見つけるのが大変。だが面白い。楽しい仕事とも言える。一般的には、眼鼻を撮る難しさなんてわからないから、勝手な言葉で評されている。

優れたモデルさんは、もちろん、眼の重要さはよくわかっていて、シャッターを切る瞬間がわかるらしい。今だ、とシャッターを切ろうとすると、その瞬間、それまで何でもなかった眼がキラリと光ったり、狙った眼になるのだ。いい眼だからシャッターなのではなく、シャッターを切ろうとする瞬間、さらにいい眼になるのだ。「だって、シャッター切る瞬間って、わかるわよ」なんて笑っていた。

もっとも、そのことがわからぬカメラマンもいるのだが、すごい眼を見せるモデルさんは、本能なのか、感覚が鋭いのか、はたまた努力なのか、すごいもんだと思う。「は〜い、チーズ」なんて声をかけられて写真を撮ってもらっているうちは、ちゃんとしたモデルにはなれないってことだよ。あなたは?(写真家、日本写真家協会会員、土浦写真家協会会長)

➡NEWSつくばが取材活動を継続するためには皆様のご支援が必要です。NEWSつくばの賛助会員になって活動を支援してください。詳しくはこちら

スポンサー
一誠商事
tlc
sekisho




spot_img

最近のコメント

最新記事

新図書館を検討、陸上競技場着工 つくば市26年度当初予算案

過去2番目の規模 つくば市の五十嵐立青市長は30日、2026年度当初予算案を発表した。一般会計は前年度当初比3.6%減の1227億1000万円、特別会計などを合わせた総額は同1.2%減の1910億3200円で、25年度当初に次いで過去2番目の規模となる。解散総選挙で国の予算は年度内成立が難しい情勢だが、成立を見込んで予算編成した。 主な新規事業として、現行の中央図書館の面積や所蔵資料が自治体規模に見合ってないことから、複合機能をもつ新図書館の整備検討を開始する。26年度は市民ワークショップ開催と新図書館建設基本構想策定委員会設置などに570万円を計上する▽ほかに、ボルダリング、スケートボード、ダンスなどができるアーバンスポーツ施設を整備するための設計費を250万円計上する。 継続事業としては▽上郷高校跡地に計画されている陸上競技場は26年度分として工事費など16億8500万円を計上し、建設工事に着工する。完成は28年度末の予定だ▽廃校となった旧田水山小学校に整備中の芸術文化創造拠点は、工事2年目の26年度分として6億8400万円を計上する。本オープンは27年4月の予定▽つくば駅前の中央公園はリニューアルに向け2300万円を計上し、基本・実施設計を実施する。27年度以降、工事着工する予定だ▽筑波山麓の池田地区に計画している道の駅は290万円を計上し、整備検討委員会の開催などをする。 学校施設では▽児童数増加に伴って香取台小に3階建ての校舎を増築する。増築工事費として26年度に7億2400万円を計上、2カ年で工事を行い、完成は28年4月の予定だ▽吾妻小は老朽化と児童数増に対応するため、現在のグラウンドに4階建ての校舎と体育館を新築し、整備後、既存の校舎と体育館をすべて解体し、グラウンドを整備する。26年度は設計費など1億3400万円を計上。27~29年度の3カ年で建設工事を実施し、30年4月の完成を目指す。30~31年度にさらに解体とグラウンド整備を実施する予定だ▽谷田部小も老朽化と児童数増に対応するため、校舎建て替えのほか、学校体育館と周辺公共施設との複合化を検討する。26年度は基本構想策定などに2200万円を計上する。校舎などの建て替え工事は29~31年度の予定で、32年4月の完成を目指す。 ほかに県内初の新規事業として▽市役所の窓口業務にデジタル庁が推進する「自治体窓口DX SaaS」を構築する(2600万円)。「書かないワンストップ窓口」といわれるシステムで、職員による聞き取りやマイナンバーカードの読み取りにより、申請書の手書きが不要になるという▽来日間もない小中学生を対象に、2カ月間程度、日本語の基礎の学習支援を行う「プレスクール・プレクラス」(2300万円)も県内で初めて開設する。日本語の指導が必要な児童生徒は市内に330人程度おり、そのうち10人程度の利用を想定している▽中高生を対象に、さまざまな活動を支援したり居場所として利用できる「ユースセンター」も県内で初めて開設する(130万円)。 そのほか▽児童発達支援センター整備事業(6億3400万円)では、市役所春日庁舎を改築し、発達に課題のある子どもと保護者への包括的な支援活動の中核施設にする。今年度内に整備工事を終えて、来年4月に開設する▽部活動改革・地域展開推進事業(1億円)は教員の負担軽減を目的に、来年9月までに民間企業や地域団体と連携し部活指導員を確保する。 助成制度としては、新規事業として▽大学受験料・模擬試験料補助金を創設し、ひとり親家庭や低所得子育て世帯の高3の大学受験に対し1人当たり上限5万3000円、模試受験に対し上限8000円、中3の模試受験に対して上限6000円を支援する(128万円)。▽がん治療で外見の悩みを抱えている人の負担を軽減するため、がん患者アピアランスケア支援助成金を創設し、ウィッグや乳房補正具などの購入・レンタル費用の一部を助成する(200万円)。▽不妊治療費助成では、1件当たり4万円を上限に、保険適用外となる不妊治療費用の一部を助成する(1440万円)など。 市税収入は過去最大 一方歳入は、個人・法人市民税などの市税収入は前年度当初比4.5%増の593億3100万円で、過去最大を見込む。市は人口増や賃金上昇によるものと説明する。昨年12月末に廃止されたガソリン税暫定税率については、減収分と同額の3600万円が国から地方特例交付金として補てんされるため「影響はない」とした。

市長賞に羽成純さん 25年度「日本一のれんこんグランプリ」 土浦

消費者から「買いたいレンコン」などに選ばれた土浦市の生産者を表彰する2025年度「日本一のれんこんグランプリ」(土浦市など主催)の表彰式が29日、同市役所で催された。市長賞に羽成純さん、組合長賞に福田信一さん、協議会長賞に倉持亮太さんがそれぞれ選ばれ、安藤真理子市長らから表彰を受けた。 同グランプリは、日本一のレンコン産地である土浦のレンコンの魅力を広く発信することが目的。昨年11月22日に開催された土浦カレーフェステバル会場で投票が行われ、出品された33本の中から、総投票数563票のうち、羽成さんのレンコンは144票、福田さんは86票、倉持さんは38票を獲得した。今年度はさらに、出荷団体のJA水郷つくばやレンコン問屋など流通団体代表者がレンコンの形状などを審査し、糖度計で糖度を測定した上で選定した。 市長賞の羽成さんのレンコンは、全体のバランスと節ごとの大きさがそろっており、糖度が8.4あったことが評価された。組合長賞の福田さんは、バランスの良さと肌の白さが評価された。糖度は8.1だった。協議会長賞の倉持さんは、糖度が8.5と高く、形状とバランスが整っていることなどが評価された。 安藤市長は「レンコン日本一の名前に甘んじることなく、これからももっとPRして消費拡大、品質の向上に一生懸命取り組んでいく。生産者の皆様には引き続きさまざまなご協力をいただきたい。今回も本当に素晴らしいレンコンだった」と話した。 JA水郷つくばの池田正組合長は「日本一のレンコン産地で一番ということは日本一の中の一番だ。レンコンというくくりをつければ、ギネスにも挑戦できると思っている。『世界一のレンコンになる』、そのくらいの夢をもって将来に向けていいものを作ってもらいたい。日本に、そして世界に誇れるものを作ってほしい」と述べた。 市長賞に選ばれた羽成純さん(43)は「大変誇らしいし光栄。本当にいいレンコンを作っている地元の先輩農家はたくさんいる。満足せず、もっと質のいいレンコンを作っていけるように頑張りたい。糖度の高さが評価されたが、柴沼醬油(土浦市)の大豆かすと月の井酒造店(大洗町)の酒かすを肥料にしており、成果があったのかもしれない。手探りだがいろいろなことを試しながらやっていきたい」とし「妻の実家はもともとレンコン農家。良質なレンコンを作れるハス田を残してくれた先祖にも感謝したい。一緒に現場でやってくれている妻にも感謝している」と喜びを語った。 協議会長賞の倉持亮太さん(26)は「本当にうれしく思っている。これからもっと精進していきたい。運営の方や支えてくれている家族に感謝したい」と話した。組合長賞の福田さんは欠席した。 夫婦で二人三脚 霞ケ浦沿いの同市沖宿にある羽成さんのハス田は約1.7ヘクタール。繁忙期は手伝いを頼むが、基本は妻の智美さん(42)と2人でレンコンを作っている。羽成さんは朝5時半から、智美さんは小学生の子どもを学校に送った後、7時半からハス田で作業する。収穫後のレンコンの水洗いなども2人で行っている。 妻の智美さんは「冬の作業は寒いが2人で頑張っている。自宅ではレンコンのさまざまなレシピを楽しんでいる。天ぷらやサラダ、豚汁、カレーにも入れたり、すりおろしてハンバーグに入れたりする」と語る。羽成さんは「今回出品したレンコンは、朝2、3カ所のハス田を回って、悩みつつ、やっぱりこれだというのを持っていた。評価されてよかった」とし「地域を見渡せば若手がいるものの、辞めていく農家さんもいる。作付け面積は今後拡大されるので受け手になれる農家になりたい。今後は規模を拡大して、人も雇えるようになればと考えている」と抱負を語った。(伊藤悦子)

入院中の子供たちに寄り添う ファシリティドッグ導入へ 筑波大病院

来年4月から 入院中の子供たちに寄り添い、前向きな気持ちを引き出す「ファシリティドッグ」を筑波大学附属病院(つくば市天久保、平松祐司病院長)が2027年4月から小児病棟に導入する。国立大学病院としては全国初となる。 平松病院長は「つらい治療に向き合っている子供たちの心の支えとしてファシリティドッグが医療チームに加わってくれれば、子供たちは強い力を発揮して病気を克服してくれると思う」と期待を話す。 ファシリティドッグは、がんや重い病気と闘う子供たちのそばで、治療や検査に付き添ったり、リハビリに参加したり、不安な時に添い寝したり、話し相手になったりする。特別な研修を受けた看護師が犬とペアを組んで子供たちの心のケアをする。 同小児病棟には40床の病床がある。病気と向き合う子供たちにとって、治療や検査に伴う不安や恐怖、痛みは大きなストレスとなっていることから、子供たちが少しでも笑顔で過ごせる時間を増やそうと導入を決めた。 ファシリティドッグの訓練を実施し全国のこども病院などに様々なプログラムを提供している認定NPOシャイン・オン・キッズ(東京都中央区)と協働で取り組む。 導入に向け、地元の関彰商事が支援するほか、3月4日から2200万円を目標にクラウドファンディングによる寄付を募る。さらに寄付による支援を受けながら、犬の訓練や看護師の研修などの準備を進める。導入後は6年以上にわたって継続的な活動を想定している。入院患者には利用料は発生しない。将来的には緩和ケア病棟など一般病徴で大人のケアを行うことも視野に入れているという。 29日はファシリティードッグのミコ(ラブラドールレトリバー、3歳メス)が、同NPOのトレーナーなどと共に実際に小児病棟を訪れ、入院中の子供たちと触れ合うなどした。その後、永田恭介学長、平松病院長らと並んで記者会見席に座り、西尾チヅル副学長のひざにあごを乗せるなどのデモンストレーションを披露した。支援を決めた関彰商事の関正樹社長は「セキショウグループは2018年に創業120周年を迎え、120周年記念事業の一つとして取り組む。全社員で企画の志を共有したい。少しでもお役に立てれば」と話していた。(鈴木宏子)

水戸と筑波の「梅まつり」を比較する《水戸っぽの眼》9

【コラム・沼田誠】今年もまもなく「梅まつり」の季節…と言ったとき、つくば市の皆さんは「筑波山梅まつり」を想起されるでしょうか? それとも「水戸の梅まつり」でしょうか? つくば市の皆さまには申し訳ないのですが、「梅まつり」と言えば、水戸に縁がある私にとっては偕楽園の「水戸の梅まつり」です。年明けに暖かい日もあったことから、偕楽園では梅が咲き始めているとの情報も入ってきました。一方、本サイトの記事「ロウバイが満開 筑波山梅林…」(1月14日掲載)に掲載された写真を見て、「筑波山の梅もなかなかよいかも」と感じました。余談ですが、水戸でロウバイ(蝋梅)と言えば弘道館です。本館前のロウバイが開花したとの情報を得ると、早春の香りを楽しみに弘道館を訪れたものです。ということで、今回は「水戸の梅まつり」と「筑波山梅まつり」を比べてみます。 入込客数:水戸24万、筑波15万 まず、県の観光動態調査の数字(入込客数)を見てみます。「水戸の梅まつり」は2010年までは約100万人で推移していました。ところが、2011年の東北大震災で50万人台に落ち込みました。その後も震災前の水準に戻らなかったところ、コロナ禍でさらに減り、直近では24万人台(2025年24.4万人)で推移しています。 もちろん「入込客数」は推計であり、数え方が変わって実数に近づいた結果、減ったように見える可能性もあります。しかし、外部からのショックで数字が大きく揺れる、という傾向は読み取れます。一方、「筑波山梅まつり」はどうでしょうか。2010年は18万人で、震災の年だった2011年でも12万人を確保しています。そして2019年が19万人。ここがひとつのヤマで、2023年には18万人まで戻り、2024年は15万人でした。「水戸の梅まつり」に比べると、乱高下はしていないが、右肩上がりでもない、「上限が見えやすい催し」だと思います。 無理せず気持ちよく回遊-筑波山 その原因は、たぶん交通です。筑波山の梅は、ロープウェイ駅などの限られた入口から歩き出して見に行くようになっています。このため、駐車場やロープウェイなどの収容力や渋滞、公共交通の便といった物理的限界が、そのまま来訪の上限になっているのではないかと思います。 上にリンクを張ったロウバイ記事の「駐車場満杯」も、その「入り口の細さ」を象徴しているように見えます。このことを踏まえれば、無理に増やすより、気持ちよく回遊してもらう―そういうイベント設計思想の方がふさわしいのかもしれません。 歴史を借景に楽しむ-水戸偕楽園 一方、「水戸の梅まつり」は、「地元で自然発生した催し」ではなく、鉄道開通後に始まった観梅列車の運行(当時のインフルエンサーだった新聞記事とセット)と深く結びつきながら、観光のしくみとして育ってきた経緯があります。偕楽園が「藩主の庭園」から観光資源へと変わっていく過程で、鉄道側の観光サービスが重要だったわけです。つまり、偕楽園は「歴史を借景に梅を見る」場所、筑波山は「地形を楽しみながら梅に会いに行く」場所。同じ早春の花でも、味わいが別ジャンルなのです。その違いを感じるために、今早春は、どちらの「梅まつり」にも行ってみませんか?(元水戸市みとの魅力発信課長)