つくば市の五十嵐立青市長は16日の定例記者会見で、市民が利用する市役所窓口などの受付時間と代表電話の受付時間を10月2日から、朝15分、夕方45分の計60分減らし、午前8時45分から午後4時30分までにすると発表した。市によると市役所窓口の受付時間を減らすのは県内で初めてという。
住民票などを交付する市民窓口のほか、市役所本庁舎の各課すべてで市民の受付時間を減らす。ほかに本庁舎隣のコミュニティー棟、合併前の旧町村ごとに計6カ所ある窓口センター、17カ所ある地域交流センター、3カ所ある保健センターの窓口も10月2日から一斉に受付時間を削減する。
現在の受付時間は午前8時30分から午後5時15分までで、職員の勤務時間と同じ。五十嵐市長によると、現在は残業を前提とした労働形態であり、時間外勤務が恒常的になっていることから「(市職員が)あまりに忙し過ぎて、考える時間もなく、ミスを振り返る時間もない。より良いサービスに気付いたとしても話し合う時間もない」などから「法的に適正化していくと共に、中期的に市民サービスの向上につなげる」としている。
市人事課の試算によると、窓口受付時間が職員の勤務時間と同じ午後5時15分までとなっていることによる職員の残業時間は、年間約5000時間、残業代は約1000万円と想定されるという。一方、残業代を削減するために時間の変更を行うのではなく、課題の検討や改善のための時間を確保することが目的だとしている。
時間帯別の市民の利用状況は、午前9時から午後4時までの市民窓口の利用者が全体の85%という。10月から利用できなくなる午前8時30分から8時45分または午後4時30分から5時15分に市民窓口を利用している市民は現時点で1割ほどと推定される。市は、住民票交付などのサービスについては、マイナンバーカードを利用したコンビニ交付や市役所内のマルチコピー機での交付、オンライン申請などを一層推進していくとしている。
ただし10月2日以降も▽市民窓口延長は、第2と第4木曜日午後8時まで本庁舎で現行通り実施する▽毎週土曜の本庁舎の休日窓口は午前8時45分から午後4時30分までに変更になる▽地域交流センターの貸し会議室などは従来通り午後10時まで利用できる▽市役所の代表電話は受付時間以外は音声ガイダンスでの案内に切り替わる▽窓口センター、交流センター、保健センターの電話の受付時間は削減せず現在と同じ午前8時30分から午後5時15分まで受け付ける▽本庁舎の開庁時間は現在の同じ午前8時から午後6時まで。