AI(人工知能)について知り、作って使ってみようという授業が12日、茗渓学園中学校(つくば市稲荷前、宮﨑淳校長)で開かれた。今日さまざまな用途、活動の場面で使われているAI技術について学んだ後、AI活用の手法を実体験する2時間の授業。データを数多く収集して、推定と判断の精度をあげていく機械学習の実習などに挑んだ。
出前授業「AI教室」は、ソフトバンク(本社・東京)がCSR(企業の社会的責任)事業として全国各地で開いている。同校では「これから本格的なAI時代を生きることになる低学年(中学生)向けに特に体験を積ませたい」(内窪誠教頭)と中学2年生対象に受け入れ、7月にかけ6クラスでの実施を予定した。
今回はCSR本部の五十嵐祐二参与が講師を務め、同社がスマート家電やドローンサービス、医療現場などで活用しているAIがどのような考えで、どのように使われているかを紹介。「インターネットもかつて一部で使われ出した時代を経て、今あらゆる場所で使われるようになった。AIもその段階を踏んでいて、今は一部でも近い将来当たり前の時代がやってくる」と話した。
AIの普及により将来なくなる仕事、新たに生まれてくる仕事というテーマは中学生の関心を呼んだ様子で、人とAIとの働き方スタイルの組み合わせに質問が出るなどした。同社ではすでに新卒者の採用業務の一部にAIが取り入れられているという。
授業の2時間目は「識別系AIを作ってみよう」。今回は動画撮影により「教室に入るときにマスクをしているかどうか」をチェックするためのAI構築に挑んだ。生徒個々がマスクをした顔画像としていない顔画像を、アングルを変えるなどして撮影、それらのデータから解析の精度を上げていく。
学校ではすでにチャットGPT(対話型で回答を引き出すAIアプリ)が普及しだすなど、生徒らはAIに慣れ親しんだ環境にある。マスクの有無ばかりでなく、変顔で自撮りした画像を取り込むなど、自在に拡張を楽しむ授業風景となった。
授業を受けた片桐琉依さんは「AIって正直、いいイメージなかったけど、医療関係などでいい方向に進んでいければいいなと思った」、ドゥステ・ラナさんは「AIは私たちの仕事を奪うものじゃなく、仕事に生かせるものなんだと知った。大事に使っていきたいと思った」とそれぞれ感想を述べた。