【鈴木萬里子】第33回香墨会展が土浦市大和町の土浦市民ギャラリー(アルカス土浦1階)で開かれている。かなだけの書道会は県内唯一で、土浦・つくばを始め多くの来場者が訪れている。
昨年まで土浦市中央の亀城プラザで開いていたが、今回は会場を昨年11月にオープンしたアルカス土浦市民ギャラリーに移しての開催となった。新しい会場の明るさが作品に反映して、どの書もあでやかな雰囲気が漂っている。
会場の入り口正面に大屏風(びょうぶ)が展示されて来場者の目を引いている。会員らが半懐紙(かいし)に和歌をちらし書きし、色合いなどをあんばいして仕立てた。それぞれの個性が一つにまとまり見事な作品に仕上がっている。ほかに屏風、掛け軸、巻子(かんす)など多くの作品が展示されている。市内の70代女性は「すばらしいの一言。かな書は一見優し気ですが、どの作品にも力強さが現れている」と話し、作品一つひとつをじっくり観賞していた。

会場奥の一室には香墨会を主宰する平田洋香さんの「米寿回顧展」が開かれている。平田さんの45年間にわたる書が展示され、変遷を垣間見る機会となっている。平田さんは「努力、精進して今日がある。45年間で字は時代の流れに沿った字となり、良い雰囲気を醸し出します」などと話した。
潮来市から来場した飯田亮子さんは「かなだけの書展は珍しいので毎年楽しみ。平田先生の書は線のすばらしさ、みやびだが力強い美しさがあって、毎回感動します」と話していた。
◆会期は18日(日)まで、午前10時~午後6時(最終日は午後3時)、入場無料。問い合わせは029・821・0428(書道研究香墨会)。