金曜日, 10月 23, 2026
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トレンド Well-being《令和楽学ラボ》23

【コラム・川上美智子】私が勤務する「みらいのもり保育園」の母体は、関彰商事です。現在、「Well-being(ウエルビーイング)カンパニー」を目指し、社内でも地域でも取組みを進めています。例えば、高齢者のWell-being向上のため、筑波大学と連携して運動指導(機能訓練)とe-スポーツを併用する実証実験を行っています。社内においては、社員のWell-being調査やWell-beingプログラムが始まりました。

また、先日、日立製作所の東原敏昭会長の講演を拝聴する機会がありました。グローバル社会で活躍する企業として、SDGs(持続可能な開発目標)などの社会課題を解決し、人々の幸せや「Quality of life(クオリティー・オブ・ライフ、生活の質)」の向上を目指し、人間中心とWell-beingの2つを掲げ、イノベーションを通じて世界中の人々が望む良いこと、「good(グッド)」の実現に挑戦しているということでした。

いずれの企業も、事業と社会貢献の目標にWell-beingを掲げていて、私にとっては実に懐かしい言葉との出会いでした。今から四半世紀前(1998年)、茨城キリスト教大学が、まだ文学部のみの単科大学であったときの話になります。

高学歴化が進み、女子の進学先が短期大学から4年制大学へとシフトする時代を迎え、学内では短期大学を4年制大学に改組するプロジェクトを立ち上げました。新学部の母体となったのが大学のキリスト教学科と短期大学の生活文化学科で、新学部設置のため奔走する3年間となりました。

その結果、創設者ローガン・ファックスの意思を継ぎ、福祉、心理、食物の専門分野が軸となる「人間福祉学科」と「食物健康科学科」の2学科構成の「生活科学部」を文部科学省(当時、文部省)に設置申請することになりました。

生涯使える資格の付与に重点を置き、人間福祉学科では社会福祉士受験資格、精神保健福祉士、社会福祉主事任用資格、認定心理士、中高教諭免許(社会・公民)、社会教育主事、学芸員、食物健康科学科では管理栄養士受験資格、栄養士、中高教諭免許(家庭、後に栄養教諭も)、食品衛生監視員、食品衛生管理者資格、社会福祉士受験資格の多岐にわたる資格が取得できる学科が2000年に誕生しました。

人間の生と環境を取り戻す

その時の申請書のキーワードがWell-beingでした。設置の趣旨は以下のようになりました。長文ですが、引用しておきます。

「20世紀の科学技術の発展は、豊富な生活物資や快適、かつ便利な生活環境をもたらし、人間の生活様式を大きく変えました。他方において人間は繁栄の故に生じた環境破壊の危機、自ら生み出した化学物質による生命や健康の危機、精神や心の疲弊といった、健やかな生を脅かす今日的課題も抱え込みました。これらの問題群を冷静に見据え、その原因と結果を分析し、本来の豊かであるべき人間の生と環境を取り戻すこと、それが現在、人間にとって最優先の課題となっています。即ち、人間の「ウエルビーイング(良き生)」の回復が21世紀の人類の課題であり、そのための人材養成こそが急務なのです」

Society(ソサエティー)5.0が実現する2050年には、人間の仕事がAIやロボットに全て置き換えられると言われています。そのような危惧から、今、Well-beingが見直されているのかもしれません。せめて、Well-beingに関わる部分は人間主体であり続けてほしいと思います。(みらいのもり保育園長、茨城キリスト教大学名誉教授)

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住民説明会を100メートル以内に限定など課題も つくば市大穂の元公有地に、外資系不動産開発会社グッドマンジャパンが国内最大級のデータセンター建設を計画している問題で、つくば市は22日、「データセンターの建設及び運営に関する地域共生ガイドライン」を策定したと発表した。 排熱や騒音、水利用などについて、周辺住民から環境や生活への影響を懸念する声が出ている中、周辺環境に配慮し地域住民の理解を得ながら事業を進められるよう、市が事業者に求める事項を示した。策定は21日付。東京都、江東区、日本データセンター協会のガイドラインを参考にした。市は今後、同ガイドライン基づき、市と事業者による協定締結を目指すとしている。 一方、指針であるため、法的強制力はない。さらに桁違いの電力使用や排熱など「新しい公害」と言われる大規模データセンターの建設に対し、住民説明会の対象を敷地境界から概ね100メートル以内の居住者と土地所有者に限定している。周辺環境への影響については数値目標などは示さず「影響を最小限にとどめる」「法令を遵守する」という表現にとどめるなど、周辺住民の不安に応えられるのか、課題もある。策定にあたって市は、周辺住民へのヒヤリングなどは実施していない。 オープンハウス型説明会を1週間以上 住民への情報提供について同ガイドラインは、敷地境界から100メートルより外側に住む住民への説明については、「オープンハウス型説明会を1週間以上開催」するとしている。開催期間中はだれでも自由な時間に来場し、展示してあるパネルや会場に置いてある資料を見て回りながら、スタッフに1対1で質問する説明方法だ。住民説明会の開催を100メートル以内と限定した理由について市は、同市の開発行為の手引きや江東区のガイドラインを参考にしたとしている。 地域住民が最も懸念する周辺環境への影響に対しては▽排熱に伴う周辺環境や住民生活に及ぼす影響を最小限にとどめるため、排気設備の設置位置や排熱の排出方法に工夫を施すなどの対策を講じる▽騒音・振動対策は、法令基準を遵守し、周辺環境への騒音や振動を最小限に抑える▽排煙については、非常用発電機は大気汚染防止法の排出基準の適用外だが、基準を遵守する▽排水は、基準を遵守し、薬品等が河川や地下水に漏えいしないよう適切な対策を講じるーなどとしている。 ほかに▽電力・エネルギー対策として、原則として100%再生可能エネルギーを利用し、市内で発電されたエネルギーを優先的に調達するための対策を講じる▽研究機関と連携し、例として、環境影響評価やモニタリングなどについて研究機関の協力を得て課題解決を図る、などとしている。(鈴木宏子)

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米価格の高騰と反落を語る JA水郷つくばの油原組合長【キーパーソン】

1年前は米の小売価格が高騰し、店頭に並ぶ標準米の5キロ入りが4000円台半ばになった。ところが今年は反落し、最近では3000円以下で推移している。消費者にとって「昨年は困惑、今年は歓迎」の構図だが、日本人の主食が1年の間に1袋1500円も動くのは尋常でない。そこで、4カ月前にJA水郷つくば(本部土浦市小岩田西)の代表理事組合長に就任した油原正明さんに、生産者の立場から米の価格問題を語ってもらった。今年の急落の原因をつくった農林行政に対する苦言はかなり厳しい。 咋年米が残り新米が倉庫に入らず ―今年産米の価格が下落しているが、その現状と背景は? 「最近、商社系の米集荷業者が撤退あるいは廃業しているとの記事を目にした。事実、高値で買い集めた2025年産米の在庫が重荷になり、事業撤退や廃業に追い込まれた業者も少なくない。仕事を続けている集荷業者も、26年産新米の集荷に二の足を踏み、今年は農家が生産した新米が行き場を失っている状態だ。 JAは予約契約を結んでいる稲作農家の米は例年通り集荷しているものの、価格交渉は厳しく、苦戦している。消費者にとって価格が安いことはうれしいと思うが、今後の稲作農家の経営を考えると頭が痛い。 価格が高騰した昨年は、政府から『JAもリスクを取って買い取りなさい』との指導があった。昨年は集荷業者との高値買い取り競争もあり、1俵(60キロ)3万5000円まで高騰したが、今年は1俵2万円以下でも、需要先に売るのが難しい状態だ。咋年産米が倉庫に山積みになり、今年産の新米が倉庫に入らないといった事態も発生している。 価格上下の責任は、米の需給を見誤り、政府備蓄米を大量に放出した政府にある。当時の小泉農相は『米をジャブジャブにする』と発言し、備蓄米の追加放出を断行した。こうした政策のしわ寄せが、今、生産農家にきている。生産者が安心して生産ができ、消費者は安定して購入できる―政府はそういった価格体系に持っていかねばならない」 生産者と消費者が納得できる農政を ―米価の安定、価格の平準化に向け、どうしたらよいか? 「JAは農家組合員で構成される団体だから、当然、生産者米価を意識している。ここ数年の資材高騰で、今後も農業経営が継続できるか、米農家は心配している。肥料や農薬など原料を海外に依存しているものが多く、中東情勢や米大統領の行動がもたらす悪影響に一喜一憂している。 田んぼ1~3ヘクタールを耕作する農家の1俵当たり生産費は2万535円と、公益社団法人 米穀安定供給確保支援機構は先に発表している。JAは1俵2万円台の価格で農家から買い上げ、消費者に届けたいと考えている。しかし、咋年産の売れない在庫米が多く残っており、今年の価格はJAが目標とするレベルになっていない。 昨年、当時の小泉農相が『米の適性価格は消費者の購入価格だ』と発言したが、これには頭をガーンと叩かれたような思いだった。消費者だけでなく、生産者も納得がいく―そういった落としどころを探るのが政府の役割ではないか。国の安全保障が大切なように、国は主食である米の安定生産・供給、つまり食料安保も図らなければならない」 【ゆはら・まさあき】1981年、東京農業大学卒、茨城県経済連(現JA全農)に入る。2016年、水戸中央青果(株)常務。2020年、JA水郷つくば常務理事。同代表理事専務を経て、2026年6月から代表理事組合長(前組合長の池田正さんはJAグループ茨城5連会長に就任)。高校野球、プロ野球、米大リーグのファン。1958年、龍ケ崎市の農家に生まれ、現在も同市在住。 【インタビューを終えて】昨年のトンデモ米価は、商社系の集荷会社が米は不足すると読んで買い集め、その動きが流通経路に広がり形成されたと聞く。つまり、流通経路で起きた経済事件だった。原油由来のエネルギーや製品素材、米のような価格は流布情報に影響される。政府備蓄米操作は価格平準化の一策だが、うまく運用しないと需給バランスを崩す。消費者物価に連動するぐらいにコントロールする賢さが必要だろう。(坂本栄)