つくばエクスプレス(TX)を運行する首都圏新都市鉄道(柚木浩一社長、東京都千代田区)は29日、2022年度(22年4月-23年3月)の営業実績を発表した。コロナ禍で落ち込んだ乗客人員は一定程度回復し、営業利益、経常利益、当期純利益いずれも黒字を計上した。黒字は19年度以来3年ぶり。ただしコロナ前の19年度のレベルまでは回復しなかった。
22年度の1日当たりの平均乗客人員は前年度比14.3%増の約34万9000人と一定程度回復した。一方、コロナ禍前の19年度の約39万5000人に比べ12%減にとどまった。
決算は、運賃収入など本業で稼いだ営業収益は前年度比17.3%増の約408億6800万円となった。ただし19年度と比べると12.6%減の水準にとどまった。本業にかかった経費である営業費は、燃料費単価の上昇により動力・水道光熱費が約11億2100万円増加したが、減価償却費が約10億4200万円減少し、同比1%減の約366億200万円となった。
この結果、本業で稼いだ営業利益は約42億6500万円の黒字、通常業務で得た経常利益は約19億5900万円の黒字、当期純利益は約21億4100万円といずれも黒字となった。前年の21年度はいずれも赤字で、営業利益が約21億7900万円の損失、経常利益は約43億2300万円の損失、当期純利益は約43億3100万円の損失だった。
コロナ禍で20年度と21年度は2年連続損失を計上し、22年度当初の残高は約5億9800万円の赤字だったのに対し、22年度は当期純利益が約21億4100万円になったことから、利益剰余金残高は約15億4300万円となった。