金曜日, 2月 6, 2026
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TX県内延伸先は土浦方面 第三者委が知事に提言

接続は土浦駅が優位

つくばエクスプレス(TX)県内延伸先の絞り込みについて検討してきた県TX県内延伸第三者委員会(委員長・岡本直久筑波大社会工学域教授)は31日、第4回委員会を開き、効果と費用のバランスなどから延伸先を土浦方面とする提言をまとめ、同日、岡本委員長が大井川和彦知事に提言書を手渡した。

併せてTXつくば駅からJR常磐線に接続する駅について、土浦駅か神立駅かを検討し、需要予測や採算性などから、土浦駅に接続する方が優位性が認められるとした。

コスト最小も事業費1400億円

第三者委は昨年12月から計4回の会合を開き、新たな人の流れの創出、県全体の発展可能性、実現可能性など5つの判断基準を元に、土浦、茨城空港、水戸、筑波山の4つの方面から1方面への絞り込みを検討してきた。

まず筑波山方面は、つくばと水戸の交流拡大やJR常磐線の事故や災害時などの代理機能に寄与するとは言えず効果は限定的だとして退けた。水戸方面は影響が極めて大きいが、常磐線経由であってもつくばと水戸の交流拡大に一定の効果が得られるとし、土浦方面で接続されれば茨城空港方面や水戸方面への延伸に期待される効果が一定程度得られるとした。茨城空港方面は各自治体からの要望も多く将来性は考慮すべきだが、期待される将来の姿と現況とのギャップが大きく実現可能性があるとは言い切れないとした。

その上で土浦方面について、常磐線への接続が直線距離で8.4キロと最短でコストも最小となり、特急も停車するなどから、土浦方面以外での接続は現実的ではないとした。

第三者委はさらに接続駅についても土浦駅か神立駅かを検討し、土浦駅は神立駅に比べて駅前の市街地が発達し難工事が想定され、概算事業費は土浦駅よりも神立駅の方が低い一方、採算性や費用対効果は土浦駅の方が高いとし、土浦駅に接続する方が実現可能性は高いとした。

県は同日、土浦方面の概算事業費や需要予測を明らかにし、事業費は約1400億円、つくば駅-土浦駅間の1日当たりの乗車人数は約8600人で、建設コストを除き年間3億円の赤字が出ると予測されるとした。鉄道事業の採算性を評価する指標の一つで、1以上が望ましいとされる費用便益比は0.6にとどまり、1を上回るためには11万人規模の沿線開発が必要だとする見通しが示された。

1400億円の算出根拠としたルートについては、つくば駅から土浦駅方面に向けて、台地部は地下、その後地上に出て桜川をまたぎ南側から土浦駅に入るルートで算出したという。

31日開かれた第4回TX県内延伸第三者委員会であいさつする委員長の岡本筑波大教授(中央奥)

東京延伸などとパッケージで働き掛けを

第三者委員会の提言はさらに、実現に向けた課題についても踏み込んだ。土浦方面に延伸しても費用便益比は1.0を下回り、事業採算性も赤字が見込まれるとして、従来通りの沿線開発にとどまらず、さらなる需要増加と費用削減の方策を検討する必要があるとした。国の交通政策審議会の答申にも位置付けられているTX東京延伸や都心部・臨海地下鉄構想などの動向に留意し、一体的なパッケージとして国などに働き掛けていく必要があるとした。

提言を受け取った大井川和彦知事は「延伸実現による県内経済の発展、社会的な利便性の向上などさまざまなメリットはつくばの発展をみても実証されている。提言をしっかり受け止めて、課題についても、提言を踏まえた形で一歩一歩克服していきたい。方面を最終決定した上で国に対してもアプローチしていきたい」と話した。

第三者委の岡本委員長は「費用対効果の数字(費用便益比)が基準に達しておらず、実現に向けてはさらなる公共交通志向の生活スタイルが浸透していく必要がある」とし、将来、茨城空港方面や水戸方面についても改めて議論すべきだとした。

提言を受けて安藤真理子土浦市長は「TXの土浦延伸は長年にわたる私たちの悲願。正式決定はまだ先だが、私たちの熱い思いが実を結んだもので大変喜ばしい。土浦延伸は今やっとスタートラインに立ったところ。今後も茨城県を始め、各関係機関との十分な協力・連携を図ってまいりたい」などとするコメントを発表した。

6月目途に決定

県は今後、提言についてパブリックコメントを実施し、県民の意見を聞いた上で、6月を目途に方面を決定する。県はさらに2023年度、当初予算に2600万円を計上し、延伸ルートや事業の枠組みなどを検討する。土浦市は、沿線を中心に土地開発が活発化すると見込まれるなどから、330万円を計上し、効果を最大限に発揮させるため様々な波及効果を検討、調査する。(鈴木宏子)

【TX県内延伸をめぐるこれまでの動き】
▽2017年8月 知事選で橋本昌前知事と大井川和彦現知事が共に公約に県内延伸を掲げる
▽2017年12月 初当選した大井川知事が「新しい茨城づくり政策ビジョン」に「TXの県内延伸に向け検討を進める」と明記
▽2018年5月 TXをつくば駅から茨城空港(小美玉市)まで延伸しようと、つくば、土浦、かすみがうら、石岡、小美玉、鉾田、行方7市の市議会議長がTX茨城空港延伸議会期成同盟会を設立
▽2018年11月 県総合計画「新しい茨城への挑戦」に2050年頃の将来像として、TX延伸ルートの一つに〝茨城空港ルートを描く
▽2022年2月 県が22年度当初予算にTX県内延伸の調査費を初めて盛り込み、22年度内に①筑波山方面②水戸方面③茨城空港方面④土浦駅方面-の4方面案の中から1本に絞り込む方針を掲げる
▽2022年12月 県がTX県内延伸第三者委員会を設置

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ふるさとのない時代《くずかごの唄》154

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消費期限切れ食品を冷凍自販機で販売 つくばまちなかデザイン

保健所が販売停止を指導 つくば市のまちづくり会社「つくばまちなかデザイン」(つくば市吾妻、内山博文社長)が設置、管理する冷凍食品自動販売機で、1月9日から14日までの間、消費期限切れの食品が販売されていたことが分かった。つくば保健所の指導を受けた同社は、該当食品の販売を17日から停止し、現在までに同自販機による全食品の販売を停止している。 同社は購入者に対し返金対応を行うとしているが、同社による事態の告知は自販機への貼り紙と、冷凍食品製造事業者を含む飲食店経営者による有志グループ「旨がっぺTSUKUBA(つくば)」のインスタグラムとフェイスブックなどに限られ、つくば市が出資する第3セクターとしての説明責任が問われる。 販売が停止された自販機は、つくば駅前のつくばセンター広場ペデストリアンデッキ上に設置されている。同社がSNSと自販機に掲示した「お知らせ」によると、販売された消費期限切れの食品は「8大アレルゲンフリー 米粉の焼き菓子おまかせ3点セット」。1月9日、12日、14日の3日間に計4点が購入されていたことが確認されている。消費期限は、購入された時で最大で1週間が過ぎていた。その他に、消費期限が最短で1日以内だった1月1日と6日に購入された2点についても返金するとしている。 コロナ禍発 同自販機が設置されたのは2023年。つくばまちなかデザインが、市内などの飲食店経営者などによる有志グループ「旨がっぺTSUKUBA」とともに立ち上げた実行委員会のプロジェクトとして設置した。同グループは、コロナ禍による外出自粛が呼び掛けられた2020年に、県内飲食店のテイクアウト情報をフェイスブックで発信していた活動を母体としている。冷凍自販機設置に際して同実行委は、PR費用などに充てるとしてクラウドファンディングを実施し、46人の支援者から56万9590円を集めた。 告知は貼り紙と飲食店グループのSNSのみ 消費期限切れ食品の販売が発覚したのは1月17日。まちなかデザインは同日、「旨がっぺTSUKUBA」のインスタグラムとフェイスブックに掲載した同社名義の「消費期限切れ商品の販売に関するお詫びとお知らせ」で、問題が起きた経緯について「弊社による商品管理不足とコミュニケーションの不調」によるなどと説明し、返金対応を行うとした。同時に、自販機に貼り紙を貼り、購入者に連絡を呼び掛けている。一方で、食品の自販機の設置者であり、商品の管理責任を負うまちなかデザイン自身の公式ホームページや、会社のSNSアカウントでは、2月2日時点で、消費者に対する説明や購入者への呼び掛けは行われていない。 社長「大きな問題は起きてない」 取材に対して同社の内山社長は、今回の経緯について、「旨がっぺTSUKUBA」のSNSに公表した文書を念頭に、「あそこに書いてあることが全て」とし、「体調が悪くなったなど、特段、消費者から問い合わせもなく、大きな問題が起きているということはない。問題等があれば、しっかり発表する」と述べ、問題発生に関する詳細な経緯の説明を避けた。 また、市民からの疑問と不安の声を受けて取材を始めたことを伝えると、「『市民の方から』と言えば、なんでも話さなければいけないのか。その方から直接問い合わせをいただければ、私どもも真摯(しんし)に対応する」と述べた。今後については「保健所の指導を受けながら、誰の責任で、どう行うべきか考えていきたい。再開については、はっきりした段階でお伝えしたい」とした。 複数業務兼ね管理行き届かず つくば保健所によると、保健所が事態を把握したのは、問題が発覚してから2日後の19日。問題となった冷凍自販機に食品を納入している業者からの通報がきっかけだった。この時点で該当食品の販売は停止されていたが、まちなかデザインから保健所への連絡はなかった。そのため保健所は同日、同社に電話連絡し、同社が保健所を訪問。保健所は食品衛生法に基づき、施設の衛生管理状況や取扱者の衛生教育などを評価する「食品衛生監視指導表」を交付し、事態改善に向けた指導を同社に対して行っている。 同保健所は「自販機の設置者であるつくばまちなかデザインが、納入された商品の管理と自販機への補充を行ってきた」と、設置だけでなく、商品管理もまちなかデザインが担っていたとした上で、問題が起きた経緯については「自販機販売の担当者が、他の複数業務を兼ねていた。人手不足の中で、商品管理が行き届かず、期限切れの商品が販売された」と原因や背景を分析する。 今後、まちなかデザインから提出される改善案を見た上で、改善措置が図られたと判断した段階で、販売再開が可能になるとしている。 今回の「消費期限切れ」について保健所は「食品表示法により、健康被害の恐れから消費期限が切れた商品を販売することはできない。期限が切れた食品は、もう食べられない状態」にあるとし、厳格な管理が必要との認識を示した。一方で、今回販売されたのが冷凍食品であることから重大な健康被害に直結しにくいとの見方を示し、より期限に猶予期間のある「賞味期限」表示が適切だった可能性にも言及した。 市がどう考えているか知りたい  今回販売された焼き菓子をこれまでたびたび購入してきたという、ブックカフェ「本と喫茶サッフォー」(同市天久保)を経営する山田亜紀子さんは「丁寧に作られていて、安心して食べられるお菓子。美味しくて、好きで食べていた」と話し、自身も食品販売に携わる立場から「食品管理は食中毒を出せば営業できなくなり、経営に直結する問題。一番気を使う部分だ」と指摘する。 さらに「自販機は市民以外も含め誰でも購入できる場所にある。本来、安全を最優先しなければならないはずなのに、食べ物をずさんに扱っている印象を受ける」と不安を口にした。さらに「こうした会社に市が税金を出資している。市としてどう考えているのか知りたい」と話した。 市と会社に説明責任ある これまで市議会でたびたび同社の経営状況や将来負担などについて質問してきた山中真弓市議は「市は、まちなかデザインに6000万円を出資し、指定管理者に指定して、自販機が設置されている場所を含むつくばセンター広場の管理を任せている。市民の税金が投入されている以上、同社は市民に対して問題を説明する責任がある」と指摘する。 その上で、「自販機が設置されている場所は市の土地であり、市職員が同社の取締役に入っている。市が無関係とは言えない」とし、「市にも、市民に対して説明する責任がある。また、まちなかデザインが食品を扱うノウハウがあるのか、確認する必要がある」と述べた。 市は保健所に委ねる姿勢 一方、つくばまちなかデザインを担当する同市学園地区市街地振興課は今回の件について「(まちなかデザインは)保健所の指導に従ってもらいたい」との認識を示すにとどまっている。(柴田大輔)

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