県西の桜川市を水源とし、つくば市や土浦市などの平野部を通って霞ケ浦に流入する桜川。流入する56河川の中で最大規模の一級河川だ。上流の磯部稲村神社(桜川市)付近は古くから桜の名所として名をはせ、桜川は歌枕や文学作品の舞台ともなってきた。
桜川に漁業協同組合がある。土浦市との境界にあるつくば市松塚に拠点を置き、組合員は107人、平均年齢は約80歳。漁協は桜川の生産力の増進を図ることが役割で、事業内容はフナの稚魚やワカサギの卵の放流、河川の清掃、河床耕耘(こううん)といった漁場の整備、特定外来魚の駆除など多岐にわたる。
幼い頃から桜川で遊び、桜川を見つめてきた漁協組合長、鈴木清次さん(80)は、この60年ほどで桜川の環境が大きく変わってしまったと話す。桜川漁協の活動を追いながら、桜川の置かれている現状を取材する。
1時間で2トントラック1台分に
3月上旬、漁協の組合員6人とつくば市水質浄化対策推進協議会(会長・鈴木清次組合長)の会員12人の計18人と市職員2人が桜川沿いの清掃活動を実施した。朝8時50分、参加者が同市栗原の桜川沿いに集合すると鈴木さんがあいさつ、掃除の工程についても説明し、市職員が用意した軍手やごみ袋を参加者に配布した。参加者たちはそれぞれ軽トラックやワゴン車など数台に分かれて乗り込み、約1時間、桜川沿いを走りながら、ごみが不法投棄された地点を巡って拾い、トラックに積み込んだ。
桜川沿いの数カ所には、空き缶やびん、ペットボトル、ビニール袋、衣類、おむつなどの生活ごみ、テレビなどの粗大ごみや金属ごみが投棄されていた。バッテリーや機械部品のようなものもある。比較的最近捨てられたと思われるもの、何層にも積み重なって埋もれているものも掘り起こして回収する。「こんなものも捨ててあるよ」、「まだ埋まっている」。時間内に全部は回収しきれず、諦めたごみもあったが、それでも集められたごみは2トントラック1台分ほどになった。

清掃活動に毎年参加している女性は「前はごみがもっと多くひどかったが、清掃活動を続けて、これでもだんだんきれいになってきた」と話す。清掃活動は、霞ケ浦問題協議会(会長・安藤真理子土浦市長)が実施する「霞ケ浦・北浦地域清掃大作戦」の実施日に合わせて毎年、年1回行われている。
「多くの人に来てもらいたい」
清掃活動以外に桜川では、漁協に所属する3人の河川巡視員が月2回見回り、不法投棄がされていないか、川が適切に利用されているかなどを監視している。ほかにも組合員が自発的に見回りを行っている。夫が巡視員をしている女性は「ごみだけでなく、川辺に子猫が5匹捨てられていることもあり驚いた」と話す。
桜川の管轄である県土浦土木事務所によると、巡視員から連絡があった不法投棄は、昨年度15件、今年度は7件。例年15件ほどだが、毎年不法投棄がされる箇所には今年度から看板を設置する対策を行い、効果が表れているという。
組合長の鈴木さんは、大作戦以外の日も20年以上、清掃活動を地道に続けてきた。「川に捨ててもいいと思っている人がいて、トラックで持って来て捨てている。現場を見たら警察に通報する。意識を変えてもらわなければならない。もっときれいにして、多くの人に桜川に来てもらいたいと思っている」と鈴木さんはいう。(田中めぐみ)
随時掲載