ホテルの中だけでなく、地域の魅力を知ってもらおうと、つくば駅前のホテル日航つくば(つくば市吾妻)が新規プロジェクト「つくたび」バスツアーを展開している。
ホテルの資源や周辺の地域資源を見直し、県南部の中心地にあるという立地を生かした新しい事業で、主旨に賛同した地域限定旅行業者「ラール・アワー」(同市大角豆)との協業で、昨年スタートした。
現在、第2弾として、筑波山梅まつりとつくばの地酒を楽しめるランチ付きの日帰りバスツアーを企画し、予約を受け付け中だ。開催日は3月8日。
バスツアーでは筑波山梅林を散策後、市内の酒蔵「浦里酒造店」(同市吉沼)で出来たての新酒や酒かすで作った甘酒などを味わう。いばらき地酒ソムリエS級の資格を持つ同ホテルのスタッフ林智一さんが同行し、魅力を解説しサポートする。ホテルに戻った後はホテル内のレストラン「日本料理つくば山水亭別亭」で同酒造の酒かすを使ったツアー限定のメニューを味わう。新しい日本酒の楽しみ方として、県産のドライフルーツ3種を使った「日本酒サングリア」を楽しむこともできる。参加費は1人1万9500円(税込み)。
林さんは主要銘柄「霧筑波」を造る浦里酒造について「つくばで開催されたG7科学技術大臣会合で提供されたり、新酒鑑評会で金賞を受賞したりと評価の高いお酒をかもす酒蔵」と解説する。「お酒が好きな人、地元の魅力を存分に味わいたい方たちにお薦め。出来立ての新酒の試飲やしぼりたての酒粕を使った手作りの甘酒など、普段は味わうことの出来ない特別な体験ができる」とツアーをアピールする。

昨年11月には、市内のさつまいも専門店「蔵出し焼き芋かいつか」(同市松野木)提供の焼き芋「紅天使」を使ったデザートとオードブルのランチ作りを親子で体験するプランや、ひとり時間を満喫する「ソロ活」企画として、「つくばワイナリー」(同市北条)のぶどう畑で剪定(せんてい)した蔓(つる)を使用したリース作り体験と県産食材を使ったフランス料理のフルコースなどつくばワインを生みだすブドウ畑の土壌や気候、職人の技術が楽しめるプランを企画。どちらも満員となり好評だったという。
林さんは「ホテルは、地域外のお客様との接点であり、地域がにぎわって初めてホテルにもたくさんのゲストが訪れてくれる。そんな地域活性化の一助になりたいと始めたプロジェクト。始まったばかりで試行錯誤中だが、つくばを訪れ、体験や旅を通して、つくばを第二の故郷のように感じてくれる人が増えていけば」と思いを語る。(田中めぐみ)