木曜日, 11月 5, 2026
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「障害」から考える10年後の街づくり つくばで提言に向け始動

10年後、私たちはどんな街で暮らしていたいだろう-と「障害」を切り口に語り合うイベントが18日、吾妻交流センター(つくば市吾妻)で開かれる。「2033年にタイムトラベル! 10年後に住んでいたい街 教えてください」で、出されたアイデアは、2033年までに3度予定されるつくば市議会議員選挙に向けた「提言」としてまとめていく。

登壇するのは、東京2020パラリンピックで銅メダルを獲得したゴールボール日本代表の高橋利恵子さん(関彰商事)、つくば市聾(ろう)協会事務局長の有田幸子さんら、つくば市で活動していたり、暮らしていたりする障害当事者と、障害者をサポートする計6人。聴覚や視覚、身体など、異なる障害に向き合う当事者として、また当事者を支える中で、それぞれが思い描く「10年後に住んでいたい街」の姿を発表する。企画は2カ月に一度のペースで形を変えて継続し、提言につなげる。

イベントを主催する「障害×提案=住みよいつくばの会」の呼びかけ人で、当事者として障害者の地域生活をサポートする、つくば自立生活センターほにゃら事務局長、斉藤新吾さん(47)は「障害など課題に直面している人は、『こうすれば解決できる』というアイデアをそれぞれが持っている。その考えを持ち寄って、政策提言につなげたい」と思いを語る。

自分たちの声で社会を変えられる

目的について、斉藤さんは「障害のある人が政治に参加するのって難しいんです」と語る。「物理的な難しさだけではなく、(障害者が)蚊帳の外に置かれちゃったり、(障害者自身が蚊帳の外に)いちゃったりする」ことで、当事者が問題解決の場に居合わせることができないのだと説明する。だからこそ「自分たちの声で社会を変えられることもあるということを、わかり合いたい」という。

主催団体の同会は、2018年に斉藤さんが地域の障害者や家族、支援者らに呼びかけ誕生し、これまでにも「障害」を切り口に、さまざまな形で市政に働きかけてきた。その動きは、具体的な街の変化につながっている。

その一つに、移動やトイレなど日常的に介助を必要とする重度障害者に対する、就労時の介助サービスがある。以前は、通勤や就労中に公的な介助制度を利用できず、自費で介助者を手配するほかなかった。サポートがあれば働ける人が、その機会を諦めてきた。それがつくば市では、同会の働きかけにより2022年度、「重度障害者就労支援特別事業」がスタートし、通勤・就労中の介助サービスの提供が認められた。県内初の出来事だ。

その他にも、タクシー利用への市の助成制度を、バスや電車でも利用可能なICカードとの選択制にすることで障害者の社会参加の機会を増やしたこと、スマートフォンやタブレット端末を利用し遠隔地で手話通訳を受けることができる「つくば市遠隔手話サービス」などがある。

立場の違いを乗り越える

今回の企画には、聴覚、視覚、身体など、異なる障害の当事者と、知的障害、高次機能障害のある人たちを支える支援者や家族が登壇者となる。その意図を斉藤さんは、「障害が違うと困りごとも違うし、必要とする制度も違う。支援者や家族の立場も含めて、様々な立場の意見を汲み取り政治の場に提案したい」と話す。

斉藤さんはつくばで20年以上、障害当事者として地域の課題に向き合ってきた。その中で、いまだに難しいのが住宅探しだと話す。マンションの入口に数段の階段があるだけでも車椅子で生活することは難しく、屋内の段差もある。

「1年に2部屋、バリアフリーの部屋ができたら、10年後には20部屋になる。それだけでも20人の障害者が街で暮らせるようになる。全然違うと思うんです」

議会の任期4年で社会を変えることは難しいが、10年ならできることがある。提案に賛同してくれる議員や市役所の担当者も含めて話し合っていきたいと話す。主催者は参加者に、「要望」ではなく「提案」を-と呼びかけている。(柴田大輔)

◆イベントは1月18日(水)午前10時〜正午、吾妻交流センター(つくば市吾妻)。参加は無料。定員20人。詳細はfacebookイベントページ、問い合わせは電話029-859-0590まで。

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