【谷島英里子】平安貴族の正装とされる女性の十二単(ひとえ)と男性の束帯(そくたい)の着付けを実演するひな祭りのイベントが3日、土浦市桜町のすがた美容室で行われ、みやびな世界に包まれた。
衣紋者(えもんじゃ)と呼ばれる特別な技術を持つ着付けの木村恵子さんらが、来場者の目の前で、五衣(いつつぎぬ)、上着、唐衣(からぎぬ)、裳(も)まで、衣を一枚一枚重ねていく様子を披露した。
体験した埼玉県の藤野紀子さん(61)は「タイムスリップしたような気分。ひな人形になったようでうれしい」。千葉県の神保弘さん(41)「ずっしりとした重量感があった。ちょうどひな祭りの3日に着ることができて感無量です」と話していた。
木村さんは、歴史ある土浦で和文化を継承したいと、毎回、一般から参加を募って無料で体験会を開いている。今回の十二単と束帯の体験のほか、5歳になるころ健やかな成長を祈って行われる「着袴(ちゃっこ)の儀」、平安時代の成人式「着裳(ちゃくも)の儀」と「加冠(かかん)の儀」の着装実演も行っている。
