日曜日, 8月 31, 2025
ホームコラム「土浦の花火」~未来へ~《見上げてごらん!》8

「土浦の花火」~未来へ~《見上げてごらん!》8

【コラム・小泉裕司】天気、風力、風向き良好。佐藤亨・土浦市産業経済部長が参拝した日本で唯一の「気象神社」の御利益なのか(10月16日掲載)、近来まれにみる好条件に恵まれた第91回土浦全国花火競技大会は、「無事」終了した。今回の「無事」は、Safe(安全)に加えて、No problem(問題なし)、All good(すべてよし)、Complete(完璧)、Success(達成)と英訳したいほど、見事な大会だった。

とりわけ、18都道県から出品された89作品すべての打上げが完了し、コロナ禍を含め4年間途絶えていた歴代入賞者一覧に、新たに業者名が追記されたことがうれしいし、未来につなぐ第1歩を刻むにふさわしい大会になったと思う。

出品作品については、全般的に斬新性や話題性というよりも、今年1年の集大成的な作品が多かったように思う。むしろ、そうした秀作・力作の数々が土浦の夜空に集結し、披露されたことそのものが、贅沢(ぜいたく)の極みなのだ。

山崎煙火製造所製作の10号玉レプリカ(筆者所有)

部門別では、10号玉の部における茨城県勢の安定した完成度が際立った。特に、優勝した山﨑煙火製造所の作品「昇曲付五重芯銀点滅(のぼりきょくつき いつえしんぎんてんめつ)」は、色のコントラストもさることながら、5つの芯と一番外側の輪を加えた6層の同心円が見事に真円を描いた。聞けば30代の花火師の手によるとのこと。

コンダクター役の山﨑智弘社長は「昨年から、競技大会は若手で作り上げようと取り掛かった。諸先輩から継承した技術を若手がどこまでできるのか試してみたかった」と、「攻め」を強調した。「この業界は次の世代にどう伝承させていくかがとても重要」と続けた。

期せずして、最近の若手花火師の活躍に触れた佐々木繁治前大曲商工会議所会頭の言葉が重なる。「若手は勝手には育たない。素晴らしい実績を残した先輩がいて、初めて若手が育つ」。まさに言い得て妙。

創造花火の部では、女性花火師の感性豊かな作品が高評価を得た。特に、私のお気に入りの花火師、芳賀火工の石村佳恵さん(5月14日掲載)の作品「アマビエに願いを込めて☆」が準優勝。表彰式の集合写真では、最前列に安藤真理子土浦市長と横並びに着座。この土浦で石村さんの笑顔を拝見できたことが、とてもうれしい。

3年後は「土浦の花火100年」

山﨑社長は「コロナ禍、たくさんの方々の支えがあり、大曲や土浦で多くの方に応援をいただき感謝の気持ちでいっぱい。来年は挑戦者として謙虚な気持ちで挑みたい」と、てらいのない言葉で結んだ。主催側の大会実行委員会本部長を兼ねる佐藤部長も山﨑社長と同様、「成功体験を大切にしながら、慢心することなく、反省すべきは検証し、未来につなげたい」と、緊褌一番(きんこんいちばん)の決意を語った。

煙火業者や実行委員会の面々のこれまでの様々な努力や苦労は、部外者には計り知れないものがあったと思う。あらためて、「無事」の開催を成し遂げた皆さんに、慰労と祝福の拍手を送りたい。そして、過去に懲りずに、再訪いただいた観客の皆さんには、心からの感謝の念を伝えたい。「これからも、よろしくお願いします」と。

一方、競技部門ごとのあり方や、スタッフの入れ替えに伴う運営の不慣れなど、確かに気になる点もあった。「土浦の花火100年」に向けて、次回以降、本稿でも再確認してみたい。

これも3年ぶり。翌日早朝の清掃活動は、いまだかつてないぐらい、観客の行儀の良さを実感しながら、拍子抜けするほどの短時間で終了。大会から10日が過ぎて、安全対策の看板類も撤去され、桜川沿いの自宅周辺は、晩秋の静寂な情景を取り戻した。本日はこの辺で「打ち止めー」。「ドン ドーン!」。(花火鑑賞士、元土浦市副市長)

➡NEWSつくばが取材活動を継続するためには皆様のご支援が必要です。NEWSつくばの賛助会員になって活動を支援してください。詳しくはこちら

1コメント

コメントをメールに通知
次のコメントを通知:
guest
最近NEWSつくばのコメント欄が荒れていると指摘を受けます。NEWSつくばはプライバシーポリシーで基準を明示した上で、誹謗中傷によって個人の名誉を侵害したり、営業を妨害したり、差別を助長する投稿を削除して参りました。
今回、削除機能をより強化するため、誹謗中傷等を繰り返した投稿者に対しては、NEWSつくばにコメントを投稿できないようにします。さらにコメント欄が荒れるのを防ぐため、1つの記事に投稿できる回数を1人3回までに制限します。ご協力をお願いします。

NEWSつくばは誹謗中傷等を防ぐためコメント投稿を1記事当たり3回までに制限して参りましたが、2月1日から新たに「認定コメンテーター」制度を創設し、登録者を募集します。認定コメンテーターには氏名と顔写真を表示してコメントしていただき、投稿の回数制限は設けません。希望者は氏名、住所を記載し、顔写真を添付の上、info@newstsukuba.jp宛て登録をお願いします。

1 Comment
フィードバック
すべてのコメントを見る
スポンサー
一誠商事
tlc
sekisho




spot_img

最近のコメント

最新記事

アストロプラネッツ3連勝 つくばで福島と対戦

残り5試合で東地区3位 プロ野球独立リーグ・ルートインBCリーグの茨城アストロプラネッツは30日、つくば市流星台のさくら運動公園野球場で福島レッドホープスと戦い、6-4で勝利した。茨城はこれで3連勝。通算成績は25勝27敗1分で東地区3位。今季は残り5試合で、2位栃木および4位福島との勝差はともに4.5なので、このまま順位が確定しそうな様相だ。 【ルートインBCリーグ2025公式戦】8月30日、さくら運動公園野球場茨城アストロプラネッツ-福島レッドホープス福島 00100012 4茨城 0100230X 6(球場規定により8回で試合終了) 先手を取った茨城が終始優位に試合を進めた。「先発の三浦遼大がしっかりゲームを作ってくれた。相手もエース級の藤田涼太郎を立ててきて投手戦が予想されたが、先に点を取れたことが勝利につながった」と巽真吾監督。 茨城は2回裏、先頭の5番・草場悠がバントヒットで出塁、暴投と6番・原海聖の外野フライで1死三塁とし、7番・佐藤大和は一塁への内野ゴロ。「打ったのはアウトコース低めのツーシーム。芯を外してボテボテのゴロになったが、いいところに飛んでくれた」と佐藤。この打球を一塁手が弾き、投手のカバーリングがもたつく間に草場が先制のホームを踏んだ。 3回表はチャンスの後のピンチ。福島に2連打を許し1死一・二塁とされた後、三浦は3番打者をカーブで空振り三振に取り、4番打者には中前適時打を浴び同点とされるも、5番打者のバットをへし折る三ゴロでこの回を終わらせた。「(5番打者には)ファールで粘られたが、外角へ意識を向けさせた後、内角へのストレートで詰まらせることができた。ずるずる行かずに切り抜けられてほっとした」との振り返り。三浦はこの後6回まで投げ、3イニングをいずれも三者凡退で締めている。 福島の先発・藤田は4回ごろから球が荒れだし、茨城のチャンスが広がった。5回裏に2点を追加。先頭の9番・北川柊が右中間を破り無死二塁、1番・新太郎が左越え三塁打でまずは1点、2番・高田龍が左翼への犠牲フライでもう1点という内訳。また6回にも敵失や交代投手の暴投などで3点を加え、大勢を決した。 5回裏の適時三塁打でMVPに輝いた新太郎は、前の試合でも三塁打を放っており、最近は1番打者ながら長打でチームに貢献している印象だ。「しっかり振ることを意識し、その結果としての外野オーバー。うまく行けばホームランも狙いたい」と目論む。また盗塁数では30の大台に乗せ、現在リーグ2位の成績。「警戒されている中で思い切ってスタートを切り、こちらも1つでも伸ばしていきたい」と話す。 今季の茨城は、4月6日の栃木戦から5月4日の栃木戦まで公式戦7連敗と出足でつまずいたが、6月8日の山梨戦から7月5日の埼玉武蔵戦まで1引き分けを挟んで8連勝というチーム新記録も樹立し、浮き沈みが大きいシーズンだった。「いま最終盤に来て、再びいい形で上がってきている。リーグ戦の残り試合はもちろん、BCリーグ選抜とNPB(日本プロ野球)2軍チームの交流戦も控えている。最後の1日まで気を抜かず野球に取り組んでほしい」と、巽監督はNPBを夢見る選手たちに最後の発破をかける。(池田充雄)

谷川俊太郎をしのぶ つくばでつながった縁きっかけ

29日から写真展とコンサート 昨年11月に亡くなった詩人・谷川俊太郎さんを追悼する連続企画がつくば市で始まった。29日からつくば市民ギャラリー(同市吾妻)で、谷川さんの詩と写真家 松本美枝子さんの写真による写真詩集「生きる」の写真展が9月4日まで開かれる。9月19日には、谷川さんと多数の作品を生み出してきたフォークシンガー 小室等さんによるコンサート「小室等 谷川俊太郎を歌う『いま生きているということ』」が、つくばカピオホール(同市竹園)で開かれる。演奏は、谷川さんの長男でピアニストの谷川賢作さん、バイオリニストの太田惠資さん、歌手のこむろゆいさん、ドラマーの河野俊二さんら。 主催するのは、1979年から2000年まで同市天久保にあった多目的ライブハウス「クリエイティブハウスAkuAku(アクアク)」を運営した野口修さん(69)らによる実行委員会。アクアクでは1980年代、つくばエキスポセンター・プラネタリウムを使用して谷川さんの作品を上映するなど、3度にわたり市内で谷川さんとイベントを開催してきた。 野口さんは谷川さんの印象について「できるだけ平易に、多くの人に伝えられる言葉を使い、人の人生に関わる言葉を投げかける方だった。アクアクの若いスタッフと交流する際も、ごく普通のたたずまいに優しさを感じた」と語る。 今回写真展を開く松本さんは、2008年に谷川さんとともに写真詩集『生きる』を刊行した。写真展では、写真集のページをめくるように、写真と詩を交互に展示する。現在、茨城県を拠点に国内外で活躍する松本さんが初めて個展を開いたのも、アクアクだった。 小室等さんは1978年、谷川さんとの共作アルバム「プロテストソング」を発表。その後も谷川さんの詩を歌い続け、亡くなった後も作品を歌い継ぐ活動を行っている。市内の県立並木中等教育学校(旧・県立並木高校)の校歌も、谷川さんと小室さんによるものだ。 私たちの中で詩が生きている 一連の企画について野口さんは「追悼的な企画をやらないといけないと思っていた」とし、昨年12月、谷川さんの逝去直後に都内で開かれた小室さんらのコンサートに参加した際、出演者にオファーしたことがきっかけとなったと語る。 野口さんは「谷川さんが亡くなってから、SNSなどで俊太郎さんの詩が多く共有された。亡くなっても、私たちの中で常に詩が生きていると感じた。俊太郎さんは『詩はむしろ詩作品と読者との関係に潜んでいるはず』とも語っていた。イベントの主催者側の企画意図ではなく、作品を見たり聞いたりすることで感じるものが、来場者の中に残ってくれたらいい。多くの方に俊太郎さんの言葉に出合っていただければ」と思いを語った。コンサート会場では、演奏される曲と谷川さんの詩をもとに、つくば市在住の「絵描き」natunatuna(なつなつな)さんによる即興ライブペイントも披露される。(柴田大輔) ◆谷川俊太郎×松本美枝子写真詩集「生きる」写真展は、つくば市吾妻2-7-5、中央公園レストハウス内 つくば市民ギャラリーで、8月29日(金)~9月4日(木)まで開催。開館時間は午前10時~午後4時30分(最終日は午後3時まで)。会期中の8月30日(土)午後2時から松本美枝子さんによるアーティストトーク、31日(日)午後2時から自由参加の朗読会が開催される。いずれも入場無料。 ◆コンサート「小室等 谷川俊太郎を歌う『いま生きているということ』」は、つくば市竹園1-10-1、つくばカピオホールで、9月19日(金)午後7時から。入場は一般5000円、学生・障害者4000円。イベントのホームページはこちら。

総合病院の病理科の仕事とは?《メディカル知恵袋》12

【コラム・内田温】総合病院の病理科は、患者さんはもちろん、多くの医療従事者にとってもあまりなじみのない部門です。しかし、医療の根幹を支える重要な役割を果たしています。今回は、そんな病理科についてご紹介します。 主な業務 病理科の主な仕事は、「病気を肉眼および顕微鏡で診断すること」です。たとえば、胃や大腸、乳腺などから小さく採取された組織(生検検体)を観察し、悪性かどうかなどを判定する「生検組織診断」、手術で摘出された臓器や腫瘍の診断を行う「手術検体組織診断」があります。 さらに、手術中に腫瘍の良悪性や切除断端の状況などを判断するため、臨床検査技師が作製した凍結切片から病理医が短時間で診断を下す「術中迅速診断」も重要な業務です。 近年では「がんゲノム医療」においても、遺伝子変異の有無やバイオマーカーの評価を通じて、患者さん一人ひとりに最適な治療法を選ぶ手助けをしています。 病理医は希少種 このように重要な役割を果たす病理医ですが、全国的に非常に数が少ないのが現状です。日本全国の病理専門医は2800人弱と、全医師数の1%にも満たない「希少種」と言える存在です。 当院では幸いなことに3名の常勤病理専門医を擁しており、正確で信頼性のある病理診断を提供するため、すべての症例において原則2名以上の病理医が協力して診断を行うダブルチェック体制を構築しています。 臨床検査技師 病理診断を支えてくれている、大切な存在が病理検査室の臨床検査技師です。病理診断のためには、提出された検体から適切な標本を作製する高度な技術が必須であり、このプロセスを担うのが臨床検査技師です。彼らがいなければ、病理医は診断業務を遂行することができません。まさに信頼すべきパートナーであり、常に尊敬と感謝の気持ちを持って一緒に仕事をしています。 病理診断とAI 昨今では、さまざまな分野でAI(人工知能)の活用が進んでいますが、病理診断の分野でも以前からAI技術に関する多数の研究が行われてきました。 有名な研究としては、乳癌リンパ節転移の検出精度を競う国際的なコンペティションにおいて、AIが病理医と同等かそれ以上の診断精度を示した報告があります(Bejnordi et al., JAMA, 2017)。また、胃生検の病理診断支援AIについて、全国10施設の画像を用いた検証で約95%の一致率を記録した日本の研究もあります(Abe et al., Cancer Sci, 2022)。 AIが病理医の仕事を奪うのではないかという懸念もありますが、私個人としては、そのような事態は今後数十年(少なくとも私が現役でいる間)は訪れないと考えています。AIは病理医の「置き換え」ではなく、「診断を補助するための優秀な道具」として、診断の効率化や業務のストレス軽減に貢献してくれるものと期待しています。 なお、当院では現在のところAIシステム導入の予定はなく、リンパ節転移個数測定やバイオマーカー陽性率算出などを含め、地道な業務を当面今まで通り行っていく方針です。 縁の下の力持ち 病理科は表に出ることの少ない「縁の下の力持ち」ですが、診療の根幹を支える極めて重要な存在です。患者さんやご家族の安心、そして正確な治療につながる診断のために、私たちは日々努力を重ねています。このコラムが、病理科について少しでも理解を深めるきっかけとなれば幸いです。(筑波メディカルセンター 病理科 医師)

塚本一也氏第一声 全文文字起こし 県議補選つくば市区

➡音声はこちら https://www.youtube.com/watch?v=E_Gapeg3VtM 皆様お疲れ様でございます。 今、ウグイスの方からご紹介いただきました、塚本一也でございます。 暑い中、今日は皆さんお集まりいただきましてありがとうございます。 明日が出陣式になりますが、出発に際してですね、一言、皆様にごあいさつを申し上げたいというふうに思います。 3年前ですね、せっかく皆さんにですね、いただいた議席を失ってしまうことになりましてですね、大変申し訳ございません。その後ですね、私も喪中ということもあって、一時、政治活動生活を控えていた時期がございました。 しかしですね、昨年のトリプル選挙、衆議院議員選挙と、つくばでは市議会議員選挙、市長選挙とがございました。その市議会議員の選挙ですね、私どもの従兄弟にあたります、塚本洋二に対してですね、多大なるご支援をいただいてですね、非常に多くの票もいただきました。これはやはり、私ども塚本一族に対する、塚本一族と言ったらちょっと語弊がございますけれども、塚本の政治姿勢に対する期待の現れだというふうに私も受け止めました。もう一度ですね、機会があれば政治に挑んでみようという思いがついたのはその辺でございます。 トリプル選挙においてですね、市長選に出た星田(弘司)先生がですね、私ども地元の先輩議員として星田先生を応援したんですが、あのような結果になって、その後、星田先生とですね、いろいろなお話をさせていただきました。つくばの市政の問題、あるいは県政の将来について。その中でですね、星田先生から、「自分はこれから市の先頭を目指して活動するので県議会には戻らない。塚本さん、遠慮しなくていいよ」というようなことを言っていただきました。 大変ありがたいお言葉でございました。私も何回も落ちておりますが、そんな機会をいただいて、そして、洋ニに対する期待も後押しして、せっかくのこのつくばの代表者として県政に戻るチャンスがあればという思いで、今日に至ったわけでございます。 いろいろとですね、このつくばは発展はしておりますが、発展の中でもですね、いろいろな問題がまだまだございます。そしてつくばの歴史においては、やはり県が強力なサポートをして導いてきたからこその、今日のつくばがあるという風に、私は思っております。 ですから、市と県と国と、この3者が手をつないで、スクラムを組んでこのつくばを発展させることが国の発展につながるということでございますので、私ももう一度その一端を担えるように、今回出馬を決意して、そして、県政の復帰を目指すところでございます。 非常に厳しい選挙ではありますが、何としてでも勝ち抜いて、そして皆様の期待に応えられるような働きをしていきたいというふうに思っています。今日から9日間の選挙戦になります。これから出発をいたしますが、3年前の忘れ物を取りに行ってきます。どうぞ応援よろしくお願いいたします。