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6278筆の署名添え県に見直し要望 つくば洞峰公園周辺の保護者たち

県営の都市公園、洞峰公園(つくば市二の宮)の周辺に暮らす「公園と子どもを守る親の会 茨城」(共同代表・多田理恵さん、奥田洋一さん)が21日、県庁を訪れ、知事あてに6278筆の署名を添えた要望書を提出した。小・中学生や未就学児童の保護者らがまとめ役となり、パークPFIを利用した県のリニューアル計画に見直しを求めた。

同会は、7月に開催された県の説明会で、飲酒など、子どもへの懸念が払拭できないなど、共通する心配事を抱えた6人の保護者による。署名は9月初めから10月20日にかけてオンライン署名サイトやSNS、個人の呼びかけなどで集められ、半数がつくば市、3割がつくば市以外の県民、2割が県外から寄せられた。

要望書は、県都市整備課に提出。①飲酒が公園を利用する子どもたちの安全、安心を妨げるとして、リニューアル計画に含まれるグランピングやBBQ施設、クラフトビール工房の建設中止②インクルーシブ遊具など障害のある人のための施設設置をパークPFI事業と切り離し速やかに実施すること③公園内の希少動植物の保護と生物多様性を維持する事業案への変更-が盛り込まれた。

これらを踏まえ、公園周辺の子育て世代などの住民や教育関係者の意見を取り入れるよう要望し、受領後14日以内の回答を県に求めた。

共同代表の奥田洋一さん(43)は「文教地区の代表的な公園である洞峰公園に似つかわしくない飲酒により、風紀が乱れることを危惧している。安心できる、安全な公園であってほしい」と希望を述べた。

要望提出後、会見に臨む多田さん(左)と奥田さん=研究交流センター(つくば市竹園)

多田理恵さん(44)は「子どもたちや保護者が不安に思っていることを、知事にきちんと伝えてほしい」と訴えた。「アルコールそのものへの反対ではなく、『お酒が飲める公園』と認識されること」が心配だと話す。

「ビール工房での製造・販売、グランピング場などでも昼から毎日お酒が飲める。これを県が率先してやるとなれば、お酒を楽しむために公園に来る人が増えるかもしれない。さらに、外から持ち込んでの宴会や飲酒運転も心配。周辺は通学路にもなっている、住宅地の中の子どもたちが日々利用する公園で行われる。問題が起きてからでは取り返しがつかない」という。

県の追加アンケート、近く結果公開

これらの考えに対し、県は「県民の意見を踏まえて事業を練り直している。つくば市と協議の上で検討し、反映したい」と答えた。

9月に県が実施した、リニューアル計画に対する県民への追加アンケート調査については「現在、集計中」であるとし、時期については未定としつつ「結果はつくば市と共有し、近い時期にオンライン等での公開を検討する」とした。

アンケート調査は今回が2回目で、第1回の調査では、7月2日から8月31日までに集まった約1100件の回答者のうち、9割がつくば市居住者、7割が40代以上だったことを、県は「回答に偏りがある」とし、広く県民を対象に無作為抽出による再アンケートを実施していた。(柴田大輔)

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