木曜日, 4月 23, 2026
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泉秀樹研究① 泉秀樹とは誰なのか?《遊民通信》50

【コラム・田口哲郎】

前略

泉秀樹という人をご存知でしょうか? 数年前まで私も存じ上げなかったのです。泉氏を最初に知ったのは、J:COMの番組「泉秀樹の歴史を歩く」でした。メガネをかけ、ひげをたくわえた素敵な男性が、物静かなトーンで、歴史にゆかりのある場所を歩きながら、昔のロマンを語ります。

「歴史を歩く」シリーズはいくつかあるのですが、私が好きなのは、今月アーカイブ放送されている「江ノ電沿線史一駅一話」です。鎌倉と藤沢を結ぶ江ノ島電鉄の全駅にまつわる歴史秘話を、ひと駅ひと駅解説するというもの。ゆったりした番組の流れのなかで、江ノ電沿線の風景とともに泉氏の歴史解説が入ります。

視点がユニークなので、へえ!と納得することも多々あり、紹介された旧跡に行ってみたい気分にさせられます。歴史番組でもあり、旅番組でもあり、情報番組でもあるのです。

この泉秀樹という人は誰だろう?と興味がわき、グーグルで検索しました。ウィキペディアには、1943年生まれの作家・写真家とあります。「静岡県浜松市生まれ。慶應義塾大学文学部卒。新聞社勤務を経て、以後、作家・写真家として活動する。1973年、小説『剥製(はくせい)博物館』で第5回『新潮新人賞』受賞。歴史に関する著作が多い」

「泉秀樹の歴史を歩く」の ナビゲーター、慶應の文学部を出ているということで、なんとなく親近感がわきます。そして、小説も書いているのか、と人物に興味がわきました。

多彩な活動をする泉氏

検索していくと、2015年のプレジデント・オンラインの記事に行きつきました。「大事にすべきは学歴ではなく『職歴』です」というタイトルで、ご自分の半生について語っていらっしゃいます。

慶應を出てから、産経新聞の文芸部配属になり、遠藤周作を担当したこと。それが縁になって小説を書き始め、三田文学に投稿したりして、新潮新人賞を受賞したこと。その後、産経を退職して、フリーランスとなり、現在に至ること。遠藤周作、三田文学というワードが出たので、検索子を追加してみると、泉氏の多彩な活動歴が分かりました。

中でも目を引いたのは、「率直にきこう あなたはなぜ神など信ずるか」という1983年に女子パウロから出版された本です。この本を手に入れたら、共著者に加藤宗哉氏のお名前がありました。氏は遠藤周作の愛弟子で、三田文学の編集長も歴任されました。タイトルからして、何か刺激的なことが書いてありそうです。宗教がクローズアップされている昨今、得るものがあるに違いありません。

ひょんなことから知った泉秀樹氏について、何回かにわたって書いてみたいと思います。ごきげんよう。

草々(散歩好きの文明批評家)

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学校給食の牛乳に異味 土浦市 6校の12人が体調不良

土浦市教育委員会は21日、市内の小中学校の学校給食で出された牛乳を20日に飲んだ児童、生徒から「いつもと牛乳の風味が違う」など異味の申し出があったと発表した。そのうち6校の児童生徒12人から腹痛など体調不調の訴えがあった。 牛乳は、いばらく乳業(水戸市)が製造したもので、茨城県学校給食会から同市が購入し、市内24の小中学校に計約1万500食分を提供している。 発表によると、市内の全24校で「味がすっぱい」「薄い」「酸味がある」「薬のような臭いがする」など異味の申し出があった。24校は、土浦小、下高津小、東小、大岩田小、真鍋小、都和小、荒川沖小、中村小、土浦二小、上大津東小、神立小、右籾小、都和南小、乙戸小、菅谷小、一中、二中、三中、四中、五中、六中、都和中、新治学園義務教育学校、土浦一藁附属中。 そのうち体調不良の訴えがあった6校の12人は、土浦小が3人、下高津小2人、上大津東小2人、都和南小3人、五中1人、新治学園1人。 20日、各学校が市学校給食センターに報告。土浦保健所や県教育庁保健体育課に連絡した上で、いばらく乳業に対し、原因の調査を依頼している。 市教委は21日から当面の間、給食での牛乳の提供を停止し、児童、生徒には水筒を持参してもらって対応している。 市教委は「関係する児童、生徒、保護者の皆様には大変ご心配をお掛けしましたことをお詫びします」などとしている。

運命の人《短いおはなし》50

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