【鈴木萬里子】3月末で閉校となるつくば市立小田小学校(土田雅一校長、児童数104人)で24日、閉校記念のお別れの会が催された。学校は閉校になるが地元の祭りは残していきたいと、地区住民らが校庭で地区祭り「祇園祭」を再現し、子どもたちが祭りを体験した。
小田小は明治7(1874)年に創立、143年の歴史を刻む。つくば市北部の2中学校と7小学校が統廃合し、つくば市北条に今年4月、小中一貫の秀峰筑波義務教育学校が開校するのに伴って閉校となる。
24日午後、校庭には地元、東部囃子保存会の「神輿(みこし)」、中部大獅子保存会の「大獅子」、西部青年同志會の「山車」が勢揃いし、小田八坂神社の「小田祇園祭」が再現された。
子どもたちは3グループに分かれ順番に祇園祭を体験した。大獅子を支える竹ざおを高く持ち上げ、大人顔負けの大きな歓声を上げながら、伝統行事の「顔合わせ」を楽しんだ。
PTA会長で東部お囃子保存会の山田吉広さん(47)は「学校は閉校になるが小田祇園祭は残していきたい。今日は子どもたちと一緒に祇園祭を再現して、地域の人たちに恩返しがしたい」と話した。
見学していた男性(36)は「小田小には祖父から私の子どもまで4世代が通った。閉校になるのは寂しいが、新しい学校で子どもたちの世界が広がるのも良いと思う」と感慨深げだった。自宅が近所で孫が通っているという80代の女性は「子どもたちの声が消えると寂しくなる。4月からスクールバスで通うことになり朝が早いので心配」と話していた。
お別れの会は学校とPTAが合同で主催した。午前中は子どもたちが学年別に4ブロックに分かれ合唱や合奏を披露した。菊地勇二教頭は「地域やお世話になった方々の協力があって素晴らしい学校となった。新しい学校、新たな未来に期待や希望を持って歩んでほしい」と子どもたちにエールを送った。

