金曜日, 4月 3, 2026
ホームコラム「まつりつくば」が変わるとき? 《映画探偵団》57

「まつりつくば」が変わるとき? 《映画探偵団》57

【コラム・冠木新市】今年の「まつりつくば」は、規模を縮小してTX研究学園駅前で開催することに決まったが、市民の間には微妙な感情が漂っている。「なぜ、つくばセンター地区で縮小してやらないのか」と不満気な人々。「今回だけは新型コロナがあるから仕方ないか」と認める人々。「もう2度と中心市街地には戻らないよ」と達観する人々。

さらに、そうした感情を察しつつ発言を控える人々。そのため、モヤッとした空気に包まれ、まつりを迎えるムードにはまだ今ひとつの状況だ。研究学園駅の方はどうなのだろうか? 「CO-EN」会場の件で「つくばまちなかデザイン」の人と話をしていたら、研究学園駅に行ってしまうのを非常に残念がり、「ウラ『まつりつくば』をやろうかと考えている」と本音を語ってくれた。

「まつりつくば」は、新住民と旧住民との交流の場として、1981年に有志によって企画されたという説がある。その後つくば市が誕生し、行政主体で運営がなされ、年々拡大してきた。私も30年前から参加しているが、大きく変化したのは、土浦学園線を通行止めにし、青森のねぶたがパレ一ドに出てきた1998年あたりではないか。

「なんでつくばに『ねぶた』なんだ!?」との陰口は耳にしたが、それはそれで多くの市民は楽しんでいた。2000年に、中央図書館~エキスポセンターの通りで始まった、ア一トタウン大道芸も若者たちを引き付け、拡大に貢献した。

私の一番の楽しみは、2日目の夜、ステージで繰り広げられる地元歌手・北条きよ美、川神あい、三ツ木清隆のショ一である。センター広場に周辺の人たちが集まり、応援合戦が繰り広げられる。ペンライトやキラキラしたグッズが配られ、応援を頼まれる。10数年前、面白さに気づきロック好きの探偵団員を誘ったら、ハマってしまい、最後まで見ていた。

歌手たちの地元愛あふれる語りも、好感がもてる。つまり「世界のつくばで村まつり亅の趣なのだ。やはりこのステージはセンター広場の窪(くぼ)んだ空間がよく似合う。

高倉健主演の『八甲田山』

映画俳優の高倉健は2度大きな変化を遂げた。1度目は『網走番外地』(1965)でやくざを演じ一躍人気者になったときだ。それまでは会社員役などが多かった。その後、年間10数本も出演し、任侠(にんきょう)映画ブ一厶を牽引した。2度目は、任侠映画から足を洗い大作『八甲田山』(1977)で聡明な軍人役を演じたときだ。

その後は、出演作品を年1~2本ぐらいに厳選し、国民的スターへと成長し、2013年に文化勲章を受けた。

『八甲田山』の終盤近く、雪中行軍を続ける徳島大尉(高倉健)が暴風雪に襲われ、一歩も進めなくなったとき、少年の頃を回想する3分あまりのシーンがある。花畑での追いかけっこ、川での水遊び、夏の夜祭り、母との墓参り、畑仕事の手伝い…。何気ない日常がきらめいて映り、この普通の生活が幸せなんだなと感じさせてくれる瞬間だった。

まつりは子どもたちの思い出となるものだ。新型コロナで2年間「まつりつくば」が中止となり、その間移住してきた家族はとても期待していたのに違いない。

10年前、「まつりつくば亅の責任者の1人に、企画にも市民を参加させたらどうかと提案したら、「そろそろそういう時期かな」と話していた。行政主導の「まつりつくば」の企画に、シン・新住民を含め、市民参加の仕組みをつくる時期が来ているのではなかろうか。サイコドン ハ トコヤンサノ。(脚本家)

➡NEWSつくばが取材活動を継続するためには皆様のご支援が必要です。NEWSつくばの賛助会員になって活動を支援してください。詳しくはこちら

10 コメント

10 Comments
フィードバック
すべてのコメントを見る
スポンサー
一誠商事
tlc
sekisho




spot_img

最近のコメント

最新記事

水戸市とつくば市の外国人居住者調査《水戸っぽの眼》11

【コラム・沼田誠】茨城県の外国人政策が変化している。その象徴が2026(令和8)年度予算案に盛り込まれた「通報報奨金制度」だ。外国人を不法に受け入れている事業者について、市民から具体的で根拠のある情報を募り、有益な情報には報奨金を支払うという。茨城は不法就労の摘発数が全国で最も多く、何らかの対策が必要だとしても、このような制度設計は都道府県レベルでは異例だ。その背景には外国人住民の急増がある。全国の在留外国人数は、2025年6月末で395万人に達し、この10年で約1.7倍に膨らんだ。茨城県の在留外国人数も5.8万人から10.6万人とほぼ倍増している。農業・建設・サービス業を中心に、外国人なしでは成り立たない産業構造が広がる一方、外国人居住者と日常的に隣り合わせになるという現実は、多くの県民にとって初めての経験だ。 県が「適正化」を強めるのであれば、市町村には「地域で暮らす外国人住民をどう支え、社会参加につなげるのか」という別の役割が問われる。水戸市やつくば市は、増加する外国人住民にどう向き合っているのだろうか?水戸50人に1人:つくば20人に1人 水戸市の在留外国人数は4772人。人口比では1.8%だが、県都としては無視できない規模だ。その対応策の相当部分は、外郭団体の水戸市国際交流協会が担っている。2022年に公表された市政モニターからの政策提言への回答では、同協会が運営する国際交流センターは、外国人市民の実態やエスニックコミュニティの状況をこれまで調査しておらず、具体的な課題をあまり把握できていないと認めている。 つくば市の在留外国人数は1万4650人と県内最多で、住民の20人に1人が外国人になっている。この10年で約5000人も増加しており、研究者や留学生に加え、就労目的の外国人が増えているとみられる。こうした変化を受け、市は2023年3月「第2次つくば市グローバル化基本指針」を策定、「すべての人にとって住みやすいグローバル都市」をゴールに掲げ、日本語学習支援を「都市インフラ」と定義した。 ただ、この指針の根拠となる「つくば市外国人市民意識調査」は、ウェブ方式で実施されており、情報アクセスが限られている層の声や実態が十分拾えていない可能性がある。これに対し大阪府豊中市の「外国人市民アンケート」(2023年3月)では、住民基本台帳から無作為抽出した対象者に、多言語の調査票を直接郵送する方式で行われ、孤立感・定住意向・子どもの教育環境まで可視化できている。解像度が異なれば、そこから導かれる施策も変わってくるはずだ。「見えない声」を拾う調査が必要 外国人居住者が安心して社会参画できる環境を設計することは、人手不足に苦しむ産業の持続可能性への回答であると同時に、人権上の要請でもある。その出発点は、泥臭く「見えない声」を拾い上げる実態調査にあるのではないだろうか。私たちは、隣人についてもっとよく知り、理解する必要がある。(元水戸市みとの魅力発信課長)

公募は仕切り直し 霞ケ浦土浦港周辺整備計画 3者が不合格

土浦市・茨城県 土浦市と茨城県が計画していた霞ケ浦土浦港周辺整備事業が仕切り直しになった。霞ケ浦に面する9.5ヘクタールの区画を「湖岸の観光・レクレーション拠点」にしようと、同市と県が民間事業者から整備計画を公募(1月3日付)したが、提案された複数の計画はいずれも必要な条件を満たさなかった。土浦市にとって長年の課題だった湖畔整備事業は延期となる。 土浦市都市整備課によると、公募型事業プロポーザル(提案)には3事業者が応じた。このうち2事業者は書類審査で落ち、残る1事業者に絞って提案企画を評価したところ、評価点が102.31点と最低基準点126点以下だったため、不合格と判定した。最終審査に残った企業名や、どの点が基準に満たなかったなどは明らかにしていない。 評価方法を変え再トライ 事業者を公募した整備区画は、▽A地区:湖底土砂浚渫(しゅんせつ)船などが利用する土浦港(県施設)▽B地区:マリーナ(ラクスマリーナのヨットなどの係留・管理施設)と広場(市施設)▽C地区:「りんりんポート土浦」(サイクリスト向け拠点施設)区画(市有地)▽D地区:プレジャーボートなどが停泊する土浦港(県施設)―で構成されるエリア。 土浦市は①「りんりんポート土浦」は指定管理者制度を活用して存続させる②市が保有する「ラクスマリーナ」の株式は事業者に有償譲渡する③マリーナ施設がある広場は事業者に賃貸する―案を事業者に示し、県は2つの港とその周辺を事業者に貸与する案を示していた。 都市整備課の担当者は、今回の公募結果にもかかわらず、湖岸のレクレーション拠点計画は破棄せず、公募型プロポーザルの枠組みを使って再挑戦するという。具体的には「評価方法を少し変えたり、今回応募した事業者とは別の事業者に声を掛けることを考えている。再トライをいつにするかはまだ決めていない」と述べた。 民間の力で湖岸を活性化 この事業予定区画には、2007年まで京成ホテルが建ち、同ホテルが撤退した跡地にはマンション建設計画があった。ところが08年のリーマンショックでマンション事業者が倒産したため、土浦市が用地を取得、有効活用法を探ってきた。今回の公募型プロポーザルは不調に終わったが、市としては民間事業者の資金力と企画力を使って、土浦港周辺の再活性化を図る。(坂本栄)

配偶者暴力相談支援センターを設置 つくば市 DV防止法に位置付け

配偶者や交際相手などからの暴力(DV)被害や夫婦関係、人間関係などの相談を受ける配偶者暴力相談支援センターを1日、つくば市が設置した。DV防止法に位置付けられた機関で、地域の身近な窓口として被害者支援の中心的役割を担う。DV被害の相談のほか、緊急時には被害者の安全確保や支援機関との連絡調整、自立支援を行うなどの役割がある。 設置により、通報への対応、保護命令への関与、県の配偶者暴力相談支援センター(女性相談センター)や警察など関係機関とより密接な連携協力を図ることができる。同センターは、2007年のDV防止法改正で市町村は設置が努力義務となっている。県内市町村での設置は、水戸、古河、かすみがうら、つくばみらい市に次いで5番目という。 センターの愛称は「まんまるつくば」で、具体的な業務は、DV被害の相談に応じたり、緊急時に一時避難所を利用するための相談を受けたり、福祉制度や住居など自立生活を送るための情報を提供したりする。本人が配偶者や交際相手などに対し接近禁止や電話禁止などを申し立てたい場合は、裁判所の保護命令について情報提供したりなどする。 同市はDVや夫婦関係、自身の生き方などの悩みに対し、これまでも電話や面談による相談を受け付け、女性向けの一般相談、心と生き方相談、法律相談のほか、男性向けの相談を曜日や日数を限定して実施してきた。センター設置後は受付日数を増やし、DV相談と女性相談は平日の午前9時~午後4時、女性の法律相談は第2と第4木曜の午後1時30分~4時、男性相談は第1と第3金曜の午前9時~午後4時に受け付ける。 同市がこれまで電話や面談で受け付けた相談件数は2024年度が計617件で、相談内容は離婚や別居に関する相談が最も多く43%、次いで夫からのDV相談が22%、自身の生き方に関する相談が18%、夫婦の在り方が14%だった。23年度は計523件で、相談件数は増加傾向にあるという。 担当する市ダイバーシティ推進室は「まんまるつくば(つくば市配偶者暴力相談支援センター)は、パートナーとの関係に関する相談や女性の抱える様々な課題に寄り添う窓口。DVに関する相談は性別を問わず受け付けているので、一人で抱え込まずどうぞお気軽にご連絡ください」と呼び掛けている。(鈴木宏子) ◆相談窓口の専用電話は029-856-5630。相談料は無料。電話代は自己負担。相談窓口の場所は相談者の安全確保のため非公開としている。

浴場を全面リニューアル 高齢者支援センターくきざき つくば

eスポーツ機器導入 設備の老朽化で風呂を沸かすボイラーが故障し2023年1月から利用を停止していたつくば市下岩崎、茎崎老人福祉センターの入浴施設が1日、全面リニューアルされ、名称を高齢者支援センターくきざき「ゆるり庵」に改め、3年ぶりにオープンした。施設内の活動スペースにはコンピューターゲームが楽しめるeスポーツ機器が市内の高齢者施設で初めて導入された。 同センターは高齢者の健康増進や生きがいづくりを目的とする施設で、入浴のほか、くつろいだり、食べ物を持参し飲食などができる。市内に住む60歳以上の高齢者と障害者などは利用料が無料になる。 市町村合併前の旧茎崎町が1988年に建築。鉄筋コンクリート造平屋建て、建築面積約1070平方メートル、敷地面積は1.5ヘクタールで、敷地内には他の施設も立地する。リニューアル前は浴室が1カ所しかなく、午前と午後で男女入替制とし、1日5人程度の利用者しかなかった。 23年の利用停止後、24年度に全面修繕のための設計を実施、25年度に改修工事を実施し、浴室や大広場の改修、ボイラーや排水管の交換などを実施した。改修費用は総額約1億2650万円。 リニューアル後は、浴室を男女別で2カ所に増やした。お湯は井戸水を毎日沸かす。大広場も改修し、畳24畳のくつろぎスペースと、eスポーツ機器が3台設置された活動スペースを設けた。1日150人の利用を目標にしている。 茎崎地区では、牛久沼のほとりの同市泊崎にあった入浴施設、茎崎憩いの家が耐震基準を満たしてなかったことから2021年3月末で廃止、茎崎老人福祉センターも23年から利用停止になり、市の入浴施設がなかった。一方、茎崎老人福祉センターが立地する地区は土砂災害警戒区域に指定されており、議会などでも指摘があったが、市によると既存建物の改修は可能だとしている。(鈴木宏子) ◆入浴施設の利用時間は午前9時~午後7時。利用料金は市内に住む60歳以上の高齢者と障害者、小学生以下は無料。市外の高齢者などは210円。中学生以上、60歳未満は510円。年齢確認のため初回は身分証を持参し登録が必要になる。