月曜日, 11月 28, 2022
ホーム つくば 高校3年生「大人の選択」できるよう つくばで県内初の合同企業説明会

高校3年生「大人の選択」できるよう つくばで県内初の合同企業説明会

7月に入り、企業からの求人票の公開が始まり、来年3月の新規高校卒業者の採用選考スケジュールが本格的に動き出した。学校から企業への生徒の応募書類の提出が始まる9月5日に向け、高校3年生に毎年繰り返される「勝負の夏」だが、18歳が成人となった今年は少し風向きが変わってきた。「大人の選択」ができるよう、企業と高校生が一堂に会し、直接対面によるコミュニケーションを図る合同企業説明会が14日、茨城県では初めてつくば市で開かれた。

「ジョブドラフト」と銘打った合同説明会は、高校生の就職支援を行っているジンジブ(本社・大阪)が全国の都道府県単位に開催している。県内初開催となる14日は、つくば国際会議場(つくば市竹園)に求人側は茨城県警を含む10事業者、求職の高校生は7校33人が集まった。

求人企業が会場に設けた個別ブースを高校生が自由に訪問し、説明を聞き、質問して研究する。高校生は企業の求人票を受け取ることができ、職場見学や応募したい企業を探すことができる。職業体験ができるようブースに準備する企業も多数あった。

「1人1社制」のルールに見直し機運

高卒採用の活動スケジュールは、大卒採用とは動き方が異なり、行政・主要経済団体・学校組織の3者による協定によってルール化されている。ほぼ戦後70年以上変わらないことから、「働き方改革」をはじめとする時流に合わなくなってきた側面もある。

よく指摘されるのは「1人1社制」の弊害。企業が自社への応募に際して高校生に単願を求め、学校側も応募の推薦を制限し、9月の応募解禁日から一定期間まで、一人の生徒が応募できる企業を1社とする制度が長年運用されている。

高校生にとっては早期に内定が得られ、企業には内定辞退者が出にくいなどのメリットがあったが、大卒と比較すると高校新卒者の1年目の離職率が高い傾向が見られることなどから、近年ルールの見直し機運が生じている。進路選択の段階で多くの企業情報に触れたり、接触の機会を増やすことが望まれる。

ジンジブは、高校生の求人・求職に関わるノウハウを蓄積して、企業、学校に提供しつつ、高校生自ら「キャリア形成」と「進路選択」の幅を広げられるよう支援する取り組みを行ってきたという。

茨城会場の担当者によれば「高校によっては就職について専門知識を持つ先生がおらず、企業も中小零細の規模だと採用は社長任せになっていることもあり、当社が入ることで互いのギャップを埋める。会場では、進学校に通っており学校には求人票はわずかしか届かず、先生も就職の知識がなくて困っているという生徒の話も聞けた」そうだ。

企業側からの参加者であるナオイオート(取手市)人事課の中山香織さんは「メカニックを担当する人材が欲しい。まだまだ人材が足りないので、高卒者に資格をとりながら仕事が出来るチャンスを伝えていきたい」。同社のブースで話を聞いた鹿島学園高竜ケ崎キャンパスの高野颯太君(17)は「バイクが好きなので、就職先として検討したい、説明を受けてとても良かった」と感想を語った。(榎田智司)

1コメント

誹謗中傷するコメントはNEWSつくば編集局が削除します。

1 Comment
フィードバック
すべてのコメントを見る
スポンサー

注目の記事

最近のコメント

最新記事

W杯応援に1000人 筑波大でパブリックビューイング

つくば市天久保の筑波大学サッカー場で27日、カタール・ワールドカップ(W杯)のパブリックビューイング(PV)が催され、コスタリカ代表と対戦した日本代表に声援を送った。日本は終盤の失点から0-1敗れ、1次リーグ突破は次のスペイン戦に持ち越された。 PVは筑波大学蹴球部と大学公認学生団体の「ワールドフットつくば」が主催した。事前申し込みで無料招待された地域住民と大学生の合わせて約1000人が試合を見守った。 三苫選手ら先輩に声援送る 筑波大は、代表メンバーの三苫薫(2019年度卒)と谷口彰悟(2013年度卒)両選手の母校。PV会場の第1サッカー場は、2人が学生時代に練習で汗を流した場所となる。 企画した山内健太朗さんは「サッカーによって生まれるつながりを大事にしたい。最近はコロナ禍で活動が限定されていたが、この機会を生かし、市民も巻き込んで、たくさんの人たちにサッカーの魅力を伝えたい」と意図を話す。大学との折衝では開催の意義は理解してもらえたが、感染対策などクリアすべきハードルは高かったという。放映権の購入費用にも大学OBなど大勢の人に協力を仰いだ。

木造校舎で学ぶ、育つ 《邑から日本を見る》124

【コラム・先﨑千尋】今月初め、日立市立中里小中学校を訪ねた。この春に中里地区の小学校と中学校が一緒になり、新しい木造校舎で学ぶということを知り、是非この目で確かめてみたいと考えていたからだ。太平洋に面する日立市の中で同地区は、山を越えた飛び地のような位置にある。日立鉱山の公害を描いた新田次郎の小説『ある町の高い煙突』の舞台となった場所だ。 この小中学校は2011年に小中一貫教育に移行し、翌年に小規模特認校に指定された。この指定により、市内のどこに住んでいても入学、転入できるようになった。9年制になった今年からは義務教育学校になり、9年間を通した独自のカリキュラムを組むことが可能となった。コミュニケーション科(英語、ことば)を設け、9年かけて子どもたちのスピーチやディスカッションの能力を高める授業に取り組んでいる。 さらに、外部講師を呼んで、落語や能楽なども体験している。田植えや稲刈り、リンゴ栽培の手伝いなど、地域の人たちとともに実りを実感できる活動や、地域主催の行事にも参加している。 新しい校舎は山と清流に囲まれ、子どもたちは、森の木々の彩り、草木のざわめき、川のせせらぎ―など、四季の変化と豊かな自然を感じ取ることができる。敷地の南側を流れる里川に沿った円形の校舎は、風景と調和するようにすべて木造。1階には職員室のほか、多様な授業やランチルーム利用などの多目的に使える、マルチスペース「きららホール」や、校舎の中央にある昇降口付近に図書室を配置しているのが特徴だ。2階にある普通教室は、廊下との間仕切りがないためオープンな教室となり、多様な学習形態に対応できる。 同校では校長が対応してくれ、学校の特色やどのような授業を行っているのかなどをお聞きし、教室を案内してもらった。現在の生徒数は53人で、そのうち地元は13人。他は市内の他地区からスクールバスなどで通学している。わずか3人の学年もあり、1人1人がきめ細かな教育を受けることができる。廊下で会った子どもたちの目はキラキラ輝いていた。

ふるさと納税の顛末記 ① 《文京町便り》10

【コラム・原田博夫】年末になると、ふるさと納税でソワソワするお宅もあるかも知れない。魅力的な返礼品をめぐる話題である。しかし、これは、制度導入の経緯からすると、妙な話である。今回は、その顛末(てんまつ)を取り上げたい。 そもそも、高校まで地方圏で教育を受けた若者の相当数が、大学入学や会社就職で都会に出て、その後の社会人生活や結婚後もそこで過ごすのは、20世紀後半の日本社会では(都市部と農村地域の間で教育や就業のチャンスに濃淡がある以上)当然だった。 この若者には財政の観点からは、高校卒業までは地元自治体の教育支出が投入されていた。勤務先の企業は、法人税(国税)および法人住民税を(企業の所在地へ)納めている。会社員としては、給与・報酬から所得税(国税)と個人住民税を(居住地の県・市町村へ)納めている。この会社員も企業も、当該年度に関しては立派な納税者である。 しかし、この会社員を高校時代まで成育させた出身地では、この財政収支の流れはやや釈然としない。少なくとも、地方出身者の高校卒業までに投じた財政資金のある部分は、出身の市町村・県に戻してもらいたい。とりわけ、都市部に出た地方出身者が地元に残った同世代よりも高所得者になっている場合には、そうした矛盾を感じる。 故郷へ還元できる制度はないか? 地方交付税制度は、こうした気分を一部解消する制度でもある。主要な国税5税(所得税・法人税・酒税・消費税・地方法人税)の一部(3割強)を地方の固有財源とみなして、全国の地方自治体を対象に、一定の意基準に従って(地方自治体ごとに基準財政需要額と基準財政収入額を算定し、前者が後者を上回っている場合はその差額を財源不足とみて)財源保障のために一般財源として配分する、という制度である(うち、94%は普通交付税、6%は特別交付税)。

ウクライナ避難民支援募金を大使館に寄付 日本つくば国際語学院

学校法人つくば文化学院(東郷治久理事長)が運営する日本語学校「日本つくば国際語学院」(同市松代)が、4月からつくば市内で呼び掛けていたウクライナ避難民支援募金(4月13日付)が9月末までに計24万5000円集まり、10月26日、東京都港区の駐日ウクライナ大使館に寄付した。 募金箱はグループ企業のサンスイグループ(東郷理事長)が運営する市内計8カ所に設置した。当初6月末までの予定だったが延長し、9月末まで寄付を募った。 8カ所は同校のほか、つくばグランドホテル(同市筑波)▽つくばわんわんランド(同市沼田)▽つくば国際ペット専門学校(同市沼田)▽つくば山水亭(同市松代)▽つくば山水亭別亭(同市吾妻、ホテル日航つくば2階)▽KEY’S CAFE(キーズカフェ)ララガーデンつくば店(同市小野崎、10月16日閉店)▽ミスタードーナッツ イーアスつくばショップ(同市研究学園)。特にKEY’S CAFEとつくば国際ペット専門学校に設置した募金箱には多くの寄付が集まったという。 今回の募金活動は「ウクライナ避難民の支援はまず日本語学校から手を挙げてやるべきではないか」という東郷理事長の言葉がきっかけとなった。寄付金を受け取ったウクライナ大使館の担当者からは感謝の言葉が述べられたという。 同校の森山英熙本部長は「みなさんに関心を持って寄付をしていただき、本当に感謝しています。寄付金が避難民の方々のお役に少しでも立てれば」と話し、「これからもウクライナ避難民で日本語を学びたいという人がいたら積極的に受け入れていきたい」と語る。