木曜日, 4月 23, 2026
ホームつくばつくば市長に「NO」を突きつける 元研究者の酒井さん【キーパーソン】

つくば市長に「NO」を突きつける 元研究者の酒井さん【キーパーソン】

五十嵐つくば市長の施策や行状はおかしいと、水戸地裁に3件の住民訴訟を起こしている酒井泉さん。この市長では研究学園都市がダメになると、今度は市長解任(リコール)の署名活動に踏み切った。「理系の頭脳」で物事を整理して考える酒井さんに、五十嵐市長のどこが問題なのか話してもらった。

市にはもうまとまった土地がない

3つの住民訴訟は、①つくばセンタービル改修は10億円超の大型事業であるのに必要な行政手続きを怠った(2021年8月) ②市長1期目の「22円退職金」は市の財政に624万円の損失を与えた(2022年1月) ③運動公園用地の民間売却は議会の議決を得ておらず違法である(2022年5月)―といった内容。①と③は市の施策の問題、②は市長の行状の問題といえる。

これら住民訴訟は「月1回ぐらい(裁判官と原告・被告弁護士の間で)書面によるやり取りをしている。判決が出るまで通常は2年ぐらいかかる。したがって(五十嵐市長2期目の任期が切れる)2024年秋までには、各裁判の勝ち敗けがわかる」。五十嵐市政2期目の後半は、これら「時限爆弾」が破裂するか、それとも不発に終わるか、目を凝らす必要がありそうだ。

リコール署名活動(7月11日~8月10日)開始前に配られたチラシでは、市長解任の理由を列挙しているが、住民訴訟③の運動公園用地売却に対する「怒り」に多くのスペースが割かれている。これは研究学園都市への「想い」の裏返しか。

「運動公園用地を売ってしまうと、もう、つくば市にはまとまった土地はない。新たなプロジェクトを企画することは不可能になる」「それは学園都市の発展の可能性がなくなることを意味する」「運動公園用地は公共用でなくなり市民が使えなくなる」「何よりも学術系区域が物流基地になり学園都市の品格が失われる」

情報統制、政治宣伝、大衆迎合

酒井さんは、五十嵐市政の施策や市長の行状だけでなく、その手法も問題だという。現市政を念頭に「民主主義を壊すのは、インフォメーション・コントロール(情報統制)、プロパガンダ(政治宣伝)、ポピュリズム(大衆迎合)の3つだ」と述べ、情報統制の例として、元市議が発行した市政チェック紙を名誉毀損で訴えたことを挙げた。そして「これは市政批判に対する計算された弾圧だ」と。

プロパガンダの例については「『広報つくば』や『かわら版』には、市に都合の悪いことは書かず、施策について一方的に宣伝を行い、言い訳と自己正当化を繰り広げている」と指摘。ポピュリズムの例としては「市長選で市民の受けを狙った」退職金辞退(結果は22円)を挙げた。

面白いのは、今夏に五十嵐市長を解任に追い込み、秋口の市長選に持ち込むことで、「市長と市議の同時選挙」を分離したいと主張している点。「つくば市では市長と市議の同時選挙という変則的な市政選挙が続いている。これだと市長と市議の一体化が進み、市長の力が強化される。また、市民には選挙で市政に参加する機会が4年に1度しかない。この際、この欠陥を直したい」。ついでに選挙改革もやりたいようだ。

【さかい・いずみ】土浦一高、東北大工学部各卒。日立電線(現日立金属)研究員、高エネルギー加速器研究機構准教授を経て、2003~13年福井大教授(加速器工学)。工学博士(東北大)。2020年秋の市長選に出馬するも落選。現在「桜中部まちづくり協議会」副会長。1948年桜村(現つくば市)生まれ。実家に在住。

【インタビュー後記】実は運動公園用地が110億円で売却されたことがQ&Aの中心に。私も学園都市の土地バブルに注目していたのでこの議論は有益だった。最低売却価格68.5億円の用地が+40億円で売れたことは土地バブルの証左。インフレはこれから本番だから110億円の土地はもっと値上がりしそう。得するのは外資系倉庫会社、損するのは土地を手放したつくば市?(経済ジャーナリスト・坂本栄)

➡NEWSつくばが取材活動を継続するためには皆様のご支援が必要です。NEWSつくばの賛助会員になって活動を支援してください。詳しくはこちら

120 コメント

120 Comments
フィードバック
すべてのコメントを見る
スポンサー
一誠商事
tlc
sekisho




spot_img

最近のコメント

最新記事

県内初、知的障害者バスケ大会「スマイルカップ」 5月6日 つくばで開催

開催に向けつくばのチームが尽力 知的障害者によるバスケットボール大会「スマイルカップ イン つくば(SMILE CUP IN TSUKUBA)」(主催・茨城パラスポーツ協会)が5月6日、つくば市竹園のつくばカピオで開かれる。県内では初の試みとなる大会で、つくばを拠点に活動する県内唯一の知的障害者バスケットボールクラブチーム「スマイル」が開催に向けて尽力した。スマイル代表の福原美紀さん(54)は「知的障害があってもバスケを楽しめる。それを多くの人に知ってもらいたい」と思いを込める。 競技は一般のバスケットボールと同ルールで行われる。国内では1999年に日本FIDバスケットボール連盟が発足し、全国大会「FIDジャパン・チャンピオンシップバスケットボール大会」を主催するなど普及が進められてきた。2025年の第28回大会には全国から男女計36チームが参加した。国際大会には日本代表も出場し、2015年のエクアドル大会では男子が5位、女子が銀メダルを獲得している。一方で、2000年シドニーパラリンピック以降、同競技はパラリンピック種目から外れている。 県内唯一のクラブチーム 福原さんが活動基盤とする「スマイル」は、2011年に発足し今年で16年目を迎える。自身も障害のある子を持つ親として「子どもたちが仲間と笑顔になれる場所をつくりたい。障害があってもやりたいことを諦めないでほしい」という思いで立ち上げたチームだ。 現在は小学生から20代中後半まで約30人が所属し、全国大会を目指す「スマイル強化チーム」と、障害の程度に関わらず参加できる「スマイル育成チーム」の2部制をとる。練習は、つくば市内の体育館で週に2回から3回行われ、つくばを中心に、土浦や常総、水戸、日立など県内各地から「バスケがしたい」という思いでつながる選手が集まっている。 大会開催の背景には、県内の競技環境の課題がある。現在、県内には知的障害者のバスケットボールのクラブチームが「スマイル」しかなく、選手たちは広範囲から通っている。他県では複数チームが存在し地域ごとに大会も開かれているが、県内では「チームを選ぶことすらできない状況」が続いている。 「まずは競技の存在を知ってもらい、チームを増やしたい」。福原さんはこうした思いから昨年6月、茨城FIDバスケットボール連盟を設立。大会開催はその第一歩となる。 大会は、神奈川、千葉、栃木から各県の強豪チームが参加する「チャンピオンシップ部門」と、競技経験の浅い選手たちによる「フレンドリーシップ部門」が行われる。フレンドリーシップ部門には、市内の福祉団体にも呼び掛けて編成した「入門チーム」が参加し、厳密なルールにとらわれず、全員がボールに触れシュートできるようにするなど配慮する。「まずはバスケットの楽しさを知ってほしい」と福原さんは話す。 楽しむ姿を見てほしい 福原さんは「障害があるからできないと諦めてしまう人が多いが、楽しむことはできる。大会を通してその姿を見てもらいたい」と語る。さらに「障害が重かったりルールが分からなかったりして最初から無理だと思われがちだが、バスケは誰でも楽しめるもの。それを子どもたちだけでなく、親や周囲の大人たちにも知ってもらい、その先に各地でチームが生まれ、選手自身が選べる環境につながってほしい」と期待を込める。 監督を務めるつくば市在住の遠藤裕さん(42)は、「県内で開かれる初めての大会であり、チーム名を冠した大会でもあるので優勝したい気持ちは強い。大会を通じてチームとしてもう一段階成長できれば」と話す。 キャプテンで水戸市在住の會澤心さん(24)は「チームメートはこれまでの大会経験で成長してきた。みんな自由だが、やる時はやる。若さと走力を生かして、強いチームにも勝ちたい」と意気込みを語った。(柴田大輔) ◆知的障害者バスケ大会「スマイルカップ イン つくば」は、5月6日(水)午前9時45分から、つくば市竹園1丁目10-1、つくばカピオ・アリーナで開催。入場無料。問い合わせは、茨城パラスポーツ協会に電話(090-2554-1301/090-8963-9296)またはメール(ibaraki.fid@gmail.com)にて。詳しくは大会ホームページへ。

「市民の応援が大きな励みに」油井宇宙飛行士、つくば市長を表敬訪問

国際宇宙ステーション(ISS)に約5カ月間滞在し、今年1月に帰還した宇宙航空研究開発機構(JAXA)の宇宙飛行士 油井亀美也さん(54)が22日、JAXAの宇宙飛行士養成施設がある地元のつくば市役所を訪れ、五十嵐立青市長を表敬訪問した。今回の油井さんの宇宙滞在は2015年以来、約10年ぶり2回目で、滞在日数は合計300日を超えた。「つくば市民の応援が大きな励みになった」と語った。 今回の任務では、約5.9トンの物資を輸送する能力を持つJAXAが開発した新型宇宙ステーション補給機「HTV-X」初号機を、ロボットアームを使ってつかむ操作に成功した。「国際的な協力と地上の支えのおかげで、すべてのミッションが大成功だった」と振り返り、作業については、「宇宙ステーションが秒速8キロで飛行する中で、静止しているように感じた。技術の高さを実感した」と語った。 また、JAXAが開発した実験棟「きぼう」では、将来の宇宙開発に向けた重要な成果として、将来の有人宇宙探査を見据えた新型二酸化炭素除去装置の技術実証を実施した。「宇宙飛行士が生活するために必要なもの。基礎技術を宇宙で実証できたことで、日本の技術力を示すことができた」と振り返った。 約166日間滞在した国際宇宙ステーションでの生活については、「10年経っても体が覚えていて適応は早かった」とし、「宇宙ステーションの環境が以前よりもすごく良くなっていた。日本食の数も増え、美味しいものが増えていた。インターネットの速度も速くなっていて家族と話をするのも比較的簡単に、しかも顔を見ながら話ができるようになっていた。非常に快適だった。一生住んでもいいかなって思うくらい」と話した。特に地上から届いた新鮮な野菜や果物のおいしさが印象に残ったと言い、「野菜やフルーツが苦手だったが、こんなにおいしいものを半世紀以上食べていなかったのかなと少し反省をした」と笑顔を見せた。 宇宙から見た地球については、火山活動や前回よりも大型化しているように感じた台風など自然現象が印象的だったとし、各地の夜間の明るさの違いから、国や地域による社会課題を実感したと言い、「新たな学びとなった」と語った。 つくば市については、「カメラの望遠レンズ越しに見ることができた。宇宙からも整然とした街並みがよく分かった」と話し、市内に設置された市による応援横断幕についても、「JAXAの職員から写真が送られ見ることができた。市民の応援が大きな励みになったし、普段から応援してくれる人たちを思い浮かべながら任務にあたった」と感謝を述べた。 宇宙飛行士育成に力を入れたい 今後については「再び月や火星を目指すには年齢的に難しい」としながら、「これまでの経験を生かし、後進の宇宙飛行士たちが胸を張って、立派に月や火星で任務を果たせるよう、育成に力を入れたい」と語った。 五十嵐市長は「極限環境の中でも宇宙の魅力や可能性を楽しく伝える姿に感銘を受けた。宇宙の街として、これからも宇宙飛行士を全力で応援していく街でありたい」と話した。 油井さんは1970年生まれ、長野県出身。92年に防衛大学校を卒業後、航空自衛隊に入隊し、小美玉市の百里基地に4年間、配属された。その後、自衛隊出身者初の宇宙飛行士として2009年にJAXA宇宙飛行士候補に選抜された。(柴田大輔)

対策必要な下水管 延長600メートル つくば市 八潮市の陥没事故受け特別調査

埼玉県八潮市で昨年1月に発生した道路陥没事故を受けた下水道管路の全国特別重点調査で、つくば市は21日、対策が必要な下水道管路は市内に延長約600メートルあると発表した。いずれも筑波研究学園都市の建設が始まった1970年代につくられた雨水管という。同時期に生活排水を流す汚水管も埋設されたが、今回の国交省調査の対象外という。 対策が必要な雨水管600メートルのうち、原則1年以内に速やかな対策が必要な緊急度Ⅰの管路は延長約100メートル、応急対策を行った上で5年以内を目途に対策が必要な緊急度Ⅱの管路は延長約500メートルだった。 特別調査は、八潮市の陥没事故を受け、国交省が全国に調査を要請した。調査対象は内径2メートル以上の大口径で、1994年度以前に布設され30年以上を経過した下水管。傷み、腐食、破損、たるみなどの程度や個所数などを調査した。市内では延長約23キロの雨水管が調査対象となった。昨年7~12月、調査員が雨水管内に入って管内の状況を目視で調査、今年1~2月に調査結果を診断した。一方汚水管については内径2メートル以上のものはなく、今回の調査対象にはならなかった。 調査の結果、対策が必要だと分かった延長約600メートルの雨水管の管路に軽微なひび割れなどが認められたが、土砂の堆積など道路陥没につながるような緊急性の高い異常は確認されなかった。市下水道工務課は、今回調査対象となった雨水管は、汚水管のように硫化水素が発生し腐食しやすい環境にないため、道路陥没のリスクは比較的低いとしている。 今後の対応として市は、1年以内に対策が必要な延長約100メートルについては、空洞化調査などの詳細調査をし、来年2月までに対策を実施するとしている。5年以内に対策が必要な延長約500メートルについては2031年2月までに対策を実施する。修繕完了までに一定期間を要することから、路面巡視などを適宜実施し、陥没の予兆となる道路異常の早期発見や事故防止に努めるとしている。 一方、内径が2メートル未満のため今回の調査対象にならなかった汚水管については、市の第1期(2019~23年度)ストックマネジメント計画で、延長3100メートルについて修繕対応が必要とされ、23年度までに1900メートルの修繕を実施してきた。現在実施中の第2期計画では、第1期で積み残した1200メートルと新たに判明した分を合わせた5700メートルについて対策を実施するとし、初年度の24年度末時点で220メートルについて修繕を実施したという。 県が管理する流域下水道の管路については、つくば市内などに布設されている霞ケ浦常南流域下水道の管路は、対策が必要な箇所は無かった。土浦市などに布設されている霞ケ浦湖北流域下水道については、原則1年以内の速やかな対策が必要とされる緊急度Ⅰの箇所が延長6メートル、応急措置を行った上で5年以内を目途に対策が必要な緊急度Ⅱの箇所は延長71メートルあった。

学校給食の牛乳に異味 土浦市 6校の12人が体調不良

土浦市教育委員会は21日、市内の小中学校の学校給食で出された牛乳を20日に飲んだ児童、生徒から「いつもと牛乳の風味が違う」など異味の申し出があったと発表した。そのうち6校の児童生徒12人から腹痛など体調不調の訴えがあった。 牛乳は、いばらく乳業(水戸市)が製造したもので、茨城県学校給食会から同市が購入し、市内24の小中学校に計約1万500食分を提供している。 発表によると、市内の全24校で「味がすっぱい」「薄い」「酸味がある」「薬のような臭いがする」など異味の申し出があった。24校は、土浦小、下高津小、東小、大岩田小、真鍋小、都和小、荒川沖小、中村小、土浦二小、上大津東小、神立小、右籾小、都和南小、乙戸小、菅谷小、一中、二中、三中、四中、五中、六中、都和中、新治学園義務教育学校、土浦一藁附属中。 そのうち体調不良の訴えがあった6校の12人は、土浦小が3人、下高津小2人、上大津東小2人、都和南小3人、五中1人、新治学園1人。 20日、各学校が市学校給食センターに報告。土浦保健所や県教育庁保健体育課に連絡した上で、いばらく乳業に対し、原因の調査を依頼している。 市教委は21日から当面の間、給食での牛乳の提供を停止し、児童、生徒には水筒を持参してもらって対応している。 市教委は「関係する児童、生徒、保護者の皆様には大変ご心配をお掛けしましたことをお詫びします」などとしている。