木曜日, 12月 25, 2025
ホームスポーツコロナに翻弄、今も穴埋めしている 土浦日大・小菅監督【高校野球’22展望】

コロナに翻弄、今も穴埋めしている 土浦日大・小菅監督【高校野球’22展望】

月曜日はオフ

―野球部のグラウンドと寮は土浦市内の学校から離れたかすみがうら市にあります。平日は学校が終わって何時に出発して、何時に練習を開始していますか。
小菅 大体午後4時前に学校を出発し、4時30分頃に到着します。練習が始まるのは4時45分くらいからになります。

―曜日によって練習の組み方が違うのでしょうか。
小菅 月曜日はオフ。心身のリフレッシュのために完全休養としています。積極的休養か消極的休養かは本人に任せているので、グラウンドで練習している選手もいれば、完全に休養している選手もいます。

―自主練習はどのようにしているのでしょうか。
小菅 同級生同士で行うケースや先輩後輩で組んで行うケースがあり選手同士で上手く回しています。後輩に何かを伝えようとしているとか、先輩から技術を取り入れようとしているとか、自主練習で良い化学反応もたまに見られます。

―現在の部員数は?
小菅 82人です。

―4年前には自宅から通いの選手が15人程度いると伺いましたが、今はどうでしょう。
小菅 現在は自宅から通いの選手はいません。本人の希望で地元の選手でも全員寮で生活をしています。

―寮には最大で何人入れるのでしょうか。
小菅 最大で100人以上は入れますが、学年25人程度が適正じゃないかと思います。

―一般受験でも入部はできますか。例えば公立を受けたけど落ちた、でも高校野球をやりたいという選手は受け入れてもらえるのでしょうか。
小菅 一般受験でも入部できます。併願受験で結果的に公立に落ちて本校に入部したという選手がレギュラーで活躍することもあります。高校野球をやりたいと言っているのに断る理由がありません。高校野球を3年間全うしてこそ見える景色がある。その景色を見せてあげることは指導者としての一つの使命なのではないかと思います。

ピッチャー陣と練習前のミーティングを行う小菅監督

土浦市内大会、夏をイメージできる経験に

―先日、作新学院(栃木)と試合を行いました。どうでしたか。
小菅 やはり強豪チームと背番号を付けて球場でやるというのは練習試合とは違った様相がありまして、夏の大会をイメージできる経験になりました。良くも悪くも土浦市内大会がきっかけになることがあります。2018年にも横浜高校(神奈川)が招待されて真剣勝負をさせてもらったのですが、夏の大会に優勝できるイメージが持てる試合ができました。今回、作新さんとは点差が開きましたけれど、向かっていく気持ちを持って臆することなくできましたので、そういう意味では良いバロメーターになったと思います。

―最近の練習試合での手応えはいかがですか。
小菅 練習試合は結果よりも結果につながるプロセスを大事にしています。負けた試合でも食らいついて最後1点差に迫ったり、何かしらの収穫があります。選手にも、練習試合でミスをした、打てなかったからといって、絶対に自分のこと仲間のことを不信に思ってはいけないよと言っています。練習試合を通して、試合のポイントを明らかにして、こういう気持ちで臨んでいれば結果は後から着いてくるというような、選手の野球に対する取り組みと、夏の大会に向かっていくチーム作りは着々と前進していると思いますね。こういった蓄積を大会で発揮したいと思います。

野球の喜びや感謝を集約できれば

―3年生には最後の大会。どのような軌跡をたどって来たか総括してください
小菅 広い意味でコロナに翻弄された3年間でした。こちらが求めているよりも、体力や気持ちがついてきていない部分があり、今でもその穴埋めの作業をしています。それは大会中の最後の最後まで続くかもしれない。逆に言えば何かミラクルが起こる可能性もあります。ようやく野球が出来るんだという喜びや感謝を大会に集約できればいいなと思います。誰かが仲違いしたり、練習に身が入らない時期があったりと、チームの中ではいろいろと紆余曲折ありました。それでもやっぱり最後は仲間で最高の思い出を作ろうねと、今は一致団結している段階に入っています。

―最後に、夏の大会への意気込みを。
小菅 今年の3年生はコロナ3年目で、いろいろとつらい思いや、野球をできなかった期間を経験しています。ただただ夏の大会ができるという喜びを感じて大会に臨んで欲しいなと思います。彼らが掲げている目標は甲子園で勝つことです。私も1年間、彼らがそのことが達成できるように頑張ってきたので、後は大会が終わってから夢がかなうかどうか。本当に一戦一戦頑張って戦い抜いて欲しいと思います。(聞き手・伊達康)

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