火曜日, 4月 7, 2026
ホームスポーツコロナに翻弄、今も穴埋めしている 土浦日大・小菅監督【高校野球’22展望】

コロナに翻弄、今も穴埋めしている 土浦日大・小菅監督【高校野球’22展望】

第104回全国高校野球選手権茨城大会が9日開幕した。出場を間近に控えた有力校3校の監督にインタビューした。第1回は土浦日大の小菅勲監督に、他校の分析と今年のチームの特徴、意気込みなどについて聞いた。

土浦日大 小菅勲監督

つくば秀英 勢い加わっていた

―春の大会は、準決勝でつくば秀英に1点差で敗れました。その振り返りと受け止めからお願いします。
小菅 つくば秀英さんは春に霞ケ浦さんに勝って、チームに勢いが出ましたね。素材の良い選手がそろっていますし、シートノックを見ていてもしっかりと守れているので練習をやっているのがよく分かりました。そこに勢いが加わっていた。2回終了の時点で、相手の勢いを見誤っていたなと思いました。「前半が勝負。前半で攻め立てる」と選手たちに浸透仕切れなかったことが大きな敗因ですし、そこは私のミスだと思います。

―つくば秀英投手陣については。
小菅 五十嵐大晟投手(2年)、塚越伊織投手(3年)ともに良いボールを放っていました。こちらは初見のボールをしっかりと観察して、捨てるボールと勝負に行くボールの見極めがしっかりと出来てはいましたが、攻撃が遅くなってしまいました。

―秋準決勝で対戦し惜しくも敗れた明秀学園日立は、その後、秋の茨城を制覇し、秋季関東大会で初優勝。センバツでは1勝を挙げ、春の茨城も制覇しました。明秀学園日立をどう見ていますか。
小菅 各打者のスケールが大きく、エースの猪俣投手という軸がしっかりとしています。全国で勝てる力が十分ある。明秀日立さんが甲子園に行った2018年のチームに似ている印象があります。茨城県では頭一つ抜けている存在ではないでしょうか。格上に対してはチャレンジャー精神を持って、相手に欠けている部分と、自分たちの良い部分を織り交ぜながら挑戦していきたいです。

主将、指導歴でも稀有な存在

―今年のチームは長打も打てて守れる選手がそろっている印象です。
小菅 主将の武田優輝は勝ちたいという気持ちが非常に強くしっかりとチームをよくまとめています。去年はまだ突っ走っている感がありましたが、今年は上手く周りと同調しながら盛り立てて、いいチーム作りをしてくれています。彼は私が言おうと思っていたことを言いますし、2年生に対しても仲間として勝つために必要なんだという扱いをしてくれるので、なかなかこういうキャプテンとは出会えないと思わせる、私の指導歴でも稀有な存在です。

―中心選手としては1年生から出場している吉次悠真選手も挙げられます。2年半の成長をどのようにたどっていますか。
小菅 彼は器用ではないタイプで、黙って経験を積ませようという方針でやってきました。まだまだ失敗もありますが、目の覚めるような打球を放ったり、才能を感じさせるようなプレーがたくさん出ます。これまでは細かいことはあまり言わなかったのですが、いよいよ高校野球の集大成に入ってきたので、少しずつ修正点や課題を解消するために話し合うようになってきました。後は、大会で何かをつかんでくれればという段階に入っています。

―中軸を打っている2年生については? 香取蒼太選手と太刀川幸輝選手はともに体が大きくて長打力が持ち味だと思います。
小菅 香取は非常に長打力がありますし足も肩もある。試合経験を積みながら一つ一つ覚えていって、一歩一歩花を咲かせながら成長しています。太刀川については、非常に勝負強いです。野球への取り組みの良さが打席にも出ているなと思っています。

―投手陣について。下級生から登板していた山田奏太投手と河野智輝投手、それに長身右腕の小森勇凛投手(2年)、それぞれの特徴を教えてください。
小菅 山田は右のオーバースローで真っ直ぐと変化球のコンビネーションが特徴です。速さで押すというよりボールのキレで勝負するタイプです。本人が試行錯誤しながら今でも一歩ずつ成長しています。河野は右のサイドスローで、緩急とコーナーワークを織り交ぜながら丹念に打たせて取るタイプのピッチャーです。彼も本当にまじめでチームのために献身的にプレーしてくれます。小森は潜在能力が高く、球速があってボール自体はエース級です。荒削りではありますが素材としてはピカイチです。順調にいけば大学でエースになったり、その先も考えられる素材です。フィジカルとメンタルとテクニックが合わさったらすごく良いピッチャーになると思いますが、今はゲームを作る能力を磨いている段階です。

―夏は特に期待する選手は。
小菅 夏の大会は全員に期待しています。コロナ対策として試合ごとに登録変更が可能になっており、ベンチ外の選手もベンチ入りするかもしれません。この1年間、誰が欠けてもチーム力を落とさないでみんなで補おうというテーマを持って取り組んできました。常に準備しておいてくれと選手には伝えています。(次ページにつづく)

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里山に響く若者たちの声《宍塚の里山》134

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切り捨て《短いおはなし》

【ノベル・伊東葎花】 2100年、人間は2種類に分けられる。AIを使う人間と、AIに使われる人間。約7割の人間は、AIに使われている。AIロボットの指示で働き、失敗すると容赦なく切られる。切られた人間はスラム街へ流れ、一生這い上がれない。 私はもちろんAIを使う側の人間。 「おはよう、アンジー、西区の売り上げを出してちょうだい」 「かしこまりました。ケイト様」 「Bブロックの業績が悪いわ。原因は何だと思う。アンジー」 「ロボット30台に対し、人間200名は多いかと。人件費が無駄です」 「そうね、50名ほど切りましょう。ピックアップお願い」 「承知しました」 AIロボットは、人間みたいに迷わない。的確に、能力が低い人間を切り捨てる。 「ケイト様、今日はマリアさんのバースデーです」 「あら、そうだったわ。ぬいぐるみでも贈っておいて」 「ケイト様、マリアさんは12歳です。アクセサリーがよろしいかと」 「そう。じゃあアンジー、お願いね」 結婚はしていないけど娘はいる。遺伝子を残すために作った娘。それがマリア。研究施設に預けて、優秀な子育てロボットに全てを任せている。面会は年に一度。成長を確認しに行くだけ。 今日はマリアとの面会日。高級なお菓子を持って、研究施設に行った。ここには人間の大人はいない。完璧なシステムを組み込んだAIロボットが、食事から学習、運動能力から就寝まで管理する。「いらっしゃいませ、ケイト様」 「こんにちは。マリアはどこかしら」 「マリアさんはC棟です」 「C棟? そんな施設あったかしら」 オートカートに乗って着いたC棟は、まるでスラム街のようだ。すさんだ目の子どもたちが、私からお菓子を奪ってむさぼるように食べた。ひどい場所。こんなところにマリアがいるはずない。 「ママ」 振り向くと、マリアがいた。擦り切れたジーンズを履いている。 「マリア、いったいどうしたの? ママが送った服は?」 「高価な服は、落ちこぼれ棟には回ってこない」 「落ちこぼれ? マリアが?」 「そう。あたし勉強できなくて、AI先生に切られたの」 「何ですって?」 「でもね、こっちの方がいい。自由だもん」 何てこと。信じられない。私はすぐに、施設長に苦情を言った。 「多額の寄付をしているのに、どういうことなの?」 「マリアさんは、われわれの理想とするレベルには程遠いです。よって、切り捨てました」 「切り捨てた?」 「私たちはそのようにプログラムされておりますので」 「戻しなさい。すぐにマリアを戻しなさい」 AI警備隊によって、私は外に出された。クレーマー対応ボタンが押されたのだ。 能力が低ければ切り捨てる。すべて私がAIにやらせていたこと。それが正しいと信じていたこと。混乱しながら、フェンスを伝って歩いた。 「ママ、バイバイ」 C棟の前で、マリアが無邪気な顔で手を振った。娘の笑顔を初めて見た。そして私は、初めて泣いた。 (作家)