96校93チームが出場する第104回全国高校野球選手権茨城大会が9日、開幕した。開会式は実施されず、試合後の校歌斉唱や校旗掲揚も省略されたが、3年ぶりに観客数制限なしで観戦できる大会となった。5球場で一回戦10試合が行われ、J:COMスタジアム土浦の開幕戦に登場した土浦一は東洋大牛久に競り負けた。

県南勢同士の対戦。土浦一は先発、中里洸介が試合を引っ張った。東洋大牛久は、序盤小刻みな継投を見せ、4回から登板の3番手片倉が好投。9回まで1安打で投げ切った。
3回、土浦一の四番、伊藤敦貴は、左翼フェンス直撃の同点二塁打でスラッガーの片りんを見せた。
6回、東洋大牛久は、三塁打から、犠飛で決勝点を奪った。
敗れた土浦一高の柴沼剛己監督は「選手達は1年間練習でやってきたカットプレー、バント処理など勝つためにやってきたことを全て出し切ってくれた。みんな生き生きとプレーして気の抜いたプレーはなかった。采配に答えてくれて選手は本当によくやってくれた」と選手らを称えた。さらに「中里の先発は早くから決めていて試合をしっかりつくれて100%の出来だった。負けたのは僕の力不足、指導不足を感じている」と振り返った。
竹内敦哉主将は「これまでの試合では実力校相手にまとまった試合が出来ずチーム全体でミスが出ていたが、今日は地に足をつけてチャレンジャー精神で明るく楽しくやる事が出来た。エラーは出たが投手継投やファインプレーもあった。1点差で勝ちきれなかったのが悔しい」とコメントした。
中里洸介投手は「制球で、四球があり絶好調ではなかったがストライクを取って行って低めを意識して打ち取る事を考えながら投げた。今日出来る事はやった」と話した。
2回に先制タイムリーを打った石井雅也一塁手は「追い込まれていたのでくらいついて打った。打ったのは高めのスライダー。私立の強豪校相手に全力で試合に挑んで負けたのは悔しいが、やるべき事はやった。力を出し切った」と述べた。
声出し応援聞かれず
午前10時に30度を超す炎天下のゲーム。スタンドにはブラスバンドなど野球部以外の生徒らが陣取ったが、両校とも全校応援とはならず、声を出しての応援も聞かれなかった。地元校の対戦にしては今ひとつの観客の入りで、コロナ禍の影響をうかがわせた。
