土曜日, 8月 22, 2026
ホームつくば洞峰公園工事予定地に絶滅恐れの希少種 つくばの市民団体、県に保全要望

洞峰公園工事予定地に絶滅恐れの希少種 つくばの市民団体、県に保全要望

つくば市二の宮にある県営の都市公園、洞峰公園(約20ヘクタール)のリニューアル問題で、市民団体「地域参加型の洞峰公園整備計画を求める会」(木下潔代表)は17日までに、県などに対し、希少な動植物を保全するよう求める要望書を提出した。県は民間事業者に委託して、洞峰公園整備運営事業としてリニューアルする計画を立てているが、同会は、公園内の工事予定地などで絶滅の恐れがある希少種が確認されたなどとしている。

同会は、公園管理者と地域の利用者が話し合う「協議会」を設置するよう、県などに要望しており=5月13日付=、今回、新たな要望書の提出となった。

木下代表(61)によると、13日、元ミュージアムパーク茨城県自然博物館主席学芸員の小幡和男さんと現地調査したところ、公園南側の駐車場拡張予定地の樹林地内で、県が準絶滅危惧種に指定しているラン科の多年草、キンランとギンランが確認された。

ほかに公園全体では、日本野鳥の会茨城県や、同会メンバーの観察などにより、絶滅危惧種や準絶滅危惧種に指定されている希少な野鳥が、トモエガモ、カイツブリ、ハチクマ、オオタカ、オシドリなど13種類、植物がキンラン、ギンランを含め4種類確認されているとしている。

県の希少野生動植物保護指針によると、希少野生動植物の生息の可能性がある場合、開発事業者は、調査を実施する必要があると定められている。さらに開発による影響を把握し、保護方針を決めて保護対策を実施し、対策の効果を検証しなければならないとされている。

これに対し県都市整備課は「要望書を受け取ったばかりなので、コメントできない」としている。今回、公園のリニューアルを実施するに当たり、動植物の調査はこれまで実施されていない。

一番最初に行う工事

洞峰公園のリニューアルは、県からパークPFI(公園設置管理制度)事業者の委託を受けた「洞峰わくわく創造グループ」(代表法人・長大)が、公園南側の野球場などにグランピング施設やドッグラン、バーベキュー(BBQ)ガーデンなどをつくる計画。併せて南側の樹林を伐採し、駐車場を127台分拡張する計画となっている。

木下代表によると、駐車場拡張のため伐採される樹木は300本ほどで、洞峰公園が開園した1980年より前からあるアカマツ、ヤマザクラ、コナラ、シラカシ、ケヤキなど。樹齢100年を超える樹木もあるという。

駐車場の拡張工事は、一番最初に行う工事とされ、グランピング施設やBBQガーデンなどを整備する工事車両の動線となる。完成後は、グランピング施設やドッグラン、BBQガーデン、多目的フィールドなどの利用者が目的施設まで車でアクセスしやすくなり、利用者の利便性が飛躍的に向上するとされる。

伐採される計画の駐車場拡張予定地の樹林=つくば市二の宮

一方、地元の五十嵐立青つくば市長は「駐車場の改善以外は、市として大きな課題がある」(5月13日の定例会見)とし、グランピング施設とBBQガーデンは「臭いやアルコールなど懸念がある」=4月14日付=とする一方、駐車場の拡張は渋滞解消につながるとして受け入れる方針をこれまで示している。これに対し木下代表は「つくば市にはこれから、自然を保全してほしいという要望書を出すことを予定している」と話す。

以前からあった環境残す

木下代表は「洞峰公園は(埋め立てて公園をつくる1980年以前から)洞峰沼周辺にもともとあった樹木を生かしてつくられた。さらに緑の帯であるペデストリアンデッキで筑波研究学園都市のほかの公園と結ばれ、小さな動物が行き来できるように設計された。絶滅危惧種を含めて生物多様性を保全する公園整備をしてほしい」としている。

「日本野鳥の会茨城県」副会長の内田初江さんは、1982年から2000年まで毎月1回、洞峰公園で探鳥会を開催したところ、希少種を含め101種類の野鳥が観察されているという。「洞峰公園のような都市公園で100種類を超える野鳥が見られること自体、多様な環境があるすばらしい公園である証拠」だとし、「公園をつくる際、学園都市ができる前から洞峰沼周辺にあった環境を残したことが、今も100種類を超える野鳥が生息したり、営巣したり、エサを取ったりできる環境を生んでいるのではないか」と話している。

協議会設置「すぐにお答えできない」

一方、都市公園法に位置付けられている公園管理者と地域の関係者が話し合う場である協議会設置の要望について同会は、14日、さらに1925人分の署名を県に提出し、署名数は計4034人分になった。一方、県からは6月1日付で「協議会設置の可否は、多くの関係者と調整が必要であり、すぐにお答えできる状況にない」などとする回答があったという。

協議会設置の要望書は、パークPFIの代表事業者である長大とつくば市にも提出した。長大などで構成する洞峰パークマネジメントからは9日付で「現在、県と進め方を協議している段階で個別の回答は控える」「今後、県主催の県民向け説明会を開催する方向で県で調整しており、事業者としての改善策や考え方についても示したい」、つくば市からは14日付で「協議会の設置は重要であるので文書で県に要望する」などの回答がきているという。

木下代表は、協議会設置を要望する署名活動を続けるほか、いつまで経っても説明会を開いてくれないので、7月9日午後1時から二の宮交流センターで「洞峰ワークショップ」を開きたいなどとしている。(鈴木宏子)

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