第74回春季関東地区高校野球茨城県大会は5日、土浦市川口のJ:COMスタジアム土浦で決勝戦が行われ、9-3で明秀日立が秋春連覇を達成した。つくば秀英は敗れたものの創部26年目で初の決勝進出を果たし、念願の関東大会出場を決めた。

つくば秀英は今大会、3回戦4-3霞ケ浦、準々決勝7-0つくば国際、準決勝6-5土浦日大と県南の強豪を相次いで倒し、決勝に上り詰めた。選手の一人、谷山鉄は「昨秋の関東大会で優勝し、今春のセンバツで2度目の甲子園出場を果たした明秀日立に対し、自分たちがどこまで通用するか試しながら、勝ちにいきたかった」と思いを話した。
1回表、いきなり相手の4番・石川ケニーに先制3ランを浴びてしまう。秀英もその裏、1・2番の連続ヒットから君付旺介の犠牲フライで1点を返し、何とか食らいつこうとする。だが3回に1点、5回に2点を失うなど、徐々に引き離されていく。

「悲観する敗戦ではないが、勝負どころで1本を出せないのは課題。出る、送る、還すという個々の役割をしっかり果たしたい。投手力や守備力の底上げも必要。ランナーが出てからの牽制やポジショニングなど、詰めの部分を大事にしたい」と森田健文監督。
「初回に甘い球を仕留められ、流れを持っていかれた。うちもチャンスを作ったが点にからませられず、最終回の集中力も相手の方が上だった。猪俣を引きずり降ろす勢いでないと次も勝てない」と野川唯斗主将。
明秀のエース、猪俣駿太には要所を締められ完投を許した。7回には敵失と長短打3本で2点を奪い、なおも2死一・二塁とするが野川が右飛に倒れる。8回にも2死満塁の好機を作るが、木城風樹が三振を喫した。この日2安打していた木城は「打てない投手ではない」と自信を持って打席に入ったが、相手は気合いが入っていて雰囲気が違ったという。「気持ちでは負けてなかったが、変化球を外へ決めてきた相手の精度が上だった」とくちびるを噛んだ。

「すごく悔しいが、新チームの目標だった関東大会出場を達成できたのはうれしい。あと2週間しっかり調整し、チーム一丸で頑張りたい。作新学院は気合いが入る相手だが、差があるとは思っていない。接戦に持ち込み、気持ちで戦っていく」と谷山は次戦を見据える。
森田監督は「まだまだなところもあるが、念願の関東出場を勝ち取った。今後これをチームの歴史としてつなげていくことが大事。力がある相手とわくわくする試合がしたい」と挑戦者の意識で臨む考えだ。

両校は21日開幕の関東大会(栃木)に出場する。(池田充雄)