第32回かすみがうらマラソン兼国際ブラインドマラソン2022(土浦市など主催)は17日、土浦市川口のJ:COMフィールド土浦(川口運動公園)を発着点とするコースで行われ、視覚障害者、ウオーキングの各部門を含め計8926人が出場した。新型コロナウイルスの影響で2020年から2年連続で中止になり、3年ぶりの開催となった。
大会は、フルマラソン、10マイル(約16キロ)、5キロの各部門男女と、かすみがうらウオーキング(16キロ)が同時開催で行われた。

男子フルマラソンは、元永好多朗(21=帝京大4年)が2時間17分6秒で優勝した。「フラットで走りやすいコースで、すごく楽しく走ることができた。太鼓を叩く人や家族での応援など、沿道の応援がとてもありがたかった」。茨城を訪れるのは初めてだったが、自然の豊かさと人の温かさを感じたという。
来年の箱根駅伝に向けて強化の一環として参加、「ロードでの実戦の貴重な機会となった」との手応え。出場を勧めた帝京大駅伝競走部の中野孝行監督は「マラソンも走れることを証明できた。箱根では復路の主要区間を任せたい」と太鼓判を押した。
女子は藤澤舞が3連覇 4度目のV

女子フルマラソンは藤澤舞(47=札幌エクセルAC)がコース自己ベストを更新する2時間43分57秒で制した。8回目のエントリーで3大会連続4度目の優勝。「オーバーペースで35キロ以降はフラフラになってしまった。課題が残ったものの最低限の目標は達成できた」と感想。この2年間はコロナ禍でロードの大会がなく、トラックの大会でスピードを強化してきた成果が出せたという。
5キロの部は男女とも県勢が制した。男子の伊藤遼佑(25=結城病院)の記録は15分38秒。7カ月前に生まれたばかりの迅隼ちゃんを抱いて表彰台に上った。下妻一高時代から5000メートルを主戦場としてきたが故障がちで記録を出せず、社会人になってから個人で頑張ってきた。「平日は夜にヘッドライトを付けて走ったり、土日は家の周りの田んぼ道などで、一人で淡々と練習してきた」。かすみがうらマラソンには昨年、一昨年もエントリーしたがいずれも中止で、今回が初挑戦。「優勝と大会新を目指してきたが、風があったので前半は抑え、後半勝負で独走に持ち込んだ。来年こそは新記録を狙いたい」という。

女子の永井真友美(59=笠松走友会)は20分43秒で大会初優勝。「いつもはフルマラソンを走ってきたが、昨年9月に右半月板を負傷、やっと走れるようになってきた」と今年は5キロにエントリーした。マラソン歴は22年で、東京国際や大阪国際など過去50以上の大会に出走、2006年のかすみがうら大会フルマラソンの部で3位入賞の経歴を持つ。また、大会事務局が主催する教室「かすみがうらマラソン大学」で、筑波大学駅伝チームの弘山勉監督の指導を受けたことも、自分なりにベストを尽くせた理由の一つという。(池田充雄)
その他各部門の優勝者は次の通り
▽10マイル男子 四釜峻佑(21=順天堂大学)47分55秒
▽10マイル女子 陰山朋佳(19=城西国際大学)59分08秒
▽フルマラソン男子盲人 堀越信司(NTT西日本)2時間21分21秒
▽フルマラソン女子盲人 近藤寛子(滋賀銀行)3時間16分33秒