火曜日, 5月 17, 2022
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結審を前に原告団が報告会 鬼怒川水害裁判

2015年9月に発生した鬼怒川水害で、浸水被害を受けた常総市の住民らが、鬼怒川を管理する国交省を相手取って裁判を起こした国家賠償訴訟が25日、水戸地裁で結審する。結審を前に、原告団(片倉一美団長)と支援団体「鬼怒川水害裁判を支える会」が11日、常総市の生涯学習センターで、報告会「鬼怒川水害裁判の報告&全国水害被災地と交流するつどい」を開いた。

裁判は18年8月、住宅や家財などに被害を受けた住民約30人が提訴した。判決は結審から3カ月ほど先に出されるという。

報告会で片倉団長(68)は「水害裁判では現在、改修計画に基づいて改修中の河川は、計画が不合理でなければ、未改修部分で水害が発生する危険が顕著であっても、特別な理由がなければ国に損害を賠償する責任はないという1984年の大東水害訴訟最高裁判例が踏襲され、国はこれにあぐらをかいている」と指摘した。

その上で片倉団長は、鬼怒川水害裁判の争点を説明し、堤防が決壊した上三坂地区について、住民側は、鬼怒川下流域で堤防が一番低く最も危険な場所であり最優先で堤防を改修する必要があった、国は改修を後回しにしており単なる改修遅れでは済まないなどと主張してきたのに対し、国側は、実際の堤防の高さとは別に、費用対効果の分析をする「スライドダウン評価」という計算上の堤防の高さを持ち出して、上三坂は最も危険な場所とは考えていないと主張しているとし、「国は論点をすり替えている」と糾弾した。

太陽光パネルを設置するため自然堤防だった砂丘が掘削され、最初に水があふれ出た若宮戸地区については、住民側が、国が河川区域に指定していれば掘削されることはなかった、河川区域に指定しなかったのは河川法の政令違反だと主張したのに対し、国側は、河川区域の指定は改修計画の合理性とは無関係、指定しなかったことをもって河川管理の不具合とは言えないと主張していると報告し、「若宮戸の砂丘を河川区域に指定しないのは政令違反だという話をしているのに、国は若宮戸には何も触れず、的外れな改修計画と河川区域全般の合理性の話に論点をすり替えている」とし、「あまりにも国民を愚弄している。全国の水害被害者が声を挙げ、ダムとスーパー堤防に予算を費やす河川行政から、国民の生命と財産を守る河川行政に変えさせたい」などと話した。

報告会には会場とオンラインで計約100人が参加し、岡山県真備、長野県千曲川、熊本県球磨川、茨城県久慈川の水害被災者らが各地の状況をオンラインで報告した。(鈴木宏子)

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